2025年後半~2026年前半に相次いだゲーム・エンタメ企業のIPO ミラティブ・TOブックス・オーバーラップホールディングスに見る成長企業の現在

2025年後半から2026年前半にかけて、ゲーム・エンターテインメント業界では注目企業の新規株式公開(IPO)が相次いだ。ゲーム開発会社だけではなく、ライブ配信サービスやIP創出・メディアミックスを強みとする企業が東京証券取引所へ上場したことで、「コンテンツを生み、育て、広げる」企業への市場の期待の高さが改めて示された。
この期間に特に注目を集めたのが、2025年10月3日に東京証券取引所グロース市場へ上場したオーバーラップホールディングス<414A>、2025年12月18日に同市場へ上場したミラティブ<472A>、そして2026年4月24日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場したTOブックス<500A>である。
3社はいずれもゲームを取り巻くエンターテインメント市場で独自のポジションを築いてきた企業だ。出版、ライブ配信、IPプロデュースと事業領域は異なるものの、「自社IPやクリエイターを中心に長期的な価値を生み出す」という共通した成長戦略を持っている。
本記事では、それぞれの企業の特徴と、IPO企業で働く魅力を紹介する。
■ミラティブ|ライブ配信から"ライブゲーミング"へ
ゲーム配信アプリ「Mirrativ」を運営するミラティブは、2025年12月18日に東京証券取引所グロース市場へ上場した。
同社は2018年にDeNAからスピンアウトして設立され、「スマートフォンだけで誰でもゲーム配信ができる」という手軽さを武器に成長してきた。配信者と視聴者がリアルタイムでコミュニケーションを楽しめるコミュニティを形成し、国内有数のゲーム配信プラットフォームへと発展している。
近年は単なる配信サービスの提供にとどまらず、「ライブゲーミング」を掲げ、自社でライブゲームの開発にも取り組むなど事業領域を拡大。ゲームを"遊ぶ"だけではなく、"配信しながら遊ぶ"という新たなエンターテインメント体験を創出している。
こうした事業拡大に伴い、エンジニアやプロダクトマネージャー、UI/UXデザイナー、データアナリストなど幅広い職種を募集しており、サービスと組織を同時に成長させるフェーズにある。
■TOブックス|出版からアニメ・ゲームへ広がるIPビジネス
2026年4月24日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場したTOブックスは、ライトノベルやコミックを中心に数多くの人気IPを手掛ける出版社である。
代表作には『本好きの下剋上』『ティアムーン帝国物語』『最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。』などがあり、小説・コミックだけではなく、アニメ化やゲーム化、舞台化など多面的なメディアミックス展開を積極的に進めている。
近年の出版業界では、書籍販売だけではなくIPを長期的に育成し、多様なメディアへ展開するビジネスモデルが重要になっている。TOブックスも編集力を核としながら、ライセンス事業や映像化、海外展開などを推進することで成長を続けてきた。
同社では編集者だけでなく、ライツ、営業、マーケティング、デジタル事業など幅広い職種が活躍しており、「IPを世界へ広げる仕事」に携われる点が大きな魅力となっている。
■オーバーラップホールディングス|"出版社"から総合IP企業へ
2025年10月3日に東京証券取引所グロース市場へ上場したオーバーラップホールディングスは、「オーバーラップ文庫」「ガルドコミックス」などを展開する出版グループの持株会社である。
『ありふれた職業で世界最強』『とんでもスキルで異世界放浪メシ』など人気作品を数多く生み出し、それらをアニメやゲーム、グッズ、海外ライセンスへ展開することでIP価値を高めている。
近年は出版社という枠を超え、「IPを創る」「育てる」「世界へ届ける」企業として事業を拡大。コンテンツ制作だけではなく、ライセンスビジネスや海外展開も成長ドライバーとなっている。
編集職やデザイナーだけでなく、ライセンス担当や商品企画、映像プロデュースなど活躍の場は多岐にわたり、コンテンツビジネス全体に携われる環境が整っている。
■3社に共通するキーワードは「IP」と「コミュニティ」
今回紹介した3社は事業内容こそ異なるが、共通している点も多い。
・独自IPやクリエイターを中心に事業を展開している
・一つのコンテンツを長期的に育てるビジネスモデルを構築している
・ゲーム・出版・映像・配信など複数メディアへ事業を広げている
・エンジニアだけではなく、編集、マーケティング、ライセンス、企画など幅広い人材を求めている
ゲーム業界は「ゲームを開発する会社」だけでは成り立たない。IPを創出する出版社、ユーザーコミュニティを形成するプラットフォーム、ライセンスビジネスを担う企業など、多様なプレイヤーが市場を支えている。
■IPO企業で働くという選択肢
IPOは企業にとって一つのゴールである一方、さらなる成長に向けたスタートでもある。上場後は新規事業への投資や組織拡大が進み、多くの企業で採用活動が活発化する。
今回紹介した3社も、それぞれの強みを生かしながら事業領域を広げており、今後も新たな人材への期待は大きい。ゲームプログラマーやデザイナーだけではなく、編集者、プロデューサー、マーケター、営業、コーポレート部門まで、多彩な職種で活躍できる可能性がある。
ゲーム・エンターテインメント業界への転職を考えるなら、開発会社だけではなく、IPやコミュニティを軸に成長する上場企業にも目を向けてみる価値は十分にあるだろう。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ミラティブ
- 設立
- 2018年2月
- 代表者
- 代表取締役CEO 赤川 隼一
- 決算期
- 12月
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 472A
会社情報
- 会社名
- 株式会社オーバーラップホールディングス
- 設立
- 2022年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 永田 勝治/代表取締役副社長 原田 直樹
- 決算期
- 8月
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 414A
会社情報
- 会社名
- TOブックス
- 設立
- 2014年5月
- 代表者
- 代表取締役 本田 武市
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高117億9500万円、営業利益19億8400万円、経常利益19億5400万円、最終利益13億1000万円(2026年4月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 500A