
ケイブ<3760>は、昨日7月14日、2026年5月期の決算説明資料を公開し、今後の成長戦略を示した。既存IPの磨き込みによる成功確率の向上と、新規IP開発による挑戦数の拡大を両輪とし、「打率を上げる」と「打席を増やす」戦略でヒットタイトルの創出を目指す。また、ゲーム開発へのAI活用を本格化させる方針を打ち出し、開発効率と収益性の改善を図る。
同社は成長戦略として4つの施策を掲げた。
まず「既存IPのリファイン」では、SteamやNintendo Switchなどコンシューマープラットフォームを中心に既存タイトルを再構築し、成功確度の高いタイトルを継続的に投入する。続く「他社IPの獲得」では、アニメ製作委員会へのマイノリティ出資やゲーム化権の取得を通じて、有望IPへ早期にアクセスする体制を整える。
一方で、「新規IPの開発」ではAIを活用した低コスト・高速開発を推進する。多数の試作品を短期間で制作し、市場の反応を見ながら有望タイトルへ開発リソースを集中する考えだ。さらに、すべてのプロジェクトをグローバル展開を前提に企画し、Steamなど世界市場への販売チャネルを活用して海外売上の拡大を狙う。

AI活用については、ゲーム開発そのものと開発業務の効率化を組み合わせた「デュアル戦略」を推進する。
ゲーム開発では、企画書の自動作成やスクリプトコード生成など、クリエイティブ領域も含めてAIを積極的に導入する開発ラインを整備する。一方、翻訳やローカライズ・カルチュライズチェック、品質保証、KPI分析、プロモーション最適化といった開発支援業務にもAIを活用し、既存タイトルを含めた開発コストの抑制を図る。
ただし、世界観の設定やキャラクター原案、最終的な品質評価、権利侵害リスクの確認など、作品の根幹となるクリエイティブについては人間が最終判断を担う方針を示した。
同社はこれに先立ち、AI活用による生産性向上を目的とした専門チーム「AI活動プロジェクト」を始動しているほか、「事業管理チーム」を新設し、投資審査の厳格化やリスクコントロールの強化にも取り組んでいる。

リリース予定タイトルでは、シティコネクションが開発・販売を担当する『むちむちポーク!&ピンクスゥイーツ Boosted』を2026年10月1日に発売予定としている。対応プラットフォームはNintendo Switch、PlayStation 5、Steamなど。

また、リファインプロジェクト第1弾として『新約・怒首領蜂大復活』をSteam向けに配信する予定だ。2008年に稼働したアーケード向け弾幕シューティング『怒首領蜂大復活』をベースにリファインするもので、配信日は近日発表予定としている。
新作では、サウンドクリエイターのRyu☆氏による新BGMを採用するほか、新ステージ「6面」を追加。さらに、シリーズ初となる最大10人同時対戦の「ロワイヤルモード」を実装する予定で、従来作との差別化を図る。

今回示された成長戦略は、既存IPの再活用による安定的な収益確保と、AIを活用した新規IP開発による挑戦数の拡大を組み合わせる内容となった。ゲーム市場で開発費の高騰が続くなか、AIを活用して開発コストを抑えながら試行回数を増やすという考え方は、同社の今後のタイトルポートフォリオ戦略の中核となりそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ケイブ
- 設立
- 1994年6月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 高橋 祐希
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高139億6900万円、営業利益11億3300万円、経常利益11億3100万円、最終利益2億4600万円(2025年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3760