日本BS放送、26年8月期決算はコンテンツへの投資拡大で減益 配信・アニメ・イベントが過去最高 次期は投資回収のフェーズへ

日本BS放送<9414>は本日10月8日、2026年8月期の連結決算を発表し、売上高は119億2100万円(前の期比0.9%増)と増収となった一方、営業利益は17億6900万円(同8.4%減)、経常利益は18億6800万円(同5.9%減)、最終利益は12億9800万円(同3.5%減)と減益となった。

・売上高:119億2100万円(同0.9%増)
・営業利益:17億6900万円(同8.4%減)
・経常利益:18億6800万円(同5.9%減)
・最終利益:12億9800万円(同3.5%減)

減益となったものの、収益構造を見ると変化が進んでいる。放送事業収入が減少する一方、TVerなどの配信事業やアニメ、イベントなどを含む「その他事業収入」が大きく伸びており、放送コンテンツを起点に収益源を広げる取り組みが進展している。

 

■放送事業収入は減少、「その他」が36.6%増

個別ベースの売上高は111億4400万円(前の期比1.0%増)。内訳を見ると、タイム収入は78億8300万円(同3.3%減)、スポット収入は21億500万円(同3.3%増)となった。

タイム収入はスポーツカテゴリーの特番セールスが好調だった一方、ショッピングカテゴリーが伸び悩んだ。スポット収入については、コンテンツの強化・拡充や日中帯ドラマを軸とした編成戦略の強化などにより、純広スポット、通販スポットともに前年を上回った。

一方、「その他」は11億5500万円(同36.6%増)と大幅に増加した。TVerをはじめとする配信事業収入、アニメ製作委員会からの出資配当収入、イベント事業収入の好調が寄与している。

同社の補足資料によると、その他事業収入は過去5年間で増加傾向にあり、2026年8月期は11億5500万円と過去最高を更新した。売上高全体に占める比率も7.6%から10.4%へ上昇している。

 

■コンテンツへの積極投資で利益は減少

利益面では、コンテンツへの投資拡大が減益要因となった。個別ベースでは番組関連費用が40億1200万円(同7.7%増)となり、このうち番組制作費は36億5900万円(同10.3%増)となった。既存コンテンツの強化、新規コンテンツの開発、良質なアニメコンテンツの確保、イベント施策の充実などを進めたことが背景にある。

また、広告宣伝費も7億3100万円(同6.0%増)となった。視聴者との接点拡大に向け、新聞広告を中心とした宣伝活動を強化した。

この結果、営業利益は18億2100万円と前期から8.4%減少。営業利益率も18.0%から16.3%に低下した。

もっとも、今回の減益はコンテンツ事業の不振によるものというより、放送事業収入の最大化やその他事業収入の拡大に向けて先行投資を行ったことが大きい。同社は重点施策として「放送事業収入の最大化」「独自IPコンテンツの開発加速」「アニメビジネスの収益基盤拡充」「企業価値向上のための戦略的投資」を掲げている。

 

■アニメを放送するだけでなく、商品・イベントへ展開

特にアニメ分野では、各クール約40タイトルのアニメ関連番組を放送する強みを生かし、放送後のビジネス展開にも取り組んでいる。

2026年8月期には壽屋との協業で、BS11で放送したアニメ作品のオリジナルグッズをオンラインくじとして展開。複数作品で取り組みを実施したほか、A3とも連携し、『逃げ上手の若君』のオリジナルグッズを企画して、東京・松屋浅草のAnime Culture Centerで販売した。

また、独自IPコンテンツの開発では、国土社の児童書『雨上がりのスカイツリー』を原作としたドラマを制作。U-NEXTやTVerでの配信、BS11での放送を組み合わせるなど、一つのコンテンツを複数の媒体・事業へ展開している。

こうした取り組みは、同社が放送枠を販売する従来型の放送局から、コンテンツやIPを起点として配信、商品化、イベントなどへ収益機会を広げる事業モデルへの転換を進めていることを示すものといえそうだ。

 

■27年8月期は「その他」が57.6%増へ

2027年8月期の業績は、売上高127億7400万円(前期比7.1%増)、営業利益21億0300万円(同18.9%増)、経常利益22億6200万円(同21.0%増)、最終利益15億4100万円(同18.7%増)、EPS86.41円を見込む。株価収益率は10.8倍となる。

・売上高:127億7400万円(同7.1%増)
・営業利益:21億0300万円(同18.9%増)
・経常利益:22億6200万円(同21.0%増)
・最終利益:15億4100万円(同18.7%増)
・EPS:86.41円

注目されるのが「その他」の伸びで、18億2000万円(同57.6%増)を計画している。タイム収入は81億1100万円(同2.9%増)を見込む一方、スポット収入は20億6800万円(同1.8%減)を計画しており、来期の増収を大きく牽引するのはその他事業となる見通しだ。売上高に占めるその他の比率も10.4%から15.2%へ上昇する計画となっている。

同社は来期も約40タイトルのアニメ関連番組を放送するほか、壽屋とのオンラインくじ企画を推進する。また、イベント事業も強化し、「JET STREAM LIVE 2026 in 渋谷音楽祭」などの取り組みを予定している。

26年8月期はコンテンツ投資を先行させたことで減益となった日本BS放送だが、配信、アニメ、商品化、イベントなど「放送周辺」の事業は着実に拡大している。来期はこの成長領域をさらに伸ばし、「放送局」の枠を超えたコンテンツビジネスを利益成長につなげられるかが注目されそうだ。

 

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日本BS放送株式会社(BS11)
https://www.bs11.jp/

会社情報

会社名
日本BS放送株式会社(BS11)
設立
1999年8月
代表者
代表取締役会長 齋藤 知久/代表取締役社長 近藤 和行
決算期
8月
上場区分
東証スタンダード
証券コード
9414
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