
# セルシス、26年12月期3Qは営業益38.3%増
セルシス<3663>は11月6日、2026年12月期第3四半期累計(2026年1~9月)の決算を発表した。売上高は80億6800万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は30億9200万円(同38.3%増)、経常利益は31億1600万円(同40.0%増)、最終利益は21億2300万円(同56.1%増)と増収増益となった。
・売上高:80億6800万円(前年同期比15.5%増)
・営業利益:30億9200万円(同38.3%増)
・経常利益:31億1600万円(同40.0%増)
・最終利益:21億2300万円(同56.1%増)
主力のイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)」を中心に事業が好調に推移した。サブスクリプションモデルによる継続収益の拡大に加え、メジャーバージョンアップや価格改定も寄与。営業利益率は38.3%と前年同期から6.3ポイント上昇した。なお、9カ月累計の営業利益は、前期通期の29億6700万円をすでに上回っている。
■クリスタのサブスクARRが67億円に拡大、海外・モバイルも成長を牽引
主力の「CLIP STUDIO PAINT」は、累計出荷本数が2026年9月に7000万本(前年同月比26.5%増)に到達した。なかでも注目されるのがサブスクリプションモデルの成長で、ARR(年間経常収益)は67億円(同31.8%増)と過去最高を更新したことだろう。
同社は、利用開始時の価格を抑えられるサブスクリプションモデルを通じて導入ハードルを下げ、契約数の拡大に取り組んでいる。買い切りモデルと比較すると短期的な収益性は限定的となるものの、継続利用による中長期的な安定収益が期待できる。
成長を後押ししているのが、海外市場やモバイル端末向けの取り組みだ。クリスタの出荷本数の80%以上は日本語以外の海外市場向けとなっており、英語圏や韓国語圏、欧州に加え、東南アジアや中南米などの新興国でもマーケティングを強化している。また、タブレットをはじめとするモバイル端末向けの機能拡充やマーケティングを進めた結果、直近ではAndroid端末でのサブスクリプション契約が大きく伸び、成長を牽引している。
3月にはメジャーバージョンアップとなる「CLIP STUDIO PAINT Ver.5.0」の提供を開始。サブスクリプション契約、買い切り版ともに当初計画を大きく上回る実績となった。買い切り版についても、最新機能を利用するにはサブスクリプション契約または新バージョンの優待購入が必要となる提供モデルとしており、旧バージョンのユーザーからの優待バージョンアップ需要も収益に貢献した。さらに、買い切り版の価格を平均10%引き上げ、収益性の向上も図っている。
なお、9月末の月次チャーンレートは5.2%となった。前年9月に実施した新規ユーザー獲得キャンペーンで販売した12カ月版ライセンスが契約期間満了を迎えたことによる一時的な上昇で、10月以降は通常水準の4%台に戻る見込みとしている。
■クリエイタープラットフォームを次の柱に、既存ユーザーとの関係強化も
同社は、クリスタの開発・販売を中心とする「クリエイターサポート分野」に加え、電子書籍ソリューションや新たなプラットフォームサービスなどを手掛ける「クリエイタープラットフォーム分野」の育成にも取り組んでいる。
クリエイタープラットフォーム分野では、クリスタを通じて培ったクリエイターからの信頼や強み、流通ソリューションにおける資産を活用し、コンテンツ制作にとどまらない幅広い領域へ事業を拡大する方針だ。
既存サービスでは、クリスタの利用をサポートするコミュニティサービスの運営や機能改善を進め、サブスクリプション契約者の継続利用率向上を目指している。また、漫画家志望者と新たな才能を探すマンガ編集者のマッチングを支援する「モチコミonline」なども展開。既に多数の作家がデビューしており、そこで蓄積した実績やノウハウを開発中の新プラットフォームにも活用する考えだ。
こうした取り組みは、新たな収益の柱を育てるだけでなく、クリエイターの活動を幅広く支援することで既存ユーザーとの接点を増や
し、サービス全体のエンゲージメントを高める狙いもあるとみられる。クリスタを起点に、作品の制作から発表、交流、デビューといった活動までを支援するエコシステムの構築を目指す。
なお、クリエイタープラットフォームサービスの全世界での利用者数は1300万人超(前年同月比25.2%増)となった。
■中期経営計画の目標を1年前倒しで達成へ、次期目標を見直し
2026年12月期の業績予想は、7月31日に上方修正した予想を据え置いた。売上高108億1000万円(前期比14.1%増)、営業利益40億円(同34.8%増)、経常利益40億円(同36.3%増)、最終利益26億7000万円(同58.8%増)、EPS90.02円を見込む。
通期計画に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高74.6%、営業利益77.3%、経常利益77.9%、最終利益79.5%となっている。
【通期計画】
・売上高:108億1000万円(前期比14.1%増)
・営業利益:40億円(同34.8%増)
・経常利益:40億円(同36.3%増)
・最終利益:26億7000万円(同58.8%増)
・EPS:90.02円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:74.6%
・営業利益:77.3%
・経常利益:77.9%
・最終利益:79.5%
さらに、現在推進している中期経営計画2025-2027では、最終年度となる2027年12月期に設定していた売上高と営業利益の目標を、1年前倒しとなる2026年12月期に達成する見込みとなった。これを踏まえ、2027年12月期の業績目標については今後見直しを行う予定だ。
主力のクリスタでサブスクリプションモデルによる継続収益を拡大しながら、クリエイターの活動領域を広げるプラットフォーム事業の育成も進めるセルシス。既存事業の成長と新たな収益基盤の構築を並行して進め、さらなる企業価値の向上を目指す。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社セルシス
- 設立
- 1991年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 成島 啓
- 決算期
- 3月
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3663