「Facebook」トップディベロッパーのMAUの動向について
先週書いた記事で、「Facebook」における上位のアプリが月間アクティブユーザー(MAU)を減らしているようだ、などと簡単に書いたが、今回は、2月19日現在のMAU上位10社のグラフを並べてみた。
いずれもAppDataで描画したグラフをキャプチャーしたものだ(記事の下の方にある)。最近の1ヵ月間の推移を示したものだが、これは単純に無料版ではそれしかみられないという事情がある。興味のある方は、全時系列データが入手できるPro版に登録して、分析するのが良いだろう。月額295ドルでデータが取り放題だ。
上位10社の状況をみると、各社、数字にバラツキはあるものの、MAUを減少させたのは、上位10社中9社にものぼった。比率として最も減らしたのは10位につけているAppBankで、1月19日比で52.1%も減らしていた。MAU第1位のZyngaは8.7%減だった。逆に増加したのは、Badoo Services Limitedだけで、1月19日比で127.7%増と急増している。
ただ、上位ディベロッパーのMAUの減少は、短期的なものではないようだ。Inside Social Gamesの報道によれば、昨年1月からZyngaを除く上位5社は、MAUを減少させているとのことだった。第5位につけていたRockYou!に至っては、第19位までランクを落とした(2月19日現在)。上位ディベロッパーがMAUを減少させた原因は、昨春、Facebookがユーザーの大量獲得に寄与したバイラルチャンネルの制限を加えたため、とされているという。
Zyngaですら伸び悩んでいるように見えるが、そうしたなか、中小ディベロッパーは、スマートフォンアプリの開発に力を入れ始めているとのこと。投資家もWebベースのソーシャルゲームへの多額の投資を止めるだろうとしている。Inside Social Gamesでは、とはいえ、上位5タイトル以外のアプリが伸びている事実やマネタイズ手法の進化などをあげ、「Facebook」にはまだビジネスチャンスが多いと指摘している。
記事の内容は非常に興味深いので、後ほど概要を紹介したい。もうネット上にあるかもしれないが、英語の勉強を兼ねて。
以下、トップ10社のMAUの動向をグラフにしたものを並べてみた。
■Zynga: 2億9952万人→2億7323万人(-8.7%)
■Badoo Services Limited: 1956万人→4455万人(+127.7%)
■CrowdStar: 4534万人→4057万人(-10.5%)
■Electronic Arts: 3757万人→3553万人(-5.4%)
■6 waves
(自社開発アプリ): 3238万人→2535万人(-21.7%)
(他社開発アプリ): 3489万人→4063万人(+16.4%)
(自社・他社合計): 6727万人→6598万人(-1.9%)
■Causes: 2477万人→2467万人(-0.4%)
■Playdom: 2926万人→2442万人(-16.5%)
■Takeoff Monkey: 3262万人→2399万人(-26.4%)
■@Apps: 3064万人→2209万人(-27.9%)
■AppBank: 4234万人→2026万人(-52.1%)