TIW、スクエニHDを「2+」から「2-」に格下げ 株価を支えてきた要因がはく落
独立系調査機関のTIWは、12月20日付けのレポートで、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>が同社のレーティングを、従来の「2+(Neutral plus)」から「2-(Neutral Minus)」に引き下げた。2段階の格下げとなる。12月16日に発表した下方修正を受けたもの。
TIWでは、今回、格下げを行った理由について、株価を支えてきた要因がはく落し、軟調な展開をたどることになると予想しているため、としている。その理由は、(1)ゲームソフトで新規IPの創出に苦戦、(2)看板タイトル「ファイナルファンタジー」に一部ユーザーの不信感が出ていること、(3)今後発売されるゲームソフトの品質にも懸念があること、などをあげている。
今回の下方修正の背景には、主にデジタルエンタテイメント事業の不振であり、開発体制の問題が表面化してきたことがある。TIWでは、パッケージソフト業界全体が今後、縮小均衡に陥る可能性があることを考えると、会社側が行った開発体制の見直しやリストラは正しい取り組みと評価できるが、結果が伴わず、「ファイナルファンタジー」ブランドにも不信感が生まれたとコメントしている。
今後の展開については、会社側の抱える開発体制の問題は、かなり根深いと想定されるため、問題の解決には時間がかかると見ているようだ。従来は、2011年のニンテンドー3DS発売ソフトも含めて、ゲームソフトの販売本数の増加やシェアの上昇を通じて収益増が可能であると予想していたが、2011年3月期だけでなく、2012年3月期に発売されるソフトにも影響が出る可能性がある、とのこと。
なお、TIWでは、2011年3月期と2012年3月期の業績予想を下方修正している。2011年3月期は、売上高1300億円(前回予想1650億円)、経常利益60億円(同)、当期純利益10億円(同)とし、2012年3月期は、売上高1380億円(前回予想1780億円)、経常利益100億円(同275億円)、当期純利益60億円(同165億円)とした。
TIWのHP: http://tiw.jp/
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684