ボルテージ、第1四半期決算は1.07億円の営業赤字…人員採用などの先行投資で

女性向け恋愛ゲーム大手のボルテージ<3639>は、本日(10月26日)、第1四半期(7-9月期)の連結決算を発表し、売上高22億1800万円(前年同期17億1300万円)、営業損益1億0700万円の赤字(同5100万円の黒字)、経常損益1億0700万円の赤字(同5100万円の黒字)、四半期純損益7700万円の赤字(同2900万円の黒字)だった(前年同期は、「単独」の数字であくまで参考)。     同社では、国内の売上は、特にキャリア公式サイトとスマートフォンアプリが順調に推移し、会社計画をやや上回った、としている。さらに参考程度となるが、前年同期の単独決算の売上高よりも29.4%伸びた。 損益面では、製作販売力を高めるための大幅な増員などを行ったため、会社計画をやや上回り、営業損益、経常損益、四半期純損益はそれぞれ赤字となった。ただし同社によると、赤字幅は会社計画に比べて縮小したとのこと。見通しの欄に記載したように、同社では勝負の時と判断して、一気に投資を増やしたようだ。 なお、今回連結決算となったのは、2012年5月に設立した米国子会社「Voltage Entertainment USA, Inc.」におけるオフィス・IT環境の構築、社員採用など会社基盤の整備に注力してきたが、コンテンツ制作環境が整い、本格稼働を開始するため、連結に加えることにした、としている。 各事業の状況は以下のとおり。 ■ソーシャルアプリ:全米で人気の海外ドラマ“gossip girl”と連動した新規タイトル「ゴシップガール~NYで恋の予感~」を9月にリリースした。また、SNSプラットフォームへの限定拡大を図るとともに、初の自社プラットフォーム「女子ゲー」を開始し、収益力の向上に努めた。集客面では、初のソーシャルアプリ向けテレビCMを9月に出稿し、ユーザー数の向上に注力した。 ■キャリア公式サイト:新規タイトル「愛を捧ぐ伝説の騎士」を7月に投入した。また、シーズン展開第1弾タイトル「王子様のプロポーズ シーズン2」を投入し、再入会者の増加と顧客単価の向上につながった。集客は、テレビCMと連動させた大型モバイル広告を8月に出稿し、計画以上の集客効果があった。 ■スマートフォンアプリ:有料の先読みチケット制を導入した「今夜アナタと眠りたい」を7月に投入した。集客は、テレビCMと街頭広告を連動させたキャンペーンを8月に実施し、計画以上の集客効果があった。 ■海外:スマートフォンアプリとして、日本仕様・翻訳版と北米仕様の2タイプに分けて制作を進めた。日本仕様・翻訳版の「Romance Sims」シリーズは、「Seduced in the Sleepless City」(「眠らぬ街のシンデレラ」)1タイトル、北米仕様の「My Romance」シリーズは、「A Prince's Proposal」(邦訳「王子様のプロポーズ」)1タイトルをリリースした。   ■2013年6月期の見通し 2012年6月期の連結業績予想は非開示。米国子会社の業績予想の数値を合理的に算定することが不可能なため、としている。 同社では、期初計画立案後の3ヶ月で、スマートフォン普及の急伸、新プラットフォームの出現、各社の海外展開の加速など事業環境に大きな変化が起きていることから、同社では「恋ゲーム」の国内普及と海外展開を一層深める好機ととらえ、製作販売力を一段高めるべく大幅増員を行ったとのこと。 従業員数では、期初計画約100人採用(期末従業員数で前期比1.3倍)から約180人採用(同1.6倍)に増員した。これに合わせ、11月にシステム開発拠点として「システム本部・名古屋スタジオ」を開設、第3四半期に本社オフィスの増床を行う。また、好調なテレビCMによる集客を第2四半期に一部前倒しで行う予定。
株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
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