ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-、ファリアーに関するスマホアプリ&ソーシャルゲーム連載記事

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【連載】ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- 第五十二回「誇り、やりがい、お金」

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株式会社ファリアー 代表取締役 社長の馬場保仁氏が、ゲーム業界の人材・採用に関して語っていく連載記事「ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-」。同氏は、セガで家庭用ゲームの開発を、DeNAではスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任していた。ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に注力していく。開発現場・採用担当、双方の視点からゲーム業界における“人”に対してスポットをあてた連載記事。
 

■第五十二回「誇り、やりがい、お金」




これまで、比較的新卒採用に関すること、学生に関することを書いてきました。
今回は、やや趣をかえて、中途採用や、組織マネジメントに関することを書こうと思います。そして、それは、新卒で業界をめざす学生さんにとっても有益な情報になるのではないか?と思います。

今回のテーマ、「誇り」「やりがい」「お金」ですが、これまでの活人研では、「お金」については、何度か触れてきました。もちろん、クリエイターを目指す皆さん、クリエイターとして働いている皆さんにとっては、お金がすべてではないことは100も承知です。

クリエイターの魂は、お金だけで買えるものではない!

からですw
でも、これまでお話ししてきたことは、どちらかというと、

・奨学金という名の「借金」を改めて現実として受け止める
・生活するには、最低限の「お金」は必要である


というものでした。今回のテーマは、企業で働くときに必要な条件という面で話をいたします。まず、わたしが思いますに、この

・誇り

・やりがい

・お金


この3つの要素がすべて満足できる企業というのは、かなり希少であるということです。
もちろん、ゼロではありません。各業界のリーディングカンパニーは、おそらくこれを満たしている可能性があります。また、その会社の中のポジションや仕事内容によっては、単に「企業」というくくりだけでなく、もっと広がるかと思います。

ただ、さすがに3つともは満たさなくとも、2つを満たせる企業は多くあるのではないかと思います。2つ満たしている企業で働くことができているのは、幸せといえるでしょう。

そして、1つだけ満たしている企業…これが最低限のところかな、とは思います。そして、できればこの1つが「お金」のみでないことを祈りたいところです。確かに雇用される人間は、労働力を提供して、その対価を受け取っています。でも、それだけであれば、他にも選択肢が増えると思うのです。もちろん、奨学金返済の話もしましたし、生活をしていく、家族をもって暮らしていく、ローンを返済していく、などなど、いろいろなことにお金はかかるものです。ですので、やはり大事な1つのピースであることは、間違いないと思います。

そして、1つも満たさない企業にいるな…と思った方!その方は、即座に転職したほうがいい!とまでは言いませんが、一度、冷静に書き出してみる必要があるかもしれません。なぜ、すぐに転職しよう!と言わないのか?といいますと、この3つの要素は、

・気持ちの在り方
・ストレスの状態
・ライフイベントの前後

など

でいくらでもその多寡は変化するものだと思うからです。
 

■「誇り」は、どんなところに感じる?


では、第一の要素である「誇り」から…
あなたは、仕事をしていて、どんな時に誇りを感じるでしょうか?

・何かを成し遂げた時?
・他者によって、評価・承認された時?
・なにがしかの自負・矜持を感じることができた時?
・謙虚に仲間を受け止めることができた時?
・満足できる環境にあることを自覚したとき?

などなど

タイプは、いくつもあるように思います。これらをタイプ分けしてみると、

誇りTYPE①:自身が行動を起こした時
これは、「フロンティアにいる」「自身がやっていることに自負を感じる」など、何かをしかかった、もしくは、継続している時に感じるものだと思います。1つの道を10年、20年継続することは簡単なことではありません。仕事に限らず、趣味や日々の鍛錬でもいいと思います。毎日ジョギングする、それだけでも10年となると簡単なことではないと思いますからね…

誇りTYPE②:結果がでた、承認された時
これは、①をうけて行動した後、結果が出た時(成否は関係ないところもあります)に発生したり、
結果にともない、評価・承認をされた時に感じるものだと思います。人間は、承認欲求の塊ですから…
なぜ、成否を問わないか?成否でいえば、成功している方が感じる可能性は高いといえるでしょう
ですが、成功しなくとも、実績を積んだ、新たなエビデンスを得た、というのも十分に結果がでたこと!

とも言える時もあると思います。ここは、そもそも、何を目的として行動(手段)を起こしたのか?が大きく影響すると思います。まあ、そういう意味では、成功とまでは言わないまでも、失敗ではないのだと思います

なので、繰りかえしになりますが、そもそも、なにか行動を起こす前に、「課題」「目的」を設定しておけば、振り返ることができるので、なんらかの経験、情報を得ることができるということになり、1つの「結果」がでることになるかと思います。もちろん、やる前から、わかり切っている失敗しそうなことは、ダメだと思いますw

誇りTYPE③:自身以外に大きな満足を覚えた時
これは、その環境や人たちの間に身を置いていることに関して、謙虚もしくは、ミーハーに受け止めて大きな満足を覚えた時に発生するのではないか?と思います。①を受けて考えるならば、一説では創業企業が10年後生存しているのは5%とも言います。でも、ゲーム業界、10年以上継続できている企業(パブリッシャー、デベロッパー問わず)は、かなり多いと思いますそういう意味では、その会社で何をしているか?自分が貢献していることは、誇りになりうるかもしれません…

もちろん、あこがれの人・先輩と一緒に仕事ができている、というのも、大きな満足になるでしょう

そして、自分以外の多くの方々のサポートによって自分が活かされていることを実感した時、感謝・謙虚のの念が生まれた時、その場に身を置けていること、仲間に恵まれていることを誇りに感じることでしょう

このように、「誇り」は、

TYPE①:自身が行動を起こした時
TYPE②:結果が出た・承認された時
TYPE③:自身以外に大きな満足を覚えた時


と、今回は3つのタイプを提示してみました。もちろん、学術的に研究して、分析しての話ではないので、もっと学問としてエビデンスを探し、比較、調査、研究すれば、詳細なものになるかと思います。よき研究あったら、教えてください!w
 

■「やりがい」とはなにか?


誇りとやりがいは、かなり密接にリンクするところがあります。ですが、誇りとは別軸で置くことができるものも、いくつかあると思います。各自が何に起因してやりがいをおぼえるか? その1つが誇りに思えるような職場にいて、タスクを実行している時にやりがいを感じるということでしょう

では、それ以外に、どんなやりがいを感じるものでしょうか?

やりがいTYPE①:好きなことをやれているという実感
これは、ゲーム、エンタメ事業に関わっている人間は大きいのではないでしょうか?
わたしも、学生時代、セガさんに就職活動している時は、「ゲームつくって、遊んで(ここに誤解があるw)それで給料もらえるなんて、まじですごい」と思っていましたので…

そして、実際に採用していただき、15年に及び毎年、なにがしかのゲームをリリースすることに携わらせていただくことができ、本当にラッキーでしたし、やりがいがありました

自分の考えたものが形となり世の中に出ていく、こんな楽しい仕事はない!と、本当にやりがいを感じたものです

この業界で仕事をしている方の多くは、この「ものづくり」の楽しさを一度知ってしまって、やめられなくなっている方ではないかと思います! 少なくとも、わたしはそうです!!

なので、現在も、インディゲームである「コラプス」や、メジャータイトルである「破軍・三國志」にも関わらせていただき、最新のゲーム開発に従事できていることは、やりがいを感じています!好きであるからこそ「こだわり」を発揮し、自分なりの考え方やスタイルを持つところまでたどり着けると、よりやりがいを感じて、仕事ができ、更には誇りへと昇華できるのではないかと思います



やりがいTYPE②:ユーザの反応に接することができる(評価)
これも、エンタメ事業のすばらしさだと思います
コンシューマゲームでパッケージを売っている時は、店頭でお客様が手に取ってくださったときとか、その時にお友達と、いろいろと会話されているのを聴き耳たててる時が楽しかったです(もちろん、ディスられているときもままありますけどねw)

また、ネットでいろいろとコメントをいっていただけるのも、ユーザさんの声が聞けて嬉しい限りです

匿名性の高いネットでは、悪口や批判をされることもあります(わたしに限らず、どんなゲームであったとしても)

でも、好きと言っていただけるのも嬉しいですが課題を指摘されることも、その刹那はつらくありますが、ありがたいことでもあります。ある意味、愛があるからこそ、想いがあるからこそ、文句が出るし、お金を払っておられるからこそふざけるな!と思われるわけですから

パッケージであれば、シリーズ化されたら次のナンバリングでは、その不満を払しょくし、より面白いと思っていただけるものをつくりあげよう!と思いますし、DLコンテンツやスマホアプリであれば、既に遊んでいただいている方々が不利益を被らない範囲でいかに迅速に対応するか?を考えて開発・運営していくことだと思います

ユーザさんの声にふれることができるというのは、悲喜こもごもありますが、ありがたいことだと思います

やりがいTYPE③:自身や周囲の成長
これは、エンタメに限ったことではありませんが、好きだから多少苦しくても頑張れる①、その結果、評価反応を受けることができた②があったうえで、自身の成長を感じた時、「ああ、人生におけるこの時間をこれに費やしたことは間違いじゃなかったんだ」と実感し、やりがいをおぼえることが多いかと思います。

なかなか、定量的な結果が出やすいわけではないのでこの実感をおぼえるのは難しいかもしれません。たとえば、ベンチプレス20キロしかあげれなかったのがトレーニングしたことで、30キロあげられるようになれば、わかりやすい成長だと実感できることでしょう。また、ダイエットなども、80キロあった体重が70キロになれば、成果を実感できます。

でも、「仕事がはやくなった」とか「前だったらできなかった●●という考え方ができるようになった」は、実は成長をしていても気づかないことが多く、それより更に時間が経過した後で「あー、5年前に比べたら、■■の面で自分は成長したな」となんとか感じることができるくらいかと思います

これは、案外自分のことは自分ではわからないことが多いことにも起因していますw

でも、自身が周囲の、後輩の、学生の成長を感じることは実はそう珍しいことではありません。ただし、やりがい①と同様に、「そのことが好き」にあたる「その対象に関心がある」ということが大事になってきます

学校の先生は、仕事ではあるものの、それ以上に教育者として学生に対しては関心をもち、どうやればこの子達のポテンシャルを伸ばすことができるだろうか?を真剣に考えておられると思うので、わずかな成長にも気づくことができると思います

企業でも本来は同じで、後輩や同僚の成長が、企業の戦力・パワーになることで、よりいろいろなことができるようになり、ひいては自身の好きなことを実施する時間も捻出できるようになるかもしれません

このように、「やりがい」は、

TYPE①:好きなことをやっている実感した時
TYPE②:ユーザの反応に接した時
TYPE③:自身や周囲の成長を感じた時


にもつことができそうです。誇り同様に、やりがいがあるからこそ、工夫し、自分なりのこだわりをもって仕事を邁進することができるのではないでしょうか?
 

■まとめ


今回は「誇り」「やりがい」「お金」と、3つの企業ではたらくうえで大事にしたいこと、について語ってきました。冒頭にも言いましたが、この3つをすべて兼ね備えている企業は、それほど多くありません。その業界のトップリーディングカンパニーであったとしても、すべてを満たせるとは限りません。でも、このうち2つを満たす企業さんは、かなりあると思います。まあしいて言うならば、2つのうちの1つは、「お金」であると長続きしやすくなるでしょうが…

また、この3つは、時と場合によりかわりますから…

また、「やりがい」のみで人を縛るのも、なかなか厳しいところがあります。
やはり、生活に不安がないからこその、新たなものを生み出すこと=クリエイトすることにまい進できるところも少なからずあるからです。ですが、学校で学んでも、実践からは遠いところもあるので、入社して2,3年は仕事しながらの育成フェイズでもあるでしょう…仕事に慣れるためにも、必死にくらいついていく!というところで、生活できていれば、なんとか…という人もいると思います。で、30歳が近づき、ライフイベントも経験すると、ふと「あれ?楽しいし、やりがいはあるけど、将来もずっとこんな感じなんだっけ?」と思ってしまった時に、その企業がその人に対して、何を提示できるか? だと思います。

また、よく日本の企業はマネジメント層の育成が遅れている、できていない、などの話をお聞きします。ここも、「マネジメント」に関わることがどう「誇り」「やりがい」を生むのか? クリエイターとして「ものづくり」に関わることから得られる「誇り」「やりがい」とは異なるベクトルのものが得られるのか?どういったものなのか?を提示して、腹落ちしてもらうこと、それが凄く大事なのではないでしょうか? そもそもゲーム会社にマネジメントしたくてみんな入ってきてるわけじゃないですからねw

面白いものつくって、あっと言わせたい!と思っている人がマジョリティだと思いますので。

その仕事の意味、重要性、そして、キャリアパスを腹落ちするまで、話すことができるか? というのが大切なのではないでしょうか?

今回は以上で!

 
ご相談、お問い合わせは…

株式会社ファリアー

 


■著者 : 馬場保仁
株式会社ファリアー 代表取締役社長。過去、セガ(当時 セガ・エンタープライゼス)で『プロ野球チームをつくろう!』『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』など多数のゲーム開発に従事。その後DeNAにてスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任。現在は、ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に尽力している。著書に「ゲームの教科書」(ちくまプリマー新書)がある。



■ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- バックナンバー

第五十一回「キャップは、誰が決める?」

第五十回「出口に対する意識〜後編〜」

第四十九回「出口に対する意識〜前編〜」​

第四十八回「ゲーム業界に就職すること」​

第四十七回「お金の話」​

第四十六回「伝える姿勢」​

第四十五回「どこをみるか?いつをみるか?」​

第四十四回「体験する重要性」​

「ゲーム教育トーク」【前編】(第四十三回)​

「ゲーム教育トーク」【前編】(第四十二回)​

第四十一回「"いま"やるべきこと〜その②〜」

第四十回「"いま"やるべきこと」

第三十九回「ゲームをつくるのは楽しい!」

第三十八回「軸足をもつ」

第三十七回「どんな経験が?」

第三十六回「自分だけの面白いから脱却」

第三十五回「幸せのカタチ、面白さのカタチ」

第三十四回「プロの言葉・責任」

第三十三回「小さな成功、大きな成功」

「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【後編】(第三十二回)

「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【前編】(第三十一回)

第三十回「指導者に問われるもの」

第二十九回「そもそも、企画の仕事って…」

第二十八回「転職〜中級編・自分の価値を知る〜」

第二十七回「転職〜入門編〜」

第二十六回「リーダーシップとは」

第二十五回「思考のスタミナ」

第二十四回「出て行く勇気」

第二十三回「個人でつくる・集団でつくる」

第二十二回「指摘される勇気、指摘する気遣い」

第二十一回「どこを見るか? どう採るか?」

第二十回「100%の力を発揮するために……」

第十九回「まずは、”伝える”ことから始めよう!」

第十八回「カード少なく勝負に挑まない」

第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【後編】(第十七回)

第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【前編】(第十七回)

第十六回「新人事始」

第十五回「就職活動にみられる地方格差」

第十四回「【思いやり】の向こう側

第十三回「仕事選び 〜成長・夢・時間〜

第十二回「本当にそれは、ゲームに必要か?」

第十一回「ハッカソンの功罪」

第十回「会社選びと成長(プロ、アマ問わず)」

「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【後編】(第九回)

「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【前編】(第八回)

第七回「学生さんにやっていただきたいこと~後編~」

第六回「学生さんにやっていただきたいこと~前編~」

「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【後編】(第五回)

「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【前編】(第四回)

第三回「若手のチャンスとキャリアパス」

第二回「企業×学校×学生」

第一回「ゲーム業界って本当に人手不足なの?」
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企業情報(株式会社ファリアー)

会社名 株式会社ファリアー
URL http://farrier.jp/
設立
代表者 馬場保仁
決算期
直近業績
上場区分
証券コード

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