剣が刻(けんがとき)、​Xiimoon、ADに関するスマホアプリ&ソーシャルゲームインタビュー記事

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【インタビュー】『剣が刻』開発陣に聞く女性向けコンテンツ市場の現在とそこからの差別化 Xiimoonの馮社長とパンダPに聞く

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和風アドベンチャーRPG『剣が刻』は、2019年10月にリリースされ、アプリストアのセールスランキングで上位に入るなど大ヒットした女性向けのコンテンツである。本作は、中国XiimoonとRejetによる協業し、Xiimoon株式会社がパブリッシングを担当している。Xiimoonの馮荊荊社長と、プロデューサーのパンダ氏にインタビューを行い、同タイトルの開発の経緯や3社による開発・運営体制、今後の展開について話を聞いた。


 
まだ開拓が進んでいない女性向けゲーム市場に切り込む『剣が刻』

──:まずは、『剣が刻』の企画及び開発にいたるまでの経緯をお聞かせください。

馮氏:話が少し長くなりますが(笑)創業メンバーは中国でも有名タイトルの責任者や二次元の業界で指標的なプロジェクトをリードした人たちです。皆の、現状で満足できない性格と、ワンランク上の二次元作品を作りたいという強い気持ちが、メンバーを繋がったきっかけですね。立ち上げる当初から、「これからの二次元コンテンツを創る」ことをコンセプトにプロジェクトを進めていこうと決めていまいた。そのため、IPを創り出すことと、それをプロデュースすることは我々の使命であることを思いましたね。

グローバル展開に関しては、日本市場に拘ったというよりも、我々の得意分野が二次元だったため、日本市場を優先することが会社の方向性になりました。弊社のメンバーは日本の二次元コンテンツに関心を持っている人ばかりで、どこの市場を挑もうかなと思いながら自然に日本市場に目を向けました。そして岩崎社長と濃厚なコミュニケーション交わしながら、お互いの理念が一致することを確信し、いい作品を創り上げられると確信し、剣が刻』プロジェクトを始動させました。



▲Xiimoonの馮荊荊社長


──:多岐に渡る二次元コンテンツのなかで女性向けゲームを選んだ意図はなんですか?

馮氏:ベンチャー企業の一作目ということで、プロジェクトの方向性を決める際にはかなり慎重でした。創業メンバーは業界で実績多数の中堅でもあるが、産まれたての新規チームですので、迷走してしまう可能性は十分ありえます。そのため、決まった期間内で開発完了させること、弊社の業界における立ち位置を確立するという目標を設定しました。まだ、市場で開拓されていない領域を探した結果、女性向けゲームはまだまだやれる事があると判断したため、この方向性に決めました。

約9割が3年未満で会社を畳むと言われている、日々競争が激しくなる業界のなか、我々Xiimoonはとても若いベンチャーでありながら、明確化した会社の方向性、細分化した領域、自社の強みを全力発揮させられる二次元というフィールド、という3本の矢で3年という壁を破れました。これからも細分化した領域でトップ3になることを目標に、自社のブランド価値を向上させながら全力で頑張っていきます。


──:どういった経緯で、『剣が刻』を制作することになったでしょうか。

馮氏:Rejetと協業することはかなり偶然ですね。私が日本のある人気女性向けタイトルの中国パブリッシングの責任者だったころ、Rejetの岩崎社長と知り合いました。その時はお互い協業しようという考えはまったくありませんでした。岩崎さんも中国の市場に興味があるとのことで、情報交換をよくするようになりまして。個人のことですが、Rejetの読先生の大ファンなこともあり、岩崎さんの才能は公私ともに尊敬していましたので、やっと好きな作品の創作者と出会ったファンのように、岩崎さんに創作に関するたくさんのご意見を聞かせていただきました。私は、起業を決意した同時に女性向けコンテンツを攻めていく決心を固めたため、お互い相性抜群のことと、長いお付き合いで築き上げた信頼関係で協業することになりました。


──:日本の女性向けゲームとはどうやって差別化しようと考えたのでしょうか。

パンダ氏:現在の女性向けゲームの多くは、意図的にゲーム性を低めに設定してあるように思えましたので、『剣が刻』では、原作のキャラクターや世界観を大事にしつつ、ゲーム性を高めることで差別化を図っています。一般的に、女性ユーザーはゲーム性を求めないという考え方が根強いですが、そもそもユーザーがゲーム性の高いタイトルに出会えていないからわからないという点もあると思っています。なので、キャラクターの共同生活のリアル感、ボリューム感を大事にしながら、ゲーム性の高いものを提供していこうと考えました。

もう一点ですが、キャラクター間の絆と育成です。我々は膨大なリソースをかけて本陣(ホーム機能)のふれあい機能と動ける立ち絵を制作しました。そうすることで、ユーザーがキャラクターと共同生活をしているような感覚を演出し、キャラクターとの絆の変化をユーザーに伝えたいと思いました。そして、いままで必要ないと思われたゲーム性を加えて、大きく市場の既存タイトルと差別化ができました。


 
▲プロデューサーのパンダ氏


 
三社協業の難しさを乗り越えて実現した最高のコラボ

──:上海と東京のXiimoon、Rejetの3社で協業にするにあたって、難しかった点もあると思いますが、リリース半年になったタイミングもありますが、このタイトルは成功か失敗どちらと思いますか?

馮氏:弊社のメンバーは目標高く…かなり満足できない人たちの集まりなので、じつは当初の目標はもう少し高く設定していました(笑)、そのため、私達が定義している「成功」とはまだまだ届かないです。ただし、ベンチャー企業の1作目としてはギリギリ合格ラインだと思っていますが、狭い領域を攻めたことに加えて、女性向けゲームというジャンルがいまだ成長期であること、中国ではまだ十分に開拓されていない領域ですので、アジアの市場で我々がやれることはまだまだあると感じています。特にIPの横軸として、動画化、舞台などはこれから実現したい目標です。

成功できた要因は3つがあると思います。

まず、男性向けや一般向けなど比較的に細分化した領域である女性向けコンテンツを最初のフィールドとして挑んだことで、競合からのプレッシャーは許容範囲内です。また。Rejetさんのコンテンツを作り出す力の強さも支えになっていたと思います。イラストも音楽もシナリオも魅力にあふれていて、広さも深みもあるので助かっています。ユーザー確保とクオリティー保障でいいスタートができたと思います。

また、市場にすでにリリースされている女性向けタイトルと明確的に差別化をできたことです。高いゲーム性があることと、掘れば掘るほど面白みが出てくる深みある中身、飽きにくいバリエーション豊富のコンテンツで、ユーザーの『剣が刻』に対するロイヤリティも自然に形成しました。

最後に、弊社の開発チームの能力の高さも示せたと思います。弊社の人間は、うちの会社の理念に共感して、大手企業を辞めてきた人も多いです。バックエンド、フロントエンド、サーバー管理、プランナー、シナリオライターまでいる豪華開発陣です。そこは最初からコストをかけて、ゲーム性の高いものを提供しています。キャラクタースキンといった表面的なことだけでなく、中身の濃さで勝負していけると思っています。

 


──:3社で協業するうえで難しかったことはなんですか?

パンダ氏:会社が違う国にありますし、多国に向けてリリースするにあたって、文化や言語の違いはやはり乗り越えるべき壁でした。そのうえ、開発メンバーはこれまで本格的なRPGなどを作ってきていたので、女性向けのADVゲームというジャンルに慣れていないこともありました。

最も困難と思ったのは、剣がシリーズ世界観をゲームと違和感なく統一させることでした。今の時代だと、「カルチャー」の側面も持っているゲームは、世界観とゲームとの融合はユーザーにこのタイトルの評価と直結する基準となります。江戸時代や侍文化など日本の歴史や文化は我々にとって難しいというより、全く知らない世界でした。そのため、数え切れないほどの参考書を購読することと、世界観を忠実に表現するために、実際に日本を取材に訪れて…例えば、日光東照宮など歴史的建造物を訪れて研究もしました。いままで経験したタイトルと比べて、膨大なコストと時間をかけました。


他にも、『剣が君』の2作目ではなく、類似した世界観の延長としての『剣が刻』を実現するための苦労が多かったです。シナリオライターさんが素敵なストーリーを用意してくれていますが、それはエンディングがあるものであり、それをそのままスマホのゲームに落とし込むのは難しい部分がありました。その点をすり合わせるのに1年半ほどかかっています。


──:1月1日から開催した『剣が君』とのコラボは、やはり強力な施策だったと思いますが、開発を決意するまでの考えや戦略についてお聞かせください。

パンダ氏:『剣が君』と『剣が刻』はそもそも兄弟みたいなものであり、こんなに素敵な作品とのコラボをしないのはもったいないという一念からです。『剣が刻』の制作を始める段階から、このコラボを実施することは宣言していましたし、『剣が君』のファンからの期待されていたタイトルだったので、期待に応えるべく全力で取り組みました。

このコラボは、上海と東京のXiimonnとRejetさん、この3社の協力があったからこそできたことだと思っています。

 


──:コラボをするうえで『剣が刻』で一番気を遣ったのはどこですか?

パンダ氏:キャラクター同士の関係性、そして、『剣が君』のキャラクターが『剣が刻』の世界でどのような生活をするのかを表現したかったです。『剣が君』はコンシューマーゲームですので、データ容量に制限があり、表現も立ち絵とシナリオに限られていました。

『剣が刻』では、箱庭で活き活きと動くキャラクターがいたり、温泉に入ったり、料理を食べさせたり、そのとき付いたご飯粒を取ってあげたりもできる。そういったキャラクターの一面は、『剣が刻』ができる補完であり、ユーザーの想像をかきたてるという狙いは達成できたと考えています。



 
ユーザーの求めるものを理解できる現場にしかできないモノづくり

──:Xiimoonの運営理念や開発理念についてお聞かせください

馮氏:本社のほうで最初から掲げている理念は、ゲームを作るというよりも、もっとモノづくりに近いものです。単純にゲームを作って遊んでもらうだけの工場ではなく、世界観やキャラクターを通してユーザーにメッセージを伝えたいと考えています。

キャラクターと主人公の関係性は、出会った時点と3章4章ぐらいでは異なるものです。生意気だったキャラクターが、一緒に冒険していくうちに主人公との信頼関係を築いて大人になっていきますし、出会いから絆を深めていく過程もお見せしたかったです。そういった体験を通して、ユーザーに夢や幸せを与えたいというのが理念になります。

パンダ氏:こういった話をするうえで、ユーザーが求めるゲームを作るか、開発の作りたいゲームのどちらを優先するのかが問題になりやすいですが、弊社ではそこが一致しているというのが強みです。上海のチームの大半が女性で、コアな女性向けゲームファンも多いです。

日本のコンテンツを触ってきたメンバーも多いので、内部の方向性がユーザー目線と一緒なんです。ユーザー目線に寄りすぎて、エンジニアさんが反発することもありますが、ユーザーとしての熱意で意見をぶつけて説得しています。情熱が強すぎるあまり、開発費を少し使いすぎた感もありますが、その分できあがったものは良かったと思います。

 
▲女性開発スタッフ


──:『剣が刻』の開発について、今後の構想はどのようにお考えですか?

パンダ氏:IP展開の縦軸としてまずは継続的にシナリオの拡張創作です。すでに100万字以上のシナリオがありますが、一斉にローカライズすると日本のチームがパンクするので、品質管理しながら徐々に進めていきます。そして、サブシナリオともっとキャラクター間の関係で楽しめる内容もこれから拡張していこうと思っております。それと合わせて終わらないコンテンツを作っていくことも考えています。IPとして展開するならそこは欠かせません。最適化していかないといけない部分もまだまだありますので、レビューやSNSを日々チェックしながら、ユーザーさんの意見のなかから実現可能なものを拾っています。

具体的な方向性として、まずは着せ替えのバリエーションとそれを活用できる機能、次は収集要素の強化、最後はアドベンチャー機能強化です。

ちょっと自慢話で申し訳ないですが、弊社は業界内でもハイクオリティといえるイラストを使っており、ユーザーから好評を頂いていますが、ただしそれで満足できないユーザーもいるし、我々もこれで満足できないと思っております。キャラクターを見たり触れたりだけではなく、ポーズをカスタマイズして写真を撮ったりしたいといった意見も多く、リスクもコストもありますが、ユーザーを満足させる気持ちが強くて、すでに開発の計画を立てて進んでおります。

 


コレクションは、料理や武器といったものですね。日本は、季節を大切にしている国なので、春だったら桜、秋だったら紅葉といった季節感を乗せた方が、日本の市場に合うと思っています。そういった季節性は強化していきます。あと、ユーザーさんからのフィードバックでペット機能の追加を求める声があり、開発陣はやる気になっていますので、そちらもいずれは実現できると思います。

3つ目のアドベンチャー機能については、現状は単線のストーリーで走らせつつ、個別のストーリーといった拡張はありますが、さらなる展開を模索している段階です。例えば、もっと実在人物を導入し、それをサブシナリオや特別ミッション、攻略するか、共闘するかという拡張性を導入することも考えています。ただし、江戸時代という背景があるので世界観が限られていますから、『剣が刻』というIPの世界観を大事にしながら慎重に進めていくつもりです。

 


これからもユーザーの声を参考にしながら、SNSやCSでユーザーとコミュニケーション交わしながら、できる限りユーザーが喜ぶ方向性に寄せていきます。


──:Xiimoonとして、今後のプロダクトの計画や戦略は?

馮氏:『剣が刻』は、おかげさまで日本市場でも受け入れられたので第一歩はクリアしましたが、今回の成功の一部はRejetさんの力を拝借したと言うのが正しいです。2作目は、自社の力で開発していくことを計画しています。のためには、社内の体制の見直しや、クリエイターの人数を増やすことが課題となります。

さらに、弊社の強みというより、この会社を立ち上げた「初心」でもある二次元という方向性はぶれずに、日本やアジアに限らず、全世界に発信してきたいとも考えています。女性向けゲームのユーザーだけではなく、二次元を愛する人たちは世界中にいますので、もっと幅広く配信していきながら、あらゆる地域のユーザーに納得していただけるモノづくりを追及していきます。



──:日本でも女性向けコンテンツでゲーム化されていないものがありますが、そちらへの興味はいかがですか?

馮氏:実は『剣が刻』の宣伝を始めた頃から一緒にやりたいという連絡をくれた会社さんもあります。ただ、先ほども話したように、IPを創生するとプロデュースする方向性は今まで変わりがないので、優先度高いのはやはり新しいプロジェクトは自社主導で新しいIPを創作することですね。

ただし、理念が一致できる他社さんでしたら、創作者としてはチャンスを見逃すわけ行かないですね(笑) しかし、我々のクオリティー基準に満たせる作品を作り上げるために、やはり自社の開発能力を補充する必要があります。他社さんの力ばかりに頼っていては、自社の方針が迷走してしまいますので、まずは人員を揃えて、自社の土台作りをしっかりとしていきたいと思います。

 


 

Xiimoon株式会社



 
■『剣が刻(けんがとき)』
 

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