2010年のモバイルゲームの市場規模は?

総務省は毎年7月初旬に、「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」を発表している。これは、モバイルコンテンツフォーラム(MCF)が総務省からの委託を受けて、2003年から実施している市場調査だ。事業者へのアンケート調査やヒアリング結果、開示資料などに基づいて、前年のコンテンツ産業の市場規模が試算されている。これまでフィーチャフォン関連に限定していたが、今年はどうなるかわからない。 2011年も、恐らく7月に発表されるものと思われるが、今年の注目点のひとつとして、2010年のモバイルゲームの市場規模がどの程度のものになるか、という点をあげておきたい。ここ2年ばかりのモバイルゲーム市場は、2008年が前年比2.4%増の約869億円、2009年が同1.7%増の約884億円と伸び悩む傾向が見られた。実際、モバイルゲームの会社の業績は伸び悩む傾向にあった。    資料: 総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」各年版より作成   2010年は、ソーシャルゲームが急速に拡大し、市場規模は久々の2ケタ成長となる可能性が高い。ソーシャルゲームの普及・拡大が公式CPのシェアを奪っている面はあるが、ユーザーと提供コンテンツが増えたことで、市場の活性化に寄与したのは事実。DeNAの決算説明会資料から、「Mobage」のゲーム関連のみの売上高を計算したところ、2010年1-12月で655億円にものぼる。グリーはゲーム関連に限った数字を開示していないが、2社だけで2009年実績を超えるものと思われる。 (※)ちなみに、なんでこんなことを気にしているかというと、スマートフォン向けのゲームアプリの市場規模を予測する際、フィーチャフォン向けモバイルゲーム市場が重要な指標になってくるからだ。