【サービス終了、その瞬間】KONAMI『実況パワフルサッカー』…ゲームが終わる事はある。ただ終わるにしても自分たちのプレイをやりきって終わるのと、そうでないのでは大きな違いだ(オシム風)

スマートフォンアプリ市場は、日々新しいゲームがリリースされている。その一方で、様々な事情により惜しまれつつサービスが終了してしまうゲームも少なくはない。

gamebizでもサービス終了に関する記事(関連情報)を取り上げている。

それら記事を読み、「あと数ヵ月後に終わるのか…」と思うが、サービス終了発表~サービス終了当日までの期間、そのゲームについて追ってはいなかった。

そこでgamebizでは、それらゲームのサービスが終了するその瞬間に立ち会って、ゲーム内でどのような事が起こったのかを伝える「サービス終了、その瞬間」を展開している。

今回は、2024年9月30日16時をもってサービスが終了となった、コナミデジタルエンタテインメントの『実況パワフルサッカー』(以下、『パワサカ』)をピックアップする。

KONAMI『パワサカ』(Since 2016 to 2024)

まずは『パワサカ』の概要について。

本作は、『実況パワフルプロ野球』シリーズの派生作品となるサッカー選手育成ゲーム。シリーズおなじみのサクセスで選手を作成する事ができた。

『パワサカ』は2016年12月7日よりサービスを開始しており、リリースから約7年9ヵ月でのサービス終了となった。

タイトル発表からサービス終了までの歴史を振り返る

続いて、『パワサカ』発表からの歴史を振り返っていこう。

本作は、2016年7月7日に新作としてKONAMIからその存在が発表された。翌月の8月25日に放送された“【パワプロ公式生放送】真夏の夜の「パワプロ」新作発表!”において、それまでベールに包まれていた『パワサカ』の詳細が公開されるとともに、公式サイトのゲーム紹介ページなどが更新された。(関連記事

同年9月7日にクローズドβテストの参加募集を開始、11月14日には 事前登録の受付がスタートした。なお、公式サイトで実施していた事前登録キャンペーンは約1ヶ月で20万人を突破していた。

こうして多くのファンからの期待を一身に受け、『パワサカ』は2016年12月7日に正式サービスを開始したのだった。(関連記事

ちなみに配信翌日の12月8日のApp Storeの売上ランキング(ゲームカテゴリー)で『パワサカ』は早くも22位にランクイン。(関連記事) 12月9日に100万ダウンロードを突破すると、12月13日のGoogle Play売上ランキング(ゲームカテゴリー)で15位まで順位を上げ、上々のスタートを切ったのだった。(関連記事

さらに2016年12月20日に400万DLを突破したことが発表。ゲーム内では期間限定の「クリスマスキャンペーン」を開催した。

翌2017年1月5日からは、新シナリオ「聖ライカー学院」の配信を開始。(関連記事) 以降『パワサカ』では定期的に新シナリオを投入し、ユーザーを楽しませた。

シナリオ以外にも、「ゴールの質」に応じてスコアが発生するトーナメント形式のイベント「ストライカー杯」(関連記事)や、2つの軍団から1つを選択して所属し、もう一方の軍団に所属しているチームとイベント専用スタジアムで試合を行い、スコア合計を競うイベント「どっち派スタジアム」(関連記事)など、『パワサカ』では様々なイベントを積極的に実装していった。

2017年6月20日、『実況パワフルプロ野球』とのコラボを実施。「猪狩守」と「新島早紀」の出現率がアップする「パワプロコラボキャラピックアップガチャ」等がゲーム内に登場した。(関連記事

コラボと言えば、サッカー作品「「キャプテン翼」」(関連記事)や「シュート」(関連記事)、「エリアの騎士」(関連記事)、「アオアシ」(関連記事)、「さよなら私のクラマー」(関連記事)、「ブルーロック」(関連記事)、そして「名探偵コナン」(関連記事)、タツノコプロの55周年記念作品「Infini-T Force(インフィニティ フォース)」(関連記事)、「転スラ」(関連記事)、「無職転生」(関連記事)、「葬送のフリーレン」(関連記事)といったアニメ作品、さらにFCバルセロナの選手たち(関連記事)、ケヴィン・デ・ブライネやエデン・アザールらベルギー代表チーム(関連記事)、イタリアの強豪クラブで数々のタイトルを獲得した世界的レジェンドであるアレッサンドロ・デル・ピエロ(関連記事)などなど、枚挙にいとまがない。

このように『パワサカ』は約7年9ヵ月の歴史の中で、様々な作品や選手とのコラボを実現させていった。


▲初音ミクやジーコ、女子サッカー界のレジェンド「澤穂希」、そしてキング・カズも登場した。


▲『悪魔城ドラキュラ』や『ラブプラス』とKONAMIタイトルとのコラボも実施した。

また、『パワサカ』は2021年5月27日、繁体字版『實況力量足球』を配信することを決定し、海外市場へ勝負を仕掛けた。

2022年2月14日には、Aiming<3911>が制作/運営受託でコナミデジタルエンタテインメントより『パワサカ』の開発・運営で協力していることが明らかになった。(関連記事

そして『パワサカ』は、2019年8月7日の累計ダウンロード数1000万DLという大台突破を経て、2023年6月8日には1300万DLを突破。その後もユーザーを楽しませ続けてくれると思ったのだが。

2024年7月2日、『パワサカ』のサービスが2024年9月30日16時をもって終了することが発表されたのだった。

1週間前からプレイ…といういつもの感じとは少し違います

『パワサカ』の発表からサービス終了決定までの流れをお届けしたところで、ここからは……と、いつもならサービス終了1週間前からログインしたプレイ記録をダイジェストでお届けするのだが、実は筆者、『パワサカ』をリリース時からプレイしていたのだ、社用端末じゃなく個人の端末でね。

というのも、筆者はサッカーが好きなので、『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』や『スーパーフォーメーションサッカー』、『プロサッカークラブをつくろう!』、『イナズマイレブン』など、ゲームにおいてもサッカーものは好んでプレイしていた。

前職時代には社内で行われた『ウイニングイレブン』の大会に出場。ブラジル代表やフランス代表などの強豪国を使う編集者達を抑え、オーストラリア代表(当時の主力はキューウェルとヴィドゥカ)を使って優勝した。その後、どんな経緯でそうなったか忘れたが、『FIFA』シリーズで日本一だか世界一になったプレイヤーの方と『FIFA』で試合をしてちんちんにやられて、井の中の筆者は大海を知ったよ。

実際のサッカーに関しても、ミーハーだけど1993年のJリーグ開幕を機に試合を観戦するようになり、今でもDAZNでチェックしている。開幕当時応援していたのは、名古屋グランパスエイト(ブラジル人MFのジョルジーニョが好きだったよ)。93年、94年は弱かったけど、95年にベンゲル監督が就任すると面白い&強いクラブに変貌を遂げた。妖精・ストイコビッチ、レフティーモンスター・小倉隆史、スーパーサブ・森山泰行など良いメンツが揃ってたし。

筆者はどちらかと言うと弱いチームが強いチームをやっつけるジャイアントキリング思考があるので、強くなりだした名古屋に別れを告げ、96年からFC東京の前身となるJFLの東京ガスを応援するようになる。97年の天皇杯では、その東京ガスが名古屋グランパス、横浜マリノス、ベルマーレ平塚というJクラブを立て続けに撃破。準決勝で鹿島アントラーズに敗れはしたけど、何とも痛快な気分にさせてくれた。

そんな東京ガスも、後にFC東京としてJリーグのクラブになったので、何となくそこで別れを告げ、JFLの横河電機(横河武蔵野FC)をぬるっと応援したりした。

その後はJリーグ(+JFL)全体の試合結果や移籍情報なんかをスポーツ番組やネットで拾っていたけど、しばらくは応援するチームがなかった。強いて言えば、『ウイイレ』のくだりで触れたオーストラリア代表を応援していた。2006年ドイツ大会のグループステージでは日本がオーストラリアと戦った…大きな声では言えないけど、筆者は心の中でオーストラリアを応援してたんだよね。何かオーストラリアには勝てるみたいな風潮が嫌でしてね。実際逆転勝ちした時には飯が美味かった。※もちろんそれ以外の試合は日本代表を応援しましたよ。

ちなみに筆者が今応援しているのは、FC町田ゼルビア。2015年、当時J3だった頃から応援しており、年間8試合前後はホームの町田市立陸上競技場(現・町田GIONスタジアム)に足を運んでいたよ。筆者、出身は神奈川の西の方なんだけど、小田急線が地元の最寄り駅なんだよね。で、小田急電鉄はFC町田ゼルビアのスポンサーってことで応援しているわけ。

FC町田ゼルビアは今シーズン、念願のJ1を舞台に戦っていて、この原稿を書いている時点で3位と大健闘している。何か知らんがやたらアンチが多いクラブなんだけど、そのほうが燃えるよ!シーズン終盤、アンチを黙らせる試合を見せてもら……

「筆者……サッカー好きか…? でもそろそろ『パワサカ』の話をしようか」(嘉晴)

「シュート!」の久保さんに𠮟られた! すみません…こわいくらいに話が脱線しました!!

という事で話を『パワサカ』に戻すと、冒頭お伝えした通り、筆者はリリース日から本作をプレイしていたわけだが、ある時期から遊ばなくなってしまった。その理由は、筆者が今なお使っているiPhoneが6だから…繰り返す、iPhone6だから。もう10年くらい使ってるぞ!一つのクラブに長く所属しクラブの歴史を象徴する存在であることを意味するバンディエラかよ!!

始めの頃はiPhone6でも問題なくプレイ出来てたんだけど、数年経つと試合のシーンとかもうカックカク。画面が止まり、しばらくして動き出したら得点してたりされてたり。

でもこれは『パワサカ』が悪いわけじゃない。ゲーム自体は面白かったからアプリは消さずに機種変更したら続きをやろうと思っていたんだけど、結局iPhone6を使い続けている筆者が悪いのだ。いやだって、近年iPhone高すぎるし、給料も全然上がら(以下、略)

という背景があり、『パワサカ』と疎遠になっていたのだが、サービス終了と聞いて数年ぶりにログインした。時刻はサービス終了1時間前の2024年9月30日15時過ぎ。


▲ただいま『パワサカ』。そしてありがとう、さようなら。

ログイン後に表示されたお知らせで、『パワサカ』プレイヤーへの感謝の気持ちを込めたキャンペーンなどが開催されていた事を知る。

お別れの意味も込めて、最後にガチャでも引いておこう。何やらPSR1枚確定の無料10連があったのでレッツトライだ。


▲筆者が引き当てた最後のPSRキャラは馬橋柚騎ちゃん!

さて、続いて筆者がプレイしていた頃の輝かしい記録やイベントキャラコレクション、そしてサクセスで育てた選手たちを紹介しようか(ガチ勢からすると大した事ないですが)。

ちなみに筆者の育成選手は、『俺たちのフィールド』や『VIVA! CALCIO』、『GIANT KILLING』等のサッカー漫画のキャラクターをイメージして作っていたよ。

一部、野球漫画、バスケットボール漫画、筆者の妄想キャラも交っているけども。


▲筆者の手腕ではSSSの選手を育てるのが限界だった。

久しぶりにパワフルスタジアムで試合もしてみた。iPhone6では数年前でカックカクだったから今だったらフリーズするんじゃないかと思ったけど、大丈夫!カックカクなだけで何とか動いていたよ(30秒くらいローディング中で固まったかと思ったけど)。

そんなこんなでサービス終了まで30分を切ったので、恒例の他のプレイヤーさんのログイン状況をチェックしておこう。

まず週刊パワスポを見てみると、前日9月29日や当日9月30日に更新しているプレイヤーさんを確認できた。てか、筆者がプレイしていなかった間にZZSとかPPSとか見たことのないランクが出来ていたのね…。

お次にフレンドリストやフォローリストをチェック。こちらも当日9月30日、もしくは直近にログインしたプレイヤーさんがチラホラいた。みんな、今までありがとうございました。

サービス終了まで残り時間はあと11分。最後に何をしようかと考えた時、ふと「最後にサクセスで選手を作れば良かったんじゃね?」とひらめいたが、この残り時間では無理だろう。もっと早く気付くべきだった。そう後悔しつつも、やれる所までやろうと、サクセス開始!

大急ぎで進めたけど、やはり時間が足りなかった。ここで16時になり試合終了のホイッスル…かと思いきや、16時を過ぎてもアディショナルタイムとばかりにまだプレイできた。

しかし、サクセスを一旦中断したら下の画面が表示され、今度こそサービス終了。

こうして、『パワサカ』は約7年9ヵ月の歴史に幕を下ろしたのだった。

▲サービス終了直後の公式X(Twitter)

ちなみに、『パワサカ』公式Xでは、2024年9月1日から4週にわたって、「入部人数の多かった学校ランキング」や「人気彼女ランキング」など、今までのプレイヤー達のさまざまな記録がポストされていた。興味のある『パワサカ』ファンはチェックするべし!

追伸:サッカー、サッカーゲーム好きとしては『パワサカ』はとても面白かったので、いつか家庭用ゲームとして復活することを期待してます、KONAMIさん。そしたらiPhone機種変更よりソフト買いますから!


©2016 Konami Digital Entertainment

【サービス終了、その瞬間】バックナンバー

前回の記事 ⇒ 37GAMES『スカイフォートレス-オデッセイ』…スカイシティーを目指して空を駆け抜けた冒険者達の物語にピリオド

23年11月~24年3月掲載記事まとめ ⇒ 『GGGGG』『エラゲ』『シノアリス』『ONEPIECE サウスト』『消滅都市』『DFF オペラオムニア』

番外編もチェック ⇒ 番外編「after that サービス終了」(2023年)…『ハニプレ』『ダイの大冒険 魂の絆』『ロックマンXDiVE』等のその後をリサーチ

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株式会社コナミデジタルエンタテインメント
https://www.konami.com/games/corporate/ja/

会社情報

会社名
株式会社コナミデジタルエンタテインメント
設立
2006年3月
代表者
代表取締役会長 東尾 公彦/代表取締役社長 早川 英樹
決算期
3月
直近業績
売上高1940億1100万円、営業利益336億4700万円、経常利益348億9300万円、最終利益278億2800万円(2023年3月期)
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