ゲーム株概況　『うたプリ』好調のブロッコリー株が再びS高　グリー堅調、コロプラには売り続く

10月18日の東京株式市場では、ブロッコリー<2706>株が再び取引制限値幅の上限（ストップ高）である前日比80円（17％）高の551円まで買われ、この水準で取引を終えた。ここ数日は上昇の勢いが鈍っていたが、再び買いの動きが強まった。女性向けコンテンツ『うたの☆プリンスさまっ♪』の好調を受けて、業績成長を期待した買いが続いているようだ。グリー<3632>株には見直し買いとみられる動きが続いている一方、コロプラ<3668>は5日連続で下げた。

グリーは32円（4％）高の836円と、この日の最高値で取引を終えた。836円は8月23日以来、約2か月ぶりの高値水準となる。10月前半に株価は一時700円を割り込む場面もあったが、売られすぎと見た買いが続いているようだ。ボルテージ<3639>も11％高と大きく上げた。株を借りて売りを仕掛け、株価が下がるほど利益が出る「空売り」の残高が多いため、この空売りの買い戻しが続いているとの声もある。

一方、このところ下げが続いているのがコロプラ。18日は210円（7.3％）安の2650円で取引を終えた。10月半ばにかけての株価上昇を受けて、目先の利益を確定しようとする売りが続いているとの見方が多い。また、市場の一部では、フィンランドのゲーム大手スーパーセルとの対比で、割高感が意識されているとの声もあった。

ソフトバンク<9984>とガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は15日、共同でスーパーセルを買収すると発表。株の51％を約1515億円で買収するため、時価総額は単純に2倍して3000億円程度と推測できる。一方、コロプラの時価総額は3300億円程度と、スーパーセルの推定時価総額よりも大きい。スーパーセルは2012年の1年間で売上高は約518倍の100億円程度（1ユーロ＝130円で概算）、営業利益は50億円程度まで伸びた。13年もさらなる業績増が見込まれており、日本経済新聞は「ゲームアプリのヒットで、欧米株式市場では今期の売上高が800億円を超えるとの見方も浮上している」と伝えている。コロプラは2013年9月までの一年間で、売上高が3.3倍の167億円、営業利益は3.8倍の57億円。両社とも高成長企業だが、「スーパーセルとコロプラの成長率を比べた時、時価総額でスーパーセルよりも高い値段がついているコロプラには割高感がある」（国内投信のファンドマネジャー）という。


以下、18日の主なゲーム今日の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	証券コード	終値	前日比	前日比率
ブロッコリー	2706	551	80	16.99%
ボルテージ	3639	1,211	120	11.00%
グリー	3632	836	32	3.98%
日本一ソフトウェア	3851	849	29	3.54%
ガンホー・オンライン	3765	81,100	2,700	3.44%
マーベラスＡＱＬ	7844	578	19	3.40%
ｅｎｉｓｈ	3667	3,015	95	3.25%
クルーズ	2138	3,735	105	2.89%
バンダイナムコＨＤ	7832	1,914	32	1.70%
コーエーテクモＨＤ	3635	1,057	17	1.63%
サイバーエージェント	4751	2,918	43	1.50%
スクウェア・エニックスＨＤ	9684	1,644	23	1.42%
カプコン	9697	1,943	25	1.30%
ドリコム	3793	112,700	1,400	1.26%
セガサミーＨＤ	6460	2,778	29	1.05%
オルトプラス	3672	4,370	25	0.58%
ディー・エヌ・エー	2432	2,041	10	0.49%
モブキャスト	3664	2,145	7	0.33%
アクセルマーク	3624	898	2	0.22%
日本ファルコム	3723	1,090	2	0.18%
ネクソン	3659	1,240	1	0.08%
ケイブ	3760	104,300	0	0.00%
トーセ	4728	683	-1	-0.15%
エイティング	3785	2,525	-12	-0.47%
コナミ	9766	2,387	-19	-0.79%
任天堂	7974	11,470	-110	-0.95%
ＫＬａｂ	3656	836	-9	-1.07%
エイチーム	3662	2,629	-31	-1.17%
コロプラ	3668	2,650	-210	-7.34%