【インタビュー】『三国志乱舞』と『三国志ロワイヤル』の両陣営が語る「三国志の魅力」とは。そして増える“三国志タイトル”…ヒットの法則は如何に
スクウェア・エニックスとディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、2014年6月5日に『三国志乱舞』と『三国志ロワイヤル』のコラボ企画を実施した。
『三国志乱舞』は、多数の超美麗な男女の武将がゲーム内を彩るほか、ワラワラ動く兵たちを指先ひとつで指揮する新感覚のバトルなどが魅力のドラマティック三国志RPG。対する『三国志ロワイヤル』は、三国時代の君主の新たな1人となって武将を集め、自軍を鍛えながら様々な戦が起こる三国志の世界を生き抜いていく本格戦略シミュレーションRPG。
そんな独自性を行く『三国志乱舞』と、史実に沿った本格派の『三国志ロワイヤル』とが交じり合う未曽有の“三国志ゲームコラボ”が、6月10日まで両作品で開催されている。そこで本稿では、『三国志乱舞』『三国志ロワイヤル』の両プロデューサーを迎えて、今回のコラボ経緯をはじめ、昨今における“三国志”タイトル事情、さらにマニアックな三国志談義にも花が咲いたインタビュー模様をお届け。
■『三国志乱舞』とは
本作は、曹操や劉備、孫権、関羽、張飛など三国志に登場する有名武将たちを配下に従え、天下統一を目指し戦うドラマティック三国志RPG。多数の超美麗な男女の武将がゲーム内を彩るほか、ワラワラ動く兵たちを指先ひとつで指揮する新感覚のバトルなどが魅力だ。
バトルでは、それぞれに特徴がある全30種以上の兵科を配置し、指揮して戦う新感覚のシステムを搭載。多種多様な攻撃を繰り出しワラワラと動く兵たちの細やかなモーションによる戦闘は、まさに手に汗握る大乱闘である。
また、武将を指揮して挑む戦闘で勝利をつかむ決定打のひとつが「必殺技」。 一部の武将たちが持つ「必殺技」は、兵をタッチするだけで即座に発動するのだが、その「必殺技」がキレイに決まると爽快感を味わえる。さらに3段階のランクでリーグ分けされているギルドバトル「乱舞戦・天」では、開催期間中に獲得貢献ポイントを競い合いながら戦っていく。プレイヤーは、各ランク内でギルド1位を目指していく。
そして、三国志に登場する英雄豪傑たちが、著名イラストレーター陣によって描かれた超美麗な男女の武将となって登場。杉田智和さん・田中敦子さん・中田譲治さんといった人気声優の方々がゲーム中の三国志武将のボイスを担当しているのも見逃せない。
■配信開始日
iOS版:2013年6月20日
Android版:2014年3月27日
■『三国志乱舞』ダウンロード
■『三国志ロワイヤル』とは
本作は、三国時代の君主の新たな1人となって武将を集め、自軍を鍛えながら様々な戦が起こる三国志の世界を生き抜いていく本格戦略シミュレーションRPG。
「戦場」では武将の配置、移動先、武将同士の兵科相性、スキル発動のタイミングなど様々な要素を総合的に考えて勝利を目指す。また、倒した敵武将を捕縛・説得することで自軍に加えることができ、戦うほどに自軍を強化することができる。
さらに、赤壁の戦いなど歴史に沿ったストーリーや「もし(IF)」を体験できるオリジナルストーリーに加えて、イベント限定でひとりの武将の半生を追体験していく武将伝など、三国志に関連する多彩なシナリオが用意されているのも魅力のひとつ。
■配信開始日
iOS版:2013年11月27日
Android版:2013年11月27日
■『三国志ロワイヤル』ダウンロード
■独自性を行く『三国志乱舞』と史実に沿った本格派の『三国志ロワイヤル』が融合
『三国志乱舞』プロデューサー兼マネージャー
株式会社スクウェア・エニックス
第12ビジネス・ディビジョン
長谷川 友洋氏
『三国志ロワイヤル』プロデューサー
株式会社ディー・エヌ・エー
Japanリージョンゲーム事業本部 ゲーム開発二部
山口 恭平氏
――:本日はよろしくお願いします。以前、長谷川さんには『三国志乱舞』のインタビュー(関連記事)でお邪魔させていただきましたが、今回はまさかの「三国志」同士によるコラボですね。まず今回のコラボ経緯についてお聞きできればと思いますが、どちらからお声掛けされたのでしょうか。
長谷川氏(写真左):実は弊社の開発スタッフのひとりが、もともとDeNAさんとタイトル間でのお付き合いがあり、お声がけいたしました。
山口氏(写真右):はい。社内の方に繋げていただいて、そして正式に弊社側からオファーをさせていただきました。
――:DeNAさん側は、『三国志乱舞』をコラボ相手に選んだ明確な理由はあるのでしょうか。
山口氏:いちユーザーとして遊んでいて、やはり面白い作品だったのが一番の理由になります。実際にお話させていただいたのは、2月頃だったと思いますが、そこからは非常にスムーズに打ち合わせや開発なども進んでいきました。
――:今回のコラボによる開発フローはいかがでしたか。
山口氏:イベントの世界観は、武将・曹操にスポットをあてた「曹操伝」として両者で揃えました。『三国志ロワイヤル』では、曹操の生涯を追っていく物語のなかで、『三国志乱舞』の武将が登場するような演出になっています。シナリオは、お互いのタイトルの特徴を活かしてそれぞれで手掛けました。内容自体は、これまで展開してきたイベントと同じスキームで、プレイヤーの援軍に『三国志乱舞』の武将を呼べたりなどします。また、どなたでも楽しめるように、難易度も低いところまで網羅しています。
長谷川氏:『三国志乱舞』側も特設ステージを用意して、「曹操伝」をゲーム内で描いています。じつは、もともと3つのシナリオを用意していました。ひとつは曹操の活躍をダイジェストで展開していく案と、もうひとつが「もしも曹操の代で三国を統一できたら…」という架空の話。そして、最後の案は『三国志ロワイヤル』の曹操が、『三国志乱舞』の舞台に登場して、女体化した武将たちと接触したらどうなるか……。最終的には、3つ目に落ち着きました。ぜひ、コラボでは独自性を行く『三国志乱舞』と、史実に沿った本格派の『三国志ロワイヤル』の融合部分を見ていただきたいと思います。
■コラボキャンペーン概要 - 『三国志ロワイヤル』
<実施期間:2014年6月5日(木)~2014年6月10日(火)23時59分>
「劉備[乱舞ver](★3)」、「曹操[乱舞ver](★4)」を獲得するチャンス!
イベント戦場で敵武将がまれに落とす宝箱から入手できる「宝玉」を集めると、『三国志ロワイヤル』のゲーム内で使用できる『三国志乱舞』の武将、「劉備[乱舞ver](★3)」を獲得できる。また、主に敵を撃破することによって得られる「戦果」を積み上げてイベントのランキング上位に入ることで、「曹操[乱舞ver](★4)」を獲得可能。
『三国志乱舞』の武将たちが味方の軍勢に加勢!
期間中、『三国志ロワイヤル』のイベント「曹操伝」の戦場限定で、計略「戦友精鋭部隊」を使用することで、『三国志乱舞』の武将を戦闘に参加させることができる。それぞれの武将は、普段の『三国志ロワイヤル』の武将が持たない特別なスキルを持っている。
シリアルコード入力で、限定「太史慈」と「金5個」がもらえる!
イベント期間中に『三国志乱舞』内で手に入るシリアルコードを入力すると『三国志ロワイヤル』で使用できる「太史慈(招待限定仕様)」、「金5個」がもらえるほか、同様に『三国志乱舞』のゲーム内では『三国志ロワイヤル』内で手に入るシリアルコードを入力することで「SR凌統」がもらえる。
シリアルコード入力期間:2014年6月5日(木)17時から2014年6月10日(火)23時59分
▲太史慈(★3) (招待限定仕様)
【兵科】弓
【スキル】飛弓一閃
■コラボキャンペーン概要 - 『三国志乱舞』
<実施期間:2014年6月5日(木)~2014年6月10日(火)23時59分>
シナリオに『三国志ロワイヤル』の「曹操」が登場するイベント限定「スペシャルステージ」が登場
不思議な力によって『三国志乱舞』の「曹操」と入れ替わった『三国志ロワイヤル』の曹操が、女性化した周りの武将に戸惑いながらも『三国志乱舞』の世界で大活躍。はたして、『三国志ロワイヤル』の世界に戻れることはできるのか…!? コラボレーションならではのシナリオにも注目。
集めた「巻物」で限定SR武将「曹操」「夏侯惇」(三国志ロワイヤルver)を入手!
イベント限定「スペシャルステージ」でドロップする「巻物」を集めると、限定のコラボレーション武将 SR「曹操(三国志ロワイヤル ver)」・「夏侯惇(三国志ロワイヤル ver)」などが出現するイベント限定「巻物交換ガチャ」に挑戦。
▲SR「曹操(三国志ロワイヤル ver)」、SR「夏侯惇(三国志ロワイヤル ver)」
■シリアルコード入力で、限定「凌統」と「レアガチャチケット×1枚」がもらえる!
イベント期間中に『三国志乱舞』内で手に入るシリアルコードを入力すると『三国志ロワイヤル』で使用できる「太史慈(招待限定仕様)」、「金5個」がもらえるほか、同様に『三国志乱舞』のゲーム内では『三国志ロワイヤル』内で手に入るシリアルコードを入力することで「SR凌統」がもらえる。
シリアルコード入力期間:2014年6月5日(木)17時から2014年6月10日(火)23時59分
▲SR凌統(本キャンペーンで初お披露目の武将)
【兵科】歩兵(斧)
【スキル】復讐の誓い
――:長谷川さんは、今回『三国志ロワイヤル』とコラボすることを受けて、どのような印象を持ちましたか。
長谷川氏:前々から『三国志ロワイヤル』とはコラボしたかったので、とにかく実現できて良かったなぁと(笑)。私は昔からグリッドのなかでキャラクターを動かしたり、プレイヤー次第で遊びの幅が広がりを見せたりするシミュレーションゲームが大好きでした。『三国志ロワイヤル』は、単純にクエストを選択して進んでいくだけではなくて、きちんとルートを選択して、そして敵の組み合わせを考えながらバトルを行うなど、非常に戦略性のあるゲームとして、これまでもよく遊んでいました。
――:山口さんは『三国志乱舞』について、どのような印象を持っていましたか。
山口氏:大勢の兵士たちが攻めてくるワラワラした感じの群れを、どんどん倒していくゲーム展開は、とても三国志らしいゲームだなと思っていました。そういう部分は、なかなか『三国志ロワイヤル』では表現できていない部分でもあります。また、武将の女体化などのキャラクターとしての魅力もありますね。あとカクがふんどしで泳いでいる姿には衝撃を受けました(笑)。
長谷川氏:ありがとうございます(笑)。夏のイベントのときにやりましたね。
山口氏:そういう楽しみを詰め込んでくれているのが、本当に魅力ですね。
長谷川氏:ちなみに、そのイラストを手掛けたアートディレクターは、これまでスクウェア・エニックスのいくつかの著名タイトルの開発に携わった方です(笑)。
――:(笑)。せっかく今日は山口さんもいらっしゃっているので、『三国志ロワイヤル』のこともお聞きできればと思います。そもそも『三国志ロワイヤル』は、どういったコンセプトで開発がスタートしたのですか。
山口氏:本作は、当初から「三国志の世界を忠実に再現しよう」というコンセプトを掲げています。やはり三国志が好きな30代半ばの方は、昔の三国志を題材にしたシミュレーションゲームで遊んでいたりとか、吉川英治さんや横山光輝さんの三国志書籍を読んでいたりなど、各々できちんとした知識を蓄えている背景があると思っています。
だからこそ全員が納得するように、「これは三国志だ」と言ってもらえるようなゲームにしようというのが、初期のコンセプトであり、いまも引き続き大切にしている設定でもあります。ただ現場からは「もう少し突飛なこともやってみたい」という声も上がってきますが、あくまでも我々が目指すところは硬派な三国志です。
――:それでは『三国志ロワイヤル』のユーザー層としては、かなりの三国志好きが集まっていそうですね。思えば最初のテレビCMはなかなかマニアックな内容で、本当に三国志好きであれば「ニヤリ」と来る演出でした。
山口氏:はい。社内でも三国志好きな人に見せたらニヤニヤしていました。知らない人が見たら「この人何言っているんだ」という感じですけど……ただ、2回目にやらせていただいたテレビCMでは、女性が喫茶店で武将の名前を間違えるという一風変わった内容に変えていきました。こちらも反響が良かったですね。
長谷川氏:三国志の武将の名前とか、フリガナが無いと読めないですよね。私の子供の頃なんて、ずっと夏侯惇のこと惇(アツシ)って呼んでましたし。
一同:(笑)
――:格好いい(笑)。
長谷川氏:それが仲間内でも浸透して、気づいたのは中3ぐらいです(笑)。
山口氏:原作・横山光輝の『三国志』で入ってきた人は、夏侯惇(カコウジュン)って言いますよね。そのほか、魯粛(ロシュク)の息子が魯淑(ロシュク)などの漢字だけが違うとか。
長谷川氏:ありますね。孫権と孫堅も。
――:『三国志ロワイヤル』のキャラクターデザインも特徴的ですよね。統一性があるほか、等身が低くて可愛らしいです。
山口氏:様々な案を出したなかで一番個性が出ているデザインとして、現在のキャラクターデザインに行き着きました。
長谷川氏:外から見ていて客観的に思ったのは、『三国志ロワイヤル』は忠実に物語を再現されていることもあり、独特な渋みに親近感を加えるため、あの絵柄に行き着いたのかと……。とても見やすい武将の特徴を掴んだキャラクターデザインは、『三国志ロワイヤル』の魅力のひとつかと思います。
山口氏:ありがとうございます。よく安心感があると言われます(笑)。
――:そういえば、おふたりとも三国志との出会いは子供の頃ですか。
長谷川氏:ええ。子供の頃に三国志関連のゲームを遊んだり、それこそ横山光輝さんの漫画『三国志』を読んだり、小説や映画なども一通り見て浸っていきました。
山口氏:私も小学校の時からずっと三国志のゲームで遊んでいました。高校生の時も三国志の小説を読んでいたり、それがきっかけで興味が深まり、大学でもずっと中国文学を勉強していました。
――:やはり今でも三国志のことで勉強をされるのですか。
山口氏:研究論文などは読んだりしています。そのため、デスクの上は本が山積みです。
長谷川氏:それはすごい! 私は三国志のゲームのパラメータを覚えているぐらいです。
山口氏:そっちのほうがすごいですよ(笑)。
長谷川氏:色々と調べてみると、まだまだ新たな発見もあったりして、面白いですよね。
山口氏:そうですね。なぜ関羽が横浜中華街に飾られるようになったのか……とか。
――:なんでなんですか。
山口氏:関羽が塩の名産地の解県というところの生まれだったことから、商売の神様として崇められるようになったんですよ。そのため中華街に行くと関帝廟があり、商売繁盛として祀られています。ちなみに、関帝廟で『三国志ロワイヤル』チームはお守りを買いました(笑)。
長谷川氏:験担ぎですね。我々は花園神社で大きい熊手を買ってきました(笑)。
――:験担ぎ大事ですよね(笑)。それでは、おふたりが思う三国志の魅力とは。
山口氏:まさに「男のドラマ」であるところが、一番の魅力だと思いますね。「あぁ、この人はこうやって生きたんだ……」と、ハードボイルドな雰囲気が伝わってきます。そんな彼らの生き方が、ときに「もう少し頑張ろう」と自分自身の背中を押してくれることもありますね。
長谷川氏:同意見ですね。誰しも魅力的なヒーロー像ってあると思いますが、それが私は三国志でした。よく子供の頃はロボットや戦隊ヒーローに夢中になったと思いますが、私は三国志の武将に格好よさを求めていました。
――:ちなみに、お気に入りの武将は。
山口氏:姜維が好きですね。
長谷川氏:あー、いいですね。渋いです。
山口氏:名だたる武将オールスターたちが亡くなった後にも頑張っていたり、意外にも母親思いの一面があったりする武将です。それから私の下の名前は恭平ということもあり、細かいところで親近感を持っているところもありますね(笑)。
長谷川氏:私はいつも答えているんですけど、董卓と張角が好きです。とにかくこの2人に憧れているんです(笑)。
一同:(笑)。
■改めて考える「三国志」というジャンル
――:コラボといえば、これまで両タイトルとも様々な作品とコラボしてきたと思います。ただ、同じ三国志を題材としたゲームで、なおかつゲーム内にもキャラクター登場するとなると、なかなか気を遣う部分もあったかと思いますが、その辺についていかがでしょうか。
長谷川氏:やはり三国志ひとつとっても様々なタイプがあります。史実に基づいた作品もあれば、ひとりの武将にスポットをあてた作品など、本当に多種多様な作品が存在します。恐らくそこで折り合いは一生つかないと思いますが、正解のない題材だからこそ、お互いのゲームの世界観をうまく尊重したり活かしたりすることができました。
山口氏:ユーザーさんにとっても三国志と聞いて思い描く形は、やはり人それぞれですね。小説版『三国志演義』が好きな人もいれば、正史が好きな人もいます。だからこそ、お互いの良いところをミックスできればと考え、今回のコラボを手掛けていきました。
――:そもそも昨今のスマートフォンゲーム市場では、本当にコラボ展開が多くなりましたよね。
山口氏:やはり面白いですからね(笑)。
長谷川氏:(笑)。
山口氏:『三国志乱舞』の世界に、にゃんこが出てきたらどう考えても面白いじゃないですか(笑)。 どうしてもひとつのタイトルでは、世界観を保つためにもある種の限界があると思っています。『三国志ロワイヤル』であれば、正統派で行く方針があるなかで、急に崩してしまうとユーザーさんを驚かせてしまいます。しかし、一時的なコラボとして別の世界観と一緒にやると、ユーザーさん自身も納得しやすいうえに、我々作る側としても面白いものが作れますね。
▲昨年実施した『にゃんこ大戦争』(ポノス)×『三国志乱舞』コラボのゲーム画面
長谷川氏:レストランに例えるならば、『三国志乱舞』はハンバーグが有名なお店ですが、当然ハンバーグ好きしか集まってきません。しかし、そこでスパゲッティ店という『三国志ロワイヤル』とコラボすることで、洋食屋つながりで今までの経路と違うお客さんにも訴求することができます。事業計画として、お互いwin-winの関係で展開できる手段が、一番コラボが適していますね。
――:また、モバイルゲーム市場における「三国志」タイトルの増加は、年々増えてきているふうに思えます。おふたりは、どのように考えていますか。
山口氏:じつは、「Mobage」などのブラウザ時代にも三国志タイトルは多くありました。コンシューマでも人気シリーズが生まれているなど、ユーザーさんにとっても馴染み深いジャンルなのかもしれませんね。
長谷川氏:以前ゲームジャンルにおける受容性調査をしたことがあるんですが、そのなかで一番好まれるゲームジャンルがファンタジー、戦国、三国志という結果になりました。意外にもファンタジーがほか2つと横並びなのは、様々なものに細分化されるからだと思います。そうしたなかで、やはりビジネス的な観点で考えるとなると、みんなが知っている世界観で間口を広げる必要があるのだと思います。
とくに現在はみんながスマートフォンを持っている時代なので、コンシューマと違ってソーシャルゲームは「なんとなく無料で遊ぼうか」という人も積極的にお客さんにしていかないといけません。だからこそ、ビジネスを考えると自然に三国志タイトルでゲームを開発しようということに結びついていくのではないでしょうか。
――:ありがとうございます。では、両タイトルの今後の展望について教えてください。
山口氏:『三国志ロワイヤル』では、もっとゲームとして面白くしていきたいと思っています。それがイベントで面白くするのか、新しい機能を入れていくのか、それともガラッと変えてしまうのか……。色々なやり方があるとは思いますが、そこはきちんとユーザーさんの声を汲み取りながら、新しくアップデートしていきます。
長谷川氏:『三国志乱舞』の強みはギルドの繋がりでもあるため、今後もギルドバトルの「乱舞戦・天」を盛り上げていきたいと思います。また、武将の愛着をもう少し持たせるために、三国志の名シーンをスキルとして表現できるような演出も手掛けていきます。
たとえば、張飛ひとりが橋の上で何万人もの曹操軍を止めるシーンとか、趙雲が劉備の子供を救い出すシーンなど、これらをどのようにしてスキルで表現するのかを鋭意制作中です。また、フィギュアや書籍などのグッズ化も柔軟に考えています。
――:分かりました。それでは、最後に「Social Game Info」読者にメッセージをお願いします。
山口氏:これからもゲーム内コラボはもちろん、リアル商品などの多角的な展開など、色々な取り組みをしていきたいと思っています。ぜひ、今後とも多くの会社様と事業を行っていきたいと思いますので、何かあればお声掛けください。
長谷川氏:じつは、以前「Social Game Info」さんのインタビュー(関連記事)の際に、「コラボのご提案があればご連絡ください」と言ったことがあるのですが、これが実際に反響があったんですよ。
――:そうだったんですか! いつかは今回の三国志コラボにもう1タイトル加わって、三国志ゲームのプロデューサー3名による、リアル三国志対談が実現できればいいですね。
長谷川氏:面白そうですね(笑)。ぜひ、これからも会社やタイトル間でのお付き合いを通して、ゲーム業界を盛り上げていければと思います。
――:本日はありがとうございました。
© DeNA Co., Ltd. 2013.
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)