【インタビュー】『剣と魔法のログレス いにしえの女神』で注目を集めるAiming。代表・椎葉氏が、企業哲学から開発環境、未来像までをノンストップで語る


※SBヒューマンキャピタル株式会社提供の記事

テレビCMでも放映されている本格MMORPG『剣と魔法のログレス いにしえの女神』をはじめ、Aimingのゲームは「時間を忘れて没頭できるタイトル」が非常に多い。中毒性の高いゲームは、どういった企業哲学に基づき、どういった開発環境の中で生まれているのか。モノづくりに対する考え方から、Aimingで働くことの魅力、今後のビジョンまでのアウトラインを代表・椎葉氏に伺った。

 


 

■ゲームをむちゃくちゃプレイする人が偉い


──:まずは、企業として大切にしている理念から教えてください。

面白いゲームをつくりたいという一点に尽きますね。そこだけに集中していると言っても過言ではなくて、「世界一になりたい」といったお題目は特に掲げていません。目指していないわけではないのですが、世界で一番面白いゲームをつくっていれば、自ずとポジションはついてくると思っています。


──:「面白い」の定義はさまざまですが、椎葉社長はどのように解釈されていますか。

端的に言うと、新しいということです。じゃあ「新しいとは何か」という話になるのですが、「他とは違うこと」だと私は捉えています。

他との相対化があってはじめて、新しいという概念が生まれる。自分たちが「これは新しい!」と思っていたとしても、どこかで実現されている可能性は大いにありますから。だから私たちは、たくさんのゲームを日常的にプレイしていますよ。ユーザーとして楽しみつつ、「なぜこのゲームはヒットしているのか」というリサーチャーとしての視点で研究を重ねています。



──:椎葉さんもプレイされるのですか。

四六時中していますよ。昨日は飲み会があって、家に帰ったのは夜中の1時くらいだったかな。そこから『LOL』(※『リーグ・オブ・レジェンド』:世界一の同時接続人数を誇る無料オンラインゲーム)をプレイしてたはずですが、気が付いたら寝てしまって。次の日に見たら3試合もプレイしてたんですよ。全然記憶にない(笑)。


──:体がゲームを欲していると(笑)。

社内でもメンバーはゲームの話ばかりしています。自社のゲームをプレイしているメンバーもざらにいて、「給与の10%を課金ポイントにしてください」という要望が出るくらいですから。


──:そういったスタンスが歓迎される会社なのですね。

大歓迎ですね。Aimingには、「ゲームをむちゃくちゃする人が偉い」という風土があります。ゲームをつくるのって、一筋縄ではいかないんです。だからこそ、情熱を持った人だけがやり抜ける。ゲームで遊ぶことも、ゲームに対する情熱を図る1つの尺度だと思っています。

 

■プロジェクト制から生まれるリッチコンテンツ


──:御社のタイトルは、ユーザーからすると「むちゃくちゃ遊べるゲーム」だと思います。先ほどの話を聞いて、ゲームづくりに対する情熱が、ゲーム性に直接的に表れていると感じました。

移動時間も家にいるときも、気が付けば「またこれで遊んでいる」というお客様は多いですね。知らず知らずの間に、はまりこんでしまったというか。


──:MMORPGというジャンルにはそういう特性がありますよね。ついついプレイ時間が長くなる。
 
多分、『ログレス』をプレイしてくれているお客様って、MMOという言葉を知らなかった方が多いと思うんですよ

これまではあまりゲームで遊んでいなかったけど、たまたまプレイしてみたら、他のユーザーとリアルタイムでリンクできて、チャットもできて、見た目もよくて、何か楽しい。そんな純粋な衝動でプレイしてもらっている感覚があります。

「こういうゲームがあるなんて知らなかった!」というインパクトが大きい分、はまり具合も大きいんだと思う。


──:ソーシャルゲームの黎明期はカジュアルなタイトルがメインでしたが、最近ではスマホの機能向上に伴って、コンテンツの質が底上げされています。御社にとっては追い風になっているのでは。

なっていますね。昔、コンシューマーで遊んでいて、ゲームらしいゲームをスマホでもプレイしてみたかったというお客様もいます。クオリティに関しても、コンシューマーを上回っていると自負していますよ。私を含めた中心メンバーは、PCのオンラインゲームで経験、知識、ノウハウを10年以上にわたって積み重ねてきました。ですから、リッチコンテンツをつくる上では一日の長があると思っています。Aimingのゲームを真似ようとしても、解析は難しいのではないでしょうか。


▲『剣と魔法のログレス いにしえの女神』


──:メンバーの入社動機としてはどうでしょう。リッチコンテンツをつくりたいという人は多いですか。

多いですね。ゲームの開発経験がなくても、「クオリティの高いモノをつくりたい」というモチベーションを持ってトライしてくるメンバーはたくさんいます。たとえばエンジニアであれば、コンシューマーの時代はネットワークやサーバに触ることはほとんどなかった。でもソーシャルゲームであれば、その部分も求められます。だから、技術的なチャレンジができる場でもあるんですよ。私、生まれながらの天才って、ほとんどいないと思っていて。だから、後天的にスキルを磨いていく姿勢は高く評価したいと思っています。


──:部や課が存在しないのも、御社の特徴ですね。

全てがプロジェクト制になっていて、ゲーム単位で席を配置しています。デザイナーやプログラマだけのセクションをつくると、発注先と外注先の関係みたいになってしまうので、それを避けたくて。それに、チームで仕事をした方が「ユーザーに楽しんでもらうためにはどうすればいいのか」をより考えるようになるし、成果も肌で感じやすくなる。そういったプロセスを経験することは、人としての成長にもつながっていくと思っています。


──:社長室もないんですね。

よくオフィスをウロウロしています。新卒と一緒にゲームをすることもしょっちゅうですよ。私のことを社長だと思っていない人も多いんじゃないかな。もう少し社長として敬ってほしい(笑)。

 

■経営も人生も、全てゲーム


──:今後の展開としてはいかがですか。台湾に拠点を設けられたり、中国の大手インターネットサービス企業と提携されたりと、海外展開にも積極的な印象があります。

アジア進出には力を入れていきたいのですが、配信を目的に拠点を展開しているわけではなくて、現地の優秀な技術者を確保したいという狙いの方が強いですね。台湾の方たちは、日本のカルチャーへの理解が深く、遊びに対する感覚も近いので、ともに面白いゲームをつくっていけるのではないかと。


──:新しいラインも動き出していますか。

他のユーザーとつながるという部分を軸にしながら、いろいろなプロジェクトが走りはじめています。同期というポイントは、Aimingの核ですね。『スマホでゴルフ! ぐるぐるイーグル』というスポーツゲームにもチャットを取り入れていますから。


──:他者と同期できるよろこびは、人間の根源的な欲求のような気がします。

掲示板じゃダメなんですよ。チャットはリアルタイムでつながる分、親密性が上がって、感情を共有するよろこびが大きくなる。そこにこだわりたくて。


──:それが「Aimingらしさ」と言えるのかもしれませんね。

私の理想は、誰が担当しても、Aimingらしさを備えた面白いゲームをアウトプットできることです。その実現のためには、個々がたくさんの成功体験を味わうことが欠かせません。私自身、過去を振り返ると、昔は大したクリエイターではなかったと思っているんですよ。

でも9年前に、前職で手がけたあるタイトルがヒットして、それによってリミッターが外れた。以降は、「絶対にできる」という自信を持ちながらゲームづくりに取り組めるようになったんです。これは大きな変化でしたね。不安を感じながらつくっていたら、よいモノは生まれません。

 


──:成功が次なる行動を推進させていくわけですね。

実は『ログレス』をリリースする1年前、別のMMORPGで失敗しているんですよ。スペックも低いし、通信もすぐに途切れる。レビューの星も低かったですね。でも、『ログレス』がそこでの失敗の上にあるかと言えば、そうではない気がするんです。MMORPGと言っても内容はさまざまですし、実際、失敗したタイトルと『ログレス』を比べてもタイプは異なります。失敗から学ぶことよりも、成功から学ぶことの方が断然多いですね。


──:他の仕事にも言えるような気がします。

そうなんですよ。良くないことを改善していくのも、1つの成功ですしね。うまくいかないときでも、それを工夫して、解決させることから楽しさを見い出せる。ゲームと同じですよ。ボスに負けてもいいんです。そこで何がいけなかったのかを考え、選択を見直し、再度チャレンジすればいい。そこでの成功体験が、次への一歩を加速させ、ネクストステージにつながっていく。経営も人生も、私にとっては全てゲームと同じ根っこでつながっています。


──:『ログレス』の成功の先にある、次のアクションを楽しみにしています。本日はありがとうございました。


■Aiming
 

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■『剣と魔法のログレス いにしえの女神』
 

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