【スマホゲーム批評Vol.4】Com2uSの新作『龍の騎士団』は作りこまれた正統派RPG 大ヒット作品『サマナーズウォー』にどこまで迫れるか


第4回目となる週刊スマホゲーム批評では、『サマナーズウォー』を世界ヒットに導いたCom2usの新作『龍の騎士団』を取り上げたい。第一印象は『サマナーズウォー』とは全く異なるゲームで、演出やグラフィックスの派手さもさることながら、しっかりと作りこまれたRPGと感じた。ややコアユーザー向けのゲームといえろうだろうか。

年初に掲載したインタビューで、Aimingの椎葉社長が日本の開発者は中国や韓国のゲームアプリで遊ぶべきと語ってくれたが、「なるほど」と思ったものだった。ただ、UI関係や表示でわかりづらい部分があるうえ、RPGというジャンルが激戦区であることを考えると、どこまで順位を上げるか未知数だ。売上ランキングで順位を上げるには少し時間が必要かもしれない。

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さて、本作は、壮大なファンタジーストーリーと美しいグラフィック、陣形とスキルの駆け引きによる戦略性の高いターンバトルで韓国で高い人気を集めた正統派ロールプレイングゲームだ。魔界の王「バアル」率いる悪魔の軍団による王国への侵略を阻止するため、プレイヤーたちは「竜の騎士団」の優れたヒーローを率いて戦っていく。

ゲームのプレイサイクルは、ヒーローを揃えて装備を整えたら、ダンジョンを攻略してストーリーを進めていく、というオーソドックスなハックアンドスラッシュ系となっている。そして、アリーナで他のプレイヤーとのバトルや、仲間と協力して強大なボスモンスター(レイドボス)と戦うといった、オンラインゲームならではの遊び方もできる。

プレイヤーは、「都市」を拠点として冒険に繰り出していく。『サマナーズウォー』とは異なり、箱庭を育成する要素はない。都市には様々な施設があり、ヒーローが雇える「ヒーローの殿堂」と、武器防具の製造・強化ができる「鍛冶屋」、フレンドと交流のできる「ストロングホールド」などがある。チュートリアルを終了した直後は、都市の施設のほとんどがロックされており、ダンジョンをクリアして解放していくことになる。
 

ダンジョンには、いくつかのステージが用意されており、ステージを選択すると最大4対4によるバトルに突入し、相手を全滅させたら勝利となる。逆に4人のキャラクターのHPが全て0になると敗北となり、再度、挑戦することになる。またステージ攻略後に武器・防具のほか、武器防具の製造に必要な図案・素材、お金などを手に入れることができる。
 


バトルは、いわゆるセミオートのアクティブタイムバトルとなっており、ゲージがたまると、キャラクターは通常攻撃を自動で行う。ただスキルなどは自分で選んだタイミングで発動させることができる。戦闘が面倒な場合、全てオートで行うことも可能だ。全て見ているだけでいいので非常に楽で、バトルのテンポも良く気持ちがいい。有料アイテムを利用することで、さらにスピード感のある展開が楽しめる。

ただ、強敵との戦うときには、自分で操作するほうが有利になるかもしれない。例えば、各キャラクターの持つ「スキル」は、連続で使用するとスキルコンボが発生するので、スキルを温存しておき、ここぞという時に一気に使用すればより大きな効果が発揮できる。オートモードにすると、スキルは発動できるタイミングになったら機械的に出すため、コンボが十分活用できなくなる可能性があるのだ。



■キャラクターを強化するために
(1)装備の製造・強化

ダンジョンなどで集めた素材と図案を利用して武器の製造や強化が行える。装備品の強化は、いわゆる合成ではなく、「ゴールド」を使うことになる。鍛冶屋には「ヒーロー装備ショップ」も併設されており、そこでは強力な武器が手に入る有料ガチャも用意されている。レベル別の装備となっており、ゲームを有利に進めたい場合は利用するのも手だろう。
 


(2)陣形の強化
このゲームのユニークな点のひとつだが、「陣形」という要素がある。陣形の各場所には、HPや攻撃速度、攻撃力、MPなどを引き上げる特殊効果が付与されている。適切なヒーローを配置することはもちろんだが、「ゴールド」を使って強化し、発生する特殊効果を引き上げることができる。初期に与えられる「基本陣形」以外にも複数の陣形が用意されている。
 


(3)スキル強化
各キャラクターの持つスキルのレベルを上げることもできる。スキルはバトル中で役立つものだが、「ゴールド」を使って強化できる。ただし、ゴールドを使えばいくらでも上げられるものではなく、キャラクターが一定のレベルまで成長していることが条件となる。例えば、スキルレベル3にするには「レベル8」になる必要がある、といった条件である。
 


(4)ヒーロー雇用
パーティ強化の条件はやはり優秀なヒーローを雇うことだ。「ヒーローの殿堂」で行える。雇用には、ゴールドだけでなく、名声が必要で、有能なヒーローほど高くなる。名声は、後に触れるように「アリーナ」などで他のプレイヤーとの対戦を行うことで稼ぐことができる。名声が足りない場合、有料の「名声ガチャ」を引くことで増やすことができる。
 
【レア度の高いヒーローになると必要な名声やゴールドは非常に高くなる】



■オンライン要素
(1)巨大ボス

ノーマルダンジョンをクリアすると、「巨大なボス」に遭遇することがある。非常に強いため、すぐには倒せないが、仲間と協力したり、何度も挑戦したりすることで倒すことができる。見事倒すと、レア装備が入手できる可能性があるだけでなく、宝石やゴールドが獲得できる。ドロップの妙味が大きいため、絶対に倒したいモンスターなのだが、3時間以内に倒せないと逃げ出してしまう。難しい場合、ゴールドを消費して行う爆弾攻撃や、仲間の手を借りよう。
 



(2)アリーナ
アリーナでは、他のプレイヤーの騎士団との対戦することができる。いわゆるPvPコンテンツである。他のプレイヤーのパーティと対戦して、相手を全滅させたほうが勝利となる。勝敗に応じて、ゴールドや名声、スコアが獲得できるほか、スコアによるランキングに応じた報酬も用意されている。当然、勝ったほうが良い報酬がもらえる。
 


(3)ワールドボス
毎日不定期に、全プレイヤーで撃破を目指す「ワールドボス」が登場する。「巨大ボス」よりもはるかに強いレイドボスで、たいていの場合、大したダメージも与えないうちにパーティが全滅してしまう。プレイヤーごとの与えたダメージ量に応じてランキングが決まり、報酬がプレゼントされる。通常のクエストでのバトルや、アリーナでの戦闘と異なる点として、最大9人によるパーティで挑むことだろう。
 



■課金要素

このゲームの課金要素は、個性的だ。他のRPGでも定番となっているヒーローたちに装備させる「装備ガチャ」は存在しているのだが、ヒーローを入手するためのガチャが存在しないのだ。有能なヒーローを手に入れるには、「ゴールド」と「名声」が必須である。通常のゲームプレイだけで名声が充足できない場合、有料の仮想通貨「ルビー」を使って「名声ガチャ」で手に入れることができる。「ゴールド」も不足しているときは「ルビー」と交換することが可能だ。そのほか、装備の製造に必要な素材も「ルビー」で入手できる。

最後に、装備ガチャがかなり高級に思えるのだが、気のせいか。例えば、Lv.20ヒーロー装備ガチャを1回引くのに「ルビー」が100個必要になる。そして、ルビー100個の価格は約1000円。なかなか高級な商品である。さらに最も強力なLv.60の装備のガチャだと、ルビーが300個必要になる。ルビー300個購入するのに必要な金額は約3000円。そして、10連ガチャをやったら、ルビーが3000個、つまり3万円弱のルビーが必要になる計算だ。

装備ガチャは、通常の装備に比べて非常に強力な装備がでてくるものとみられるが、せめて出てくる装備の情報がほしいところだろうか。別に消費を煽る必要はないだが、「こういう強力な武器が出てきます」といった情報があると、(人によって異なるかもしれないが)安心して引くことができるだろう。1回3000円のガチャはさすがに躊躇してしまう。なお、お得なパッケージ商品もあるので、そちらを利用してみるのもいいだろう。1日1回購入できる。
 




なお、ゲームを進めていくうえで、フレンドがいると何かと助かる。フレンドをどうやって増やしたらいいかわかりづらかったのだが、「HIVE」というコミュニティで探すこともできるし、画面下のメニューにある「フレンド」からおすすめのプレイヤーにフレンドの追加依頼を送ることもできる。フレンドが多いと、巨大ボスとのバトルで助けあったり、お互いの遺跡を探索したりするなど、ゲームをより有利に、より楽しめることは間違いないだろう。
 
(編集部 木村英彦)


■『龍の騎士団』
 

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