トーセ、第3四半期決算は海外大型案件の一時停止で営業益45%減 26年8月通期予想は据え置き パイプラインは"世代交代"へ

木村英彦 取締役 編集長
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トーセ<4728>は、2026年8月期 第3四半期決算を発表し、売上高48億2200万円(前年同期比0.8%減)、営業利益2億8000万円(同44.8%減)、経常利益3億2200万円(同35.9%減)と大幅減益となった。海外クライアント向け大型開発プロジェクトの一時停止により開発リソースに空きが発生したことが響いた。一方、第2四半期までの大型案件の順調な進捗により売上高は前年並みを維持しており、会社は通期業績予想を据え置いている。

 

■海外大型案件の停止が利益を直撃

今回の決算で最大のトピックとなったのは、海外大手ゲーム会社向け大型開発プロジェクトの一時停止だ。

同プロジェクトはクライアント側の方針変更により2月末に停止が決定。再開時期は未定で、3月以降は開発スタッフの一部に稼働の空きが生じた。これに加え、第1四半期を中心にレベニューシェア収入が前年を下回ったことも重なり、営業利益は約45.0%減少した。

ただし、第2四半期まで主要案件が順調に進行していたことから、累計売上高は48億2200万円と前年並みを維持。前年には新オフィス建設に伴う減損損失など特別損失を計上していた反動で、最終利益は2億円と前年同期の実績を61%上回った。

 

■家庭用ゲームは成長維持 スマホは縮小続く

ゲーム事業では、家庭用ゲーム機・PC向け開発が引き続き業績を支えた。

家庭用ゲーム機・PC関連の売上高は36億9200万円(同9.6%増)となり、第3四半期単体では大型案件停止の影響を受けたものの、第2四半期までの開発進捗が寄与し、累計では前年を上回る水準を維持した。

一方、スマートフォン関連は8億4200万円(同14.1%減)。同社は現在、新規スマートフォンゲームの開発を行っておらず、開発リソースを家庭用ゲーム向けへ集中している。また、長年運営してきたタイトル1本が4月にサービス終了したことも減収要因となった。

この結果、ゲーム事業全体の売上高は45億3800万円(同4.2%増)となったものの、稼働率低下とレベニューシェア減少により営業利益は2億6300万円(同41.9%減)となった。

 

■新規案件を受注 パイプラインは世代交代へ

パイプラインを見ると、現在は複数の大型案件が終盤工程を迎える一方、新規案件への切り替えが進んでいる。

会社によると、一時停止中の案件は「プロジェクトD」として管理されており、再開時期は未定。一方、第2四半期に立ち上げた「プロジェクトE」に続き、第3四半期には新たに「プロジェクトF」を受注した。両案件とも企画・立ち上げ段階にあり、本格的な収益貢献は2027年8月期以降を見込む。稼働中の案件はいずれも順調に進行しているという。

会社は現在、空いた開発リソースを埋めるため、新規案件の早期受注と立ち上げを急ぐほか、外部委託を予定していた業務を社内開発へ切り替えるなど稼働率改善を進めている。

なお、今回のプロジェクト停止について、クライアントから補償金などは受けていないことも明らかにした。今後の取引では開発工程が急きょキャンセルされた場合に一定の補償を求められる契約条件を盛り込むことを検討しているという。会社側は同様の事態が発生した際の交渉余地を広げ、自社でコントロールできない要因による業績への影響を抑えたい考えだ。

 

■AI医療や教育分野も推進 新規事業は「仕込み」の段階

その他事業では、新規事業への投資を継続している。

教育分野ではデジタル学習基盤の開発を進めるほか、AIとゲーム要素を組み合わせた医療分野向け対人業務シミュレーションツールの開発にも取り組む。また、出版社やIPホルダーなど異業種企業のゲーム参入支援や、音楽・芸能コンテンツとデジタルサービス、推し活グッズなどを組み合わせた新規ビジネスも企画している。

もっとも、現時点では市場調査や企画立案など「仕込み」の段階にあり、前年に寄与した教育関連コンテンツ開発案件の反動もあって、その他事業の売上高は2億8300万円(同44.1%減)、営業利益は1600万円(同69.5%減)となった。家庭用カラオケ配信事業も新規ユーザー減少で減収となったが、Nintendo Switch 2 の普及による利用拡大に期待を寄せている。

 

■通期予想据え置き4Qには特別利益も

2026年8月期の通期業績予想は据え置いた。

・売上高:65億1000万円(前期比1.9%減)
・営業利益:4億0500万円(同41.3%減)
・経常利益:4億1000万円(同39.5%減)
・最終利益:7億9000万円(同215.7%増)
・EPS:104.23円

 

海外案件停止による影響はあったものの、第3四半期までの進捗は概ね想定通りとしており、新規受注や社内リソース活用などの対策を進めることで挽回を図る考えだ。

また、第4四半期には長岡京トーセビル建て替えに伴う土地売却により特別利益を計上する予定。さらに2027年8月期には西大路開発センターの土地・建物売却益も見込んでおり、これらの資金は新オフィス建設費用に充当する計画としている。 

 

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株式会社トーセ
https://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長兼CEO 齋藤 茂/代表取締役社長兼COO 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高66億3600万円、営業利益6億8900万円、経常利益6億7700万円、最終利益2億5000万円(2025年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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