【インタビュー】サイバーエージェントのAmeba事業本部が採用強化中! 『ガールフレンド(仮)』を含む3作品のプロデューサー陣が求める人物像
現在サイバーエージェントのAmeba事業本部では、今後の事業拡大のため、様々な職種で採用面に力を入れている。
同社は、プラットフォーム「Ameba」を中心に、ブログのみならず様々なコミュニティサービスなどを提供している。なかでもゲーム事業では、TVアニメ化も話題を呼んだ『ガールフレンド(仮)』を筆頭としたブラウザゲームや、『ミリオンチェイン』『ウチの姫さまがいちばんカワイイ』などの骨太ネイティブゲームといった、多彩なラインナップが揃う。
今回「Social Game Info」では、同社提供の3タイトルのプロデューサー陣にインタビューを実施。業務上で心に据えているものやサイバーエージェントの魅力、そして開発現場の雰囲気、求めている人物像など、様々な視点からお話を聞いてきた。
■充実の社内制度…エンジニアからプランナー転身も
株式会社サイバーエージェント 執行役員
Ameba事業本部 『ガールフレンド(仮)』プロデューサー
横山祐果 氏(写真左)
株式会社サイバーエージェント
Ameba事業本部 『なぞってピグキッチン』プロデューサー
高岡哲也 氏(写真右)
株式会社サイバーエージェント
Ameba事業本部 『ミリオンチェイン』プロデューサー
遠藤国忠 氏(写真中央)
――:本日はよろしくお願いします。はじめにみなさんの開発現場における役割を、自己紹介も兼ねてお願いします。
横山祐果氏(以下、横山):『ガールフレンド(仮)』の総合プロデューサーを務めています。現在は同シリーズを題材とした新プロジェクトも担当しており、両方のタイトルを管轄している形になります。
高岡哲也氏(以下、高岡):私は『なぞってピグキッチン』のプロデューサーとして、企画立ち上げからパズルの構成や運用までを担当しています。そのほか売上の管理や現場の仕切り、クリエイティブの担保など幅広く見ています。
遠藤国忠氏(以下、遠藤):『ミリオンチェイン』のプロデューサー兼ディレクターです。プロデューサー就任前は、プランナーとして本作に携わっていました。
――:ブラウザ、ネイティブ、そして自社IPを用いたタイトルなど、三者三様のプロデューサー陣が並んで、個人的に豪華な絵面でもあります(笑)。それぞれ1年以上サービスを続けているタイトルですが、改めて開発経緯を教えてください。はじめに『ガールフレンド(仮)』では、いかがでしたか。
横山:「Ameba」は女性ユーザーを多く抱えるプラットフォームのため、当初お題として掲げたのは「男性向けゲームの開発」でした。その後は、とにかく男性の意見をヒアリングして、この『ガールフレンド(仮)』を企画・開発しました。また、当時はカードソーシャルゲームの全盛期でもあったため、何か新しい要素を加える必要があって、まだブラウザゲームとしては例の無かった“ボイス”をカードに搭載し、新たな価値を見出しました。ちなみに開発期間は7ヵ月ぐらいでした。
――:2014年にはアニメ化もされましたね。
横山:はい。開発当初からきちんと「IPとして成り立つように」…という思いでチーム一丸となって開発してきたこともあり、「いつかアニメもやりたいね」と目標でもありました。幸いにもユーザー数が順調に伸びて、総選挙などのキャラクター人気も高まり、あとはゲーム内の盛り上がりとユーザーさんの熱気が、アニメ化を後押ししたのではないかと思っています。
▲TVアニメ版「ガールフレンド(仮)」
――:『なぞってピグキッチン』の立ち上がりはいかがでしたか。
高岡:私の場合は、本作を一から企画しました。企画では、代表の藤田(サイバーエージェント代表取締役社長:藤田晋氏)をはじめ上層部とブレストして内容を固めたのですが、はじめはなかなか通りませんでした。
個人的に既存の自社IP「ピグ」を使ったパズルゲームとして、勝負できる価値はあると思ったのですが、やはりすでにあるコンテンツのため、藤田から「ピグ」に真新しさを感じないと指摘を受けたのです。そこでデザインを新しいクリエイティブに変更し、アバターも刷新するなど大幅な改良を加えていったほか、パズルで生産して街を発展させるという独自のゲームサイクルを手掛け、現在の形に行き着きました。
▲『なぞってピグキッチン』は、アバターコミュニティサービス「アメーバピグ」をモチーフにしたスマートフォン向けのソーシャルゲーム。ひと筆書きパズルをクリアしながら様々な素材を収穫して、お客に料理をふるまいながら、自分だけのお店(キッチン)作りを楽しめる。
――:『ミリオンチェイン』はいかがですか。
遠藤:私は『ミリオンチェイン』には、2013年9月にレベルデザインとしてジョインしたこともあり、立ち上げメンバーではありません。そもそも、じつは私自身が元々エンジニアで、以前はゲーム寄りではなく「Ameba」のコミュニティ部分のフロントエンジニアを担当していました。全く職種は異なるのですが、エンジニアからプランナーに転身した形になりますね。
――:そうだったのですね。プランナー転身はご自身で希望されたのですか。
遠藤:はい、自身の希望です。元々ゲームが大好きで、ずっと作りたいと思っていました。これまでエンジニアとしてはゲームに携わることはありませんでしたが、今後はプランナーとしてゲーム開発に携わりたいと思い、一念発起して希望を出したのです。
――:とはいえ、希望を出すにしても会社側が快く受け入れるケースも少ないかと思います。実際にプランナーに転身するまでのステップは、どのような形だったのですか。
遠藤:弊社は、経営層との距離が非常に近いこともあり、私の場合は代表の藤田や経営層の方々に対して、フェイスブック上でメッセージを飛ばし「プランナーに転身したいです」と直接訴えかけました。ただ、そこで経営層の理解を得たとしても、やはり組織の人事異動にはタイミングがあるため、なかなかすぐに転身することはありませんでした。
そこからは、弊社の制度でもある「新規事業プランコンテスト(通称:ジギョつく<事業をつくろうの略>)」で新作ゲームタイトルのアイデアを提出したり、他部門に異動できる社内異動公募制度の「キャリチャレ(キャリアチャレンジ)」に応募したりと、持てる手段の全てを実行し、ようやくタイミングが合いプランナーに転身することができました。
⇒サイバーエージェントの社内制度
『ミリオンチェイン』チームには、リリース2ヵ月前に“プランナーが足りない”ことをきっかけに、うまく私の意思と組織の需要が合致して配属されました。当時は2週間でレベルデザインを仕上げるなど、未経験ながら大変ではありましたが、これまでの自分のゲーム経験をフル活用してリリースまで走り抜けました。
▲『ミリオンチェイン』は、パズルを指でなぞって繋ぎバトルを行うパズルアクションRPG。沢山のキャラクターを育てながら最強のパーティーを組み、七巨神をはじめとする強敵を討伐していく。
――:そんな経緯があったのですね。ちなみに、各タイトルでは今後どのようなことを展開されていくのでしょうか。
横山:サービス開始から2周年を迎えた『ガールフレンド(仮)』ですが、おかげさまでユーザーさんから引き続き支持を得ています。ゲームだけに留まらず、それこそテレビアニメ化やグッズ販売など、多角的な施策を打ち出すことができているため、引き続き『ガールフレンド(仮)』のキャラクターが身近に感じられるような展開を進めてまいります。
高岡:『なぞってピグキッチン』は、パズル性の高い内容に昇華させようと思っています。現在はなぞる盤面が6×6しかありませんが、スマホの性質上やタップ領域の問題も考慮しながら、8×8など新しい遊び方で楽しめるように改良しようと進めています。また、コツコツとスコアを稼ぐタイプやお題をクリアーしていくステージ形式など、ゲームの進め方に関する変更も考えています。カジュアルなゲームではありますが、パズルゲームとしての面白さを追求した進化を狙っていきます。
遠藤:弊社のネイティブゲームアプリは、これまで「Ameba」アカウントのログインが必須でしたが、これらの認証を外して、まずは競合他社のゲームと同じスタートラインに立ちます。すでに『ウチ姫』(『ウチの姫さまがいちばんカワイイ』)は、認証を外したのですが、これにより新規流入が上がったとの報告を耳にしています。また、『ミリオンチェイン』らしさを残しつつ、マルチプレイに向けて開発・運用も舵を切っていこうかと思っています。
■「いま社内は一番盛り上がっている時期」「入社する絶好のタイミング」
――:ここからは採用面についてお聞きしていこうと思います。お三方ともAmeba事業本部の中核メンバーではありますが、そもそも、みなさんがサイバーエージェントに入社されたきっかけは何だったのでしょうか。
横山:私は2008年の新卒入社になります。元々エンターテイメントが好きで、何か世界観を作れるような仕事をしたいと思っていました。当時のサイバーエージェントに対しては、まだ広告代理店のイメージがありましたが、やはり「Ameba」というプラットフォーム上で柔軟にコンテンツが作れそうな魅力も兼ね備えていて、志望した形になります。
遠藤:私は経営者思考が強く、大学生の頃からアプリを自分で開発・運用を行っていました。サイバーエージェントに対しては、何よりも自由に物事が言える風通しの良さ、そして経営層と距離が近いことなど、自身の頑張り次第で多くのフィードバックがもらえる環境にとても魅力を感じ、入社を決意しました。
高岡:私の場合は2005年の中途入社で、以前は別の制作会社でデザイン/Flashを担当していました。どちらかと言うと当時は広告代理事業が中心で、少し今のサイバーエージェントとは異なりますね(笑)。
ただ、志望動機にもなったサイバーエージェントの面白いところが、広告代理店にも関わらず、クリエイティブを本来外注するところを自社で担当しているところでした。そうした社外問わず様々な事業・クリエイティブにも触れられることが、自身の成長にも繋がると思い志望しました。
ただ、志望動機にもなったサイバーエージェントの面白いところが、広告代理店にも関わらず、クリエイティブを本来外注するところを自社で担当しているところでした。そうした社外問わず様々な事業・クリエイティブにも触れられることが、自身の成長にも繋がると思い志望しました。
――:それでは、実際に入社されてみていかがでしたか。
横山:入社前から「若いうちに様々な経験ができる」というイメージがあったのですが、実際に責任ある仕事に携われたりと、改めて成長できる環境だと感じました。入社した頃からプロデュース職で、高岡に鍛えながらもブログから派生する色々なサービスの運営に携わり、また新たなサービスも立ち上げていきました。
遠藤:やりたいことをやれる環境ですね。先ほども話したように、私はエンジニアからプロデューサーに転身した経緯があります。ただ、いきなりプロデューサーにはならなくて良かったと思っています。エンジニアの頃の思考やマネジメント経験などがノウハウとしてあったからこそ、現状のチームを管理できているのだと思います。それで結果が出せるのであれば、こんな幸せな職場環境はないですね。
高岡:クリエイターに対して自由である職場です。裁量も大切にしているほか、遠藤のように自身が「やりたい」という意思を尊重し、反映させてくれる職場環境が出来ていると思っています。ここは、サイバーエージェントならではの強みだと思っています。
――:なるほど。各チームの開発体制はどのような状況ですか。
横山:『ガールフレンド(仮)』に関わるスタッフは、70人ほどになります。職種の比率としてはイラストレーターが多く、だいたい20~30人ぐらいですね。各職種でまとまりがあり、それぞれ戦略を考えながら動いています。
高岡:『なぞってピグキッチン』は約13名で開発しています。なかでも優秀な人が多く集まっていることもあり、本作のようなトリッキーなゲーム内容でもブラウザで表現できていますし、何より色々な技術を活用できるため、開発者としても楽しい環境になっていると思います。まだまだブラウザでも面白いことができるため、今後はデザイナーとフロントエンジニアを増員し、より多角的な機能を開発していけるようにしていきたいです。
遠藤:『ミリオンチェイン』はエンジニアが15人ほどで、デザイナーに関しては『天空のクリスタリア』や『天下統一クロニクル』と同じデザインチームが兼任している形です。そのなかで実質『ミリオンチェイン』に携わっているデザイナーが4人になります。まだまだ全体的に戦力不足を感じているため、2015年はユーザー数増加や新機能追加に備えて、人員の増加を視野に入れています。
――:社内制度や福利厚生などはいかがですか。
遠藤:エンジニアの頃は、「サポート10制度(通称:サポテン)」を利用していました。これは一年間10万円を自由に自己投資しても良いという制度です。たとえば私の場合は、マシンの速度が遅いからSSDに変えるなど、業務上で最大限のパフォーマンスを発揮できる環境作りのために色々使いました。
また、デザイナーやエンジニア問わず、勉強会が頻繁に開かれているほか、エンジニアのスキルを競い合うコンテストや、サイバーエージェントの「あした(未来)」に繋がる新規事業案をトーナメント方式で競う「あした会議」も社内では注目されています。
最近では、「あした会議」のエンジニア版が開催されて、エンジニアが主体となり組織を作っていけるという土台ができました。いちエンジニアが「評価制度はこうしたほうがいい」といった、経営陣に対して物事が言える場を設けてくれるのは弊社ならではの魅力です。
――:御社は充実した福利厚生もそうですが、女性が働き続けられるような職場環境の向上にも努められているのではないでしょうか。
横山:はい。弊社では、女性の管理職比率が現状22.8%のところを、2年後には30%以上に増加させることを社内で掲げています。長く働き続けたい、そして管理職を目指したいと考える女性社員が増えているのです。
こうした改革を取り組んでいくためにも、今後きちんと男性社員に共有・浸透させていくほか、様々な施策を打ち出していく必要があると思っています。引き続き、サイバーエージェントが女性にとっても働きやすい環境になるよう努めていきます。
――:分かりました。そして現在御社では、新しい人員を募集しているとのことですが、Ameba事業本部ではどのような人物像を求めているのでしょうか。
高岡:チームである以上、やはり主体的に動ける方と一緒に働きたいです。たとえエンジニアやデザイナーでも、タイトルを良くするために積極的に発信することが大事ということです。また、それに伴う柔軟な発想力も必要となると思います。
というのも昔、プラットフォーム「Ameba」のペタ(足跡機能)に対して「どのような足跡を残そうか」と考えていたとき、横山が「日本昔話の龍みたいなものを残したい」と突拍子もないことを言いだしたことがあります(笑)。
もう当時は内心「何言っているんだ」って感じでしたが、足跡機能にクリエイティブ要素を加えるのは発想として非常に面白いものでした。難しいとは思いますが、そうした既存の観念に囚われない発想力を持つ人も弊社では求められるかと思います。
横山:いま高岡が言ったように、奇想天外なことを思いつくことは大切ですね。ただ、企画側が提案したアイデアを超えるようなものを、現場のエンジニアやデザイナーが出してくれることもあるため、職種問わずアイデアを持っていくことが必要です。何より新しいアイデアを思いつく、または手掛けられる力ある人は、一緒に働いていて楽しいですし、結果的に良いものが出来上がります。
遠藤:企画職に関しては、いかにユーザーさんとシンクロして事業を運用できるかを求められます。対してエンジニアでは、何かひとつでも熱中できるものがあるかどうかを大切にしています。これはアニメやゲーム、アイドルなど何でも構いません。ひとつでも熱中できるものがある人は、やはり意欲的でありモチベーション高く業務に臨んでくれます。
本当にやる気次第では動きやすく、また提案しやすい環境にあるため、自分のアイデアを埋めておくのは勿体ないです。いま居る会社の事情で新規タイトルが開発できなかったり、上層部に企画が理解されなかったりする人は、ぜひ弊社で実現して欲しいと思います。
遠藤:今後弊社では、これまで以上にネイティブアプリ開発に力を入れていきます。「Ameba」で培った運用能力のほか、他社と比べてこと足りない技術なども逐次追いつきながら、ナンバー1を目指すために現在は開発を進めています。そういう意味では、いま社内は一番盛り上がっている時期でもあります。入社する絶好のタイミングでもあるため、自身で実現したい企画などがあれば、ぜひサイバーエージェントで叶えてください。
横山:とにかく現場は大変ですが、それ以上にやり甲斐があります。繰り返しになりますが、弊社には自身がやりたいと思えることを、声を出して伝えられる場がたくさんあります。新機軸なアイデアを持っている方はご応募ください。時期としても、今が良いと思っています。
――:ありがとうございました。
(取材・文:編集部 原孝則)
■サイバーエージェント
© CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.
© CyberAgent, Inc. /ガールフレンド(仮)製作委員会
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高8029億9600万円、営業利益418億4300万円、経常利益414億7500万円、最終利益162億4600万円(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751