【連載企画:f4samuraiマガジン⑬】自分の意志を持ち、期待を超える。新卒プランナーの成長…新卒×先輩対談

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「世界に、“一番のワクワク”を届ける」をミッションとし、スマートフォン向けゲームの企画・開発・運営を行っているゲーム会社、f4samurai。

秋葉原に拠点を構える同社は、世界観の構築に強みを持ち、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』(『オルサガ』)をはじめ、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(『マギレコ』)、『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』などを手掛け、いずれもヒット作として覚えている人も多いだろう。

そんなf4samuraiのゲーム開発はどのようにして行われているか。今回、gamebizでは、そんなf4samuraiの開発環境を、同社マスコットであるエフフォーくんと探る「f4samuraiマガジン」を特集掲載していく。同社がヒット作を輩出するその秘密について探ってみた。






皆さん、こんにちは! f4samurai・エフフォーくんです。

今回は、昨年(2024年)に新卒でf4samuraiに入社し、プランナーとして活躍中のKajiさんと、Kajiさんの育成担当として入社からの1年間をサポートした先輩新卒社員のTakadaさん(2022年新卒入社)の対談をお送りします。

f4samuraiのプランナーとして意識していることや、新卒社員同士ならではの苦労と成長について語り合ってもらいました。

新卒プランナー 1年目のあゆみ

(左よりTakada・Kaji)

ーー:お二人の自己紹介をお願いします。

Takada
2022年新卒入社のTakadaです。入社時から現在まで、設計プランナーを務めています。業務内容としては、ゲーム内のイベント設計や新機能・機能改善の仕様作成をメインに、進行管理や実機でのデバッグなども行っています。

Kaji
2024年新卒入社のKajiです。Takadaさんと同じく設計プランナーとして働いていて、現在はゲーム内イベントのバランス設計やマスターデータ入力、実機確認などの業務を担当しています。

ーー:Kajiさんは約1年前(2024年4月)に入社されましたが、f4samuraiを受けたきっかけは何でしたか?

Kaji
在籍していた大学を対象に行われた会社説明会に参加したことがきっかけです。一般的に会社説明会というと、事業内容や業務の紹介がメインだと思うのですが、f4samuraiは役員と新卒社員が登壇して、対談形式で会社の紹介をしてくれたんです。

内容も、会社や業務の説明より「なぜf4samuraiに入ったのか」といった個人の話に焦点を当てていて、働いている人や会社の雰囲気を知ることができました。実際の面接も、過去の経験や決断に至った経緯など、会社が“人となり”をきちんと見てくれていることに魅力を感じて入社を決めました。

ーー:1年間、実際に働いてみての感想はいかがですか?

Kaji
想像していた以上に多くの業務に携わらせてもらったなと思います。新卒1年目というと、ゲームのデバッグ作業などをひたすら行い、数年かけて技術を身に付けていくのだろうと思っていました。しかし実際には、Takadaさんたち先輩のサポートの元、企画段階から関わらせてもらい提案を行うなど、深く業務に触れる機会をいただきました。

もちろん、全て初めての経験だったので、段階を踏みながら課題をクリアし、できることを徐々に増やしていった1年でした。

ーー:その中で特に大変だったことはありますか?

Kaji
「自分の意見をきちんと持つ」という姿勢を身に付けることに苦労しました。

プランナーの主な仕事は、ゲーム内の仕様や細かい要素を決定し、それをエンジニアやデザイナーといった他職種のメンバーに説明、お願いをすることだと考えています。そのため、要素をしっかりと把握していることはもちろん、「こうしたい」という自分なりの意見やイメージも明確に持っていることが大事になってきます。

初めの頃は自分の意見をはっきりと持つことも、さらにそれを言語化して誰かに伝えることも難しく、学生時代との大きな違いだと感じました。「なんとなく」というのが許されないと言いますか……。

Takada
役員からも、「プランナーの仕事は決めることだ」というのはよく言われるよね。

Kaji
Takadaさんにもそう教えていただきましたよね。実際にプランナーという仕事をしてみて、「まさにそうだな」という実感もあります。

普段の業務の中で、Takadaさんがこまめに「この意図は?」「Kajiくんの意見は?」と聞いてくださったおかげで、自分なりの意見を考える癖が付きましたし、明確な意図を持てるようになっていきました。

とはいえ、レベルが0から1になったくらいだと思うので、今後、10、100とさらにレベルを上げていきたいと思っています。

「任されたタスクをやり切る」
インストラクターとして伝えたかったこと

ーー:Takadaさんも3年前に新卒入社しましたが、志望と入社の理由は何でしたか?

Takada
私は大学院時代、人間の特性を考慮した人間工学に基づいたデザイン設計を学んでいました。

就職を考えた時に、これまで学んできたデザインだけでなく、表に出ないパラメータ等のデータ設計で人の行動を変えたり、感情を動かしたりできるのが面白いなと思い、ゲームプランナーを志望するようになりました。

その中でf4samuraiは、IPの世界観を重視したゲーム設計に強みがあるイメージだったので、どのように設計・制作しているのかに強く興味を惹かれ、入社を決めました。

ーー:今回、Kajiさんのインストラクターを担当することになった経緯を教えてください。

Takada
私も新卒1年目のときに同じチームのリーダーにインストラクターを担当いただいたので、今度は自分が教える側になる番だと思い、引き受けました。自分が教えていただく立場だったことで、お互いの時間の取り方や相談の仕方などを「もっとこうしてみよう」と思える部分もあり、インストラクターができることを楽しみにしていました。

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【新卒×先輩対談】並走した1年を経て思う「ゲームプランナーのあり方・育て方」


ーー:教わる側だった3年前との違いは何かありましたか?

Takada
最初の3か月はタスク内容について悩みました。私がKajiくんにタスクを渡し、遂行してもらうのが基本の形だったので、当然Kajiくんはそのタスクをこなしてくれていました。

ですが、私が1年目のときは、インストラクター制度が今と異なった形式で、いろいろな立場の人から仕事をもらっていたので、「自分が渡したタスクだけをKajiくんはやればいいのか?」といった悩みや、マンツーマンだからこその責任の重さは強く感じていました。

ーー:実際にインストラクターをしてみて、難しかったことや気を付けていたことはありますか?

Takada
チーム運用をしていく上で、設計ルールが少しずつ変わったり、これまでやってきた人たちだからわかる暗黙知のようなものがあったりします。それを1つずつKajiくんに伝えることが難しかったです。

「既存メンバーはわかっていて、新人だけがわからない」という状況が生まれやすくなるので、ミーティングなどでその部分についてKajiくんが指摘を受けることをできる限り避けてあげたいと考えていました。

ただ、私も既存メンバーとして無意識のうちに理解してしまっていることも多く、そこはKajiくんと密にコミュニケーションを取って、できる限り解消するように努めました。

あとは、ゴールのすり合わせは常に意識していました。せっかくがんばっても、努力の方向性が間違っていたら正当な評価は得られません。何が目的で、どこを目指すべきなのか。期待値を一緒に合わせることはよくしていましたね。

Kaji
つい目の前の業務に必死になりすぎて、ゴールを考えずに行けるところまで進めてしまうことがあったのですが、それだと手戻りが起きやすくなり、自分はもちろん、周りの方の手間も増やしてしまって……。

そのときにTakadaさんから、まずは大枠を見極めて合意を取ること、その上でステップを踏んで確認を取ることで手戻りを最小限にすることを教えていただきました。期待値を周りと合わせることで、以前よりもスムーズに業務を進められるようになったと思います。

ーー:その他に、Takadaさんから教えてもらった印象的だったことはありますか?

Kaji
「任されたタスクをやり切ること」を時間をかけて教えていただいたと思っています。配属直後、インストラクターと新卒社員の間で1年間の目標を決めるのですが、僕の目標が「この仕事をKajiくんに任せてよかった」と言ってもらえるくらいの仕事をするというものでした。

最初はちょっとハードルが高いなと感じていたのですが、Takadaさんからアドバイスを受けて業務をしていくうちに、それはつまり「手や気を抜かず、自分ができるところまでやり切る」ということだと考えるようになり、自分なりに行けるところまで行こうという気持ちでタスクに向き合っていました。

Takada
やはり、任されたことを、最後までやり切るというのは仕事をする上で一番大切だと思っていて、そういった責任感のようなものは早い段階から意識してほしかったので強く伝えるようにしていました。

やり切るためには、本人がただがんばるだけでなく、人からの力の借り方や依頼の仕方を知っていること、そしてそれを実行できる力が必要になります。

f4samuraiはプランナーだけでなく、他職種のメンバーも「良いものを世に出したい」という気持ちをみんな持っていますし、誰かが困っていたら助け合おうという互助精神のある会社です。そんな環境だからこそ、一人でがんばるだけではなく、みんなの力を借りてタスクをやり切る力を身に付けてほしいなと思っていました。

でも、Kajiくんはどちらかというと、指導を通じてというよりも、最初から心意気がよかったんですよ。

受け持ったタスクを最後までやり遂げる心意気。多少仕事の進め方が効率的でなかったとしても、「受け持ったタスクをいい形で世に出そう」という気持ちが伝わってきていました

Kajiくんは、1年通して仕事をやり切ることができるようなったというよりも、私の中で改めて「そういうことができる人だ」という再認識ができたと感じています。

Kaji
改めて言われると、恥ずかしいですがとてもうれしいです……! Takadaさんにそう思っていただけていることが、目標である「任せてよかったと思ってもらう」という部分に繋がってくると思うので、とても励みになります。

Takada
はい、ぜひそこはKajiくん自身の誇りに思ってもらえたら!




Kaji
今振り返ってみても、仕事の進め方を手厚く教えていただいたなと本当に感謝しています。単なる仕事のやり方ではなく、フレームワーク的に導線を作ってくださったおかげで、自分で考えて動きつつ、でも迷わず進むことができました。

細かい疑問点ももちろんあったのですが、都度相談にのってくださったので、詰まることなく仕事を進めることができました。僕が質問する度にTakadaさんの手を止めてしまったのは申し訳なかったですが……。

Takada
いやいや。インストラクターを引き受けた以上は、Kajiくんの質問を受けるのも仕事の一部なので全然気にしないでください。ただ、相手の時間を必要以上に使わせないという意識は今後もぜひ大切にしてほしいです。「わからないからすぐに聞く」では、相手の時間を必要以上に取ってしまうことになります。

誰かに聞く前に調べたり、過去のデータを参照したりなど自分で解決できることもあるかもしれません。それは相手が私だからではなく、誰に対しても忘れないでいてほしいです。

ーー:素晴らしい先輩ですね。

Takada
私も新卒時代にそう先輩に教わってきたので、Kajiくんにも伝えるようにしているだけなんです。他にも、新しい仕事を取りに行く姿勢を持つということも自身が教わり、Kajiくんにも受け継いで教えていることの一つです。

一度完遂した仕事は実績があるので、自分も引き受けやすいし、振る方も頼みやすいです。ただ、これから2年目、3年目とどんどん面倒を見てくれる人が減っていく中で、新しい経験をさせてくれる人や機会も自ずと減っていきます。そのときに、ただ与えられるのを待つだけではなく、自分で手を上げ、やりたいことにチャレンジしていける人であってほしいなと思っています。

これは、Kajiくんに伝えつつも、自分自身も大切にしている気持ちの一つですね。

Kaji
1年目から今後のことを考えてくださっていたんですね……! 今は業務の大半が初挑戦ではありますが、チーム内で浮いたタスクで、チャレンジできそうなものは経験の有無に限らずできるだけ「やってみたいです」というようにしています。今後もその姿勢は大切にしていこうと思います!

新卒から見た“f4samuraiの新卒”とは?
お互いの尊敬しているところ

ーー:代は違いますが、f4samuraiに新卒入社したお二人から見て、“f4samuraiの新卒”はどんな人が多い印象ですか?

Kaji
好きなものや熱中しているものなど、その人なりの領域を持っている人が多いと思います。面接でも、人となりやこれまでやってきたこと、それをどんな気持ちでしてきたのかなどを重点的に聞かれたので、最終的に入社する人は何かしら尖った個性を持っている人が多いのかもしれません。

あと、抽象的にはなってしまうのですが、「いい人」が本当に多いと思います。

Takada
いい人は確かに多いよね。でも、それは新卒に限らずf4samuraiのメンバー全員に言える共通項かも。

最初、新卒としてプロジェクトにジョインしたときも、当然先輩社員はみんな忙しいのですが、だからといって放っておかれるということはなくて、成長の導線のようなものを引いてもらった上で、徐々に責任を増やしていってもらっていったというイメージがあります。

今回のインストラクターもその一つだと思いますし、自分も先輩方にそうしてもらったようにKajiくんにきちんと教えてあげなきゃという気持ちで取り組んでいました。

Kaji
ありがとうございます! 新卒=いい人が多いと自分で言いましたが、そこに自分も含まれるので、自分で自分のこといい人って言っている感じになってしまいました……(笑)。

Takada
全然間違ったことは言っていないと思いますよ!

Kajiくんは入社の段階で、真面目で素直で、一緒に働く上での“柔らかさ”のようなものを持っている方だと感じていました。だからこそ、パシッと決めなければいけないところで、優しい言い方を考えて、逆に曖昧な伝え方になってしまうこともあったのだと思います。

ですが、気付いたときに私が伝えると、元々の真面目さでどんどん吸収して、最近はコミュニケーションがさらに円滑に取れるようになっていると思います。

ーー:逆にKajiさんから見てTakadaさんの尊敬するところはどんなところですか?

Kaji
何かを考えるときの思考の深さと、それ故の準備力がいつもすごいなと思っています。

例えば、新規施策の提案をするときに「過去の施策はどうなっていた?」といった質問をされることが多いのですが、、Takadaさんはあらかじめ疑問や質問を想定してきちんと準備されているんです。過去の経緯などの調査をふまえて企画意図等を説明されているのを見ると、いつもすごいなと思いますし、自分もそうなれるように努力していきたいと思っています。

学生のみなさんのへメッセージと今後の目標

ーー:これからf4samuraiへの入社を考えている学生のみなさんへメッセージをお願いします。

Takada
会社に入った後の努力の方向性は様々あると思うのですが、f4samuraiは何かしらの形で見て、評価に反映してくれる環境だと思うので、少しでも興味があればぜひ話を聞きに来てもらえるとうれしいです!

プランナーに限って言うと、自分なりの意見を持ち、それを周りに伝えて納得してもらい、チームで一緒に仕事を進めていくことになるので、学生時代から何事にも自分なりの意見や、その根拠などを考えるようにしておくと、会社に入ってから力が発揮できるのではと思います。

Kaji
f4samuraiは新卒社員へのフォローや制度が手厚い会社です。僕は、ゲーム制作未経験での入社だったのですが、入社後に多くのことを教えてもらいました。

また、「新卒にこんなに任せてもらえるの?」というくらい、1年目からチャレンジや責任ある仕事をさせてもらえる環境でもあります。施策に対して責任を持って、自分の意図を反映していきたいという人にはすごく合うと思います!

ーー:最後に、お2人の今後の目標を教えてください。

Takada
1つは、細かいバトル設計など、これまで自分がやったことのない領域の業務にチャレンジすることです。バトル設計はかなりシステムに精通していないとこなせない業務なので、そこまでできるようになりたいという想いがあります。

あとは、今よりももっと企画の前段階から介入して、チーム運用全体の改善や、よりよいゲーム体験の提供にチャレンジしたいですね。

Kaji
この1年は基本的なプランナーの仕事の型を抑えていく年だったなと思います。入社時に社長からいただいた「3年でプロになれ」という言葉の通り、2年目以降は一人前のプランナーとして自立できるよう努力していきたいです。

基本的なことができるようになった上で、自分の得意分野や強みを持っていることが重要だと思うので、今後はそれを見つけ、力を伸ばしていけるようにがんばります!

ーー:ありがとうございました!



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