バタフライ元社長で、株式会社ワンダーリーグの創業者の北村勝利氏が国内初のモバイルeスポーツのアイデアを引っさげてモバイルゲーム業界に舞い戻ってきた。オフィスキャスター、アイフリーク、バタフライを成功に導いた北村氏だが、準備中の「ワンダーリーグ」とはどういうサービスなのか。今回、北村氏にインタビューを行い、サービスの特徴や事業展開の構想について話を聞いた。
■なぜ「モバイルeスポーツ」なのか
―――:3年ぶりのモバイルゲーム業界に復帰となったわけですが、メインストリームのミッドコアのモバイルゲームに参入するのかと思っていました。
いまのモバイルゲーム業界では、資本のないスタートアップが勝負するのはほぼ難しい状態です。ゲーム業界への復帰にあたって、主流となっているモバイルゲームは、開発費が1億円以上かかるのが当たり前になっていますから、外れた時のリスクを考えると、怖くてとてもできません。
他に誰もやっていない、完全に独自なポジションで、ベンチャーであるがゆえにリスクテイクできるような取り組みであれば、いまのメインストリームのゲーム会社と直接の競争を避けられるのではないかと考えていました。
これは私のゲームアプリマーケットのポジション分析でして、縦軸が開発費の大小、横軸がマネタイズモデルです。メインストリームは、フリーミアムでかつ開発規模が大きくて、イベントがあるところです。また最近ではイベントがなくても『キャンディークラッシュ』やLINEゲームのようなモデルも存在感を高めています。いずれにしても開発にはお金がかかる世界です。
我々は十分な資金がありませんので、カジュアルゲームで勝負するしかありません。しかし、この市場は消耗戦で一発勝負のようなところがあります。カジュアルゲームを提供しますが、どこにもない、独自のイベントを組み合わせることで全く新しい市場が作れるのではないかと考えました。そこで考えたのが「ワンダーリーグ」でした。
―――:かつて「モバ7」の仕組みを考えたのも北村さんとお聞きしましたが、今回も独自にお考えになったのですか?
ええ。今回のアイデアも、「プラットフォームオンプラットフォーム」という考え方です。まず、AppleやGoogleなどのOSが一番下にあって、その上にSNS、その上に「ワンダーリーグ」が展開されます。今回使うSNSはFacebookです。当社の展開するプラットフォーム上で複数のカジュアルゲームを展開します。賞金イベントプラットフォームのようなイメージとお考えください。
じつは「モバ7」も同じ考え方です。「モバ7」の時に6年前に考えたアイデアでしたが、携帯電話キャリアのうえに、SNSとしての「Mobage」があり、そのうえで「モバ7」を展開するというものです。
―――:はじめに北村さんからご連絡をいただいたとき、正直、ぴんときませんでした。
だと思います(笑)。これからゲームアプリのビジネスをやる時、どこで勝負するかを考える必要があります。主流となっているゲームアプリ領域に参入しても、ほとんど勝ち目がありません。多額のお金を集めなくてはなりません。1本2億円をかけてつくることは可能ですが、ヒットしなかったらそこで終わりです。自ずとカジュアルゲーム領域で戦うしかないわけです。非常に競争の厳しい領域ですが、そこで専門特化したプラットフォームを作ると、競争相手はぐっと減ります。
■eスポーツの主流は『Dota』や『League of Legends』、『Warcraft』
―――:最近、「eスポーツ」をやりたいというお話を聞きますが、具体的な動きは限られていますね。
eスポーツは、非常に難しい領域です。この1年、eスポーツを研究してきましたが、世界でeスポーツというと、『Dota』や『League of Legends』、『Warcraft』といったハードコアなオンラインゲームが主流です。10年以上の歴史があり、世界中に数千万人というファンがいます。大人気のゲームと熱狂的なファンが支えるコミュニティがあってはじめて成立します。
eスポーツをみたとき、学べる点がすごくありました。非常に面白いのは、ゲームパブリッシャーでもないのに、イベンターが『League of Legends』を使って有料イベントを開催し、大きな会場が埋まる様な状況があるんですね。
ゲームを作る人は、作る人で頑張っているわけですが、そのゲームを使って新しい楽しみ方を提供する人たちがいるというのはとても新鮮です。新しい文化かもしれないと感じています。
『Dota2』のイベントでは賞金総額約11億円のイベントとなっていますが仕組みが面白いんですね。これ自体は『Dota』のパブリッシャーが自社で運営したイベントですが、メーカーが初めに用意した賞金は約1.6億円でした。そして、メモリアルアイテムを売るのですが、売り上げの30%を賞金に上乗せされるんですね。その結果、11億円まで増えました。一種のクラウドファンディングです。ネクソンさんもオンラインゲームで同じような方式を採用していますね。
eスポーツは、そもそもなぜ「スポーツ」なのかという疑問があるでしょう。将棋や囲碁、チェスといったボードゲームは身体能力や年齢といったハンディキャップがある人でも楽しめる「競技=マインドスポーツ」という形で言われていて、それがエレクトロニックになったのでeスポーツと言われています。
したがって、eスポーツでは、勝敗に関連した部分にマネタイズしてはいけない、という不文律があります。でないとお金のある人が常に勝ってしまい、公平・公正なスポーツにはなりえませんから。こういったゲームではアバターなどがマネタイズポイントとなりますが、お金を使わなくても競争に参加できます。そこでスポーツという定義が守られるのです。
■「ワンダーリーグ」とは
―――:「ワンダーリーグ」のサービスを教えてください。
モバイルゲームに特化した「賞金付きゲーム競技リーグ」というコンセプトで立ち上げます。「ワンダーリーグ」では、「プライズリーグ」と「トーナメントリーグ」の2種類を行います。「プライズリーグ」は、当社が開発するカジュアルゲームで独自の大会を行います。一般の人がわかりやすく手軽に取り組める仕組みです。例えば、デイリーのイベントでタイムアタックのゲームで1位になったら5000円もらえる、という賞金イベント付きゲームアプリとなります。
また、トーナメントリーグは、まさにeスポーツのモバイルゲーム版です。対戦ゲームでトーナメントを勝ち抜いて賞金ゲットを目指す大会です。こちらは、大手のゲーム会社様とのアライアンスで提供する予定です。例えば、知名度のある対戦ゲームで賞金つきトーナメントイベントをワンダーリーグが行うという仕組みです。実は、第三者がイベント運営を行うことで景品表示法をクリアして高額な賞金を提供することが可能になるんですね。
―――:プライズゲームは例えば、スコアを競い合って1位になったら、という感じですか。毎日賞金が出るというのも面白い仕組みですね。
はい。スコアなどを競うスキルゲームがベースとなります。タイムアタックでランキングを競いトップスコアの人が賞金をもらえます。もちろん、景品表示法の範囲内でやりますので5000円という少額の賞金ですが毎日行うことで新しい感動を提供します。ゲームでお金がもらえるなんてモバイルゲームでは珍しいので、喜ばれると思います。
色々なアンケートを見ると、企業が提供する懸賞イベントを信用していない人が少なくありません。当社のサービスは、Facebookに連動しますので、嘘はつけません。1位になった人が賞金をもらえる大会を続けることで、本当に賞金がもらえた!という感動が広がっていくことを目指しています。
―――:賞金の元手は広告収益がメインになるのでしょうか?
以前より、ブースト広告などに費用を割くのは無駄だなぁ、と感じていまして、その広告費をユーザーに還元する意味で当初は弊社が広告費のかわりに賞金を出していきます。そして実際の賞金獲得した方々の口コミが広がっていくことを狙っています。これができればゲーム広告の新しいエコシステムができるのではないかと思っています。
―――:ゲームはどのくらい用意されているのですか?
リリース時点では脳トレのようなミニゲーム15個用意しており、毎日3セットのゲームにチャレンジしていただきます。今後、月に1本ずつ追加していく予定です。カジュアルゲームはライトなので多く作れますが、一度に10本出したとすると、お客様からするとアイコンが一杯になって迷惑になります。ですから、1つのゲームアプリに集約し、日時が来ると遊べるアプリを自動的に切り替わるようになります。例えば、月曜日はパズル、火曜日はランゲーム、水曜日は脳トレといった形で自動的にアップデートされます。お客様は何もしなくても自動的に切り替わったアプリを遊ぶだけです。
―――:テスト段階での反応は。
非常にいいです。「本当にもらえるの?」と喜んでもらえますね。難しい、勝てないといった声もありました。ちょっと問題なのが上手な人とそうでない人の差が開きすぎて、「勝てない」と思われてしまうことですね。難易度を低くして、例えば、0コンマ何秒の世界にひしめき合って、ちょっとしたことで順位が入れ替わる状態の方が盛り上がるかもしれませんね。
あと、テスト配信をしてみて、男性よりも女性の方が利用意向が強いことに気づきました。優勝者は女性が多いですね。懸賞アプリや懸賞サービスがありましたが、あれは女性が多いマーケットなんです。5000円をまめに稼ごうとする方が多いですね。逆に男性はすぐにあきらめちゃうみたいです。
お金がかかると緊張感がありますよね。そこを安全に合法的にやる仕組みを考えました。ゲームの技術を競って高い技術を持つ人が賞金をもらえるという仕組みは健康的ですし、誰が見ても裏がありません。ゲームの技術を競い合う「スキルゲーム」という定義も普及させていきたいですね。
■GW明けからサービス開始予定 2020年にはW杯も開催したい
―――:いつ頃からサービスを開始するんでしょうか?
ゴールデンウィーク明けからβ版を提供しようと考えています。まずはプライズリーグから取り組みを開始し、賞金付きスキルゲームを配信します。そのあとにトーナメントリーグに取り組みます。
欧米で人気のeスポーツは、前出のようなゲームだけでなく、格闘ゲームも定番です。偶然性が少なくて、結果が明確なものであれば競技になります。格闘ゲームだけでなく、FPSなども可能です。そういった有力ゲームを使わせてもらい、モバイルeスポーツを育てたいと考えています。
―――:将来的には大きな大会や海外展開も考えているのでしょうか?
2020年東京オリンピックの時にワールドカップを開催することを目標としています。日本のスマホゲームの主流は、RPGや作りこんだタイトルが中心です。日本以外ではカジュアルゲームやスキルゲームが主流なので、当社のようなサービスは海外で勝負しやすいと考えています。日本の法律は厳しいので、日本で出来れば世界中どこでもやれるでしょう。
Facebook上でサービスを展開するのも、グローバル展開を意識していることが大きな理由となります。Facebookは世界的にも利用されており、グローバル展開が容易になりますからね。また、先ほど申し上げたように、あまり国内にはこだわらないようにしています。スマホの魅力は、国境を楽に超えられる点にありますから、ぜひチャレンジしたいですね。
■関連サイト
■なぜ「モバイルeスポーツ」なのか
―――:3年ぶりのモバイルゲーム業界に復帰となったわけですが、メインストリームのミッドコアのモバイルゲームに参入するのかと思っていました。
いまのモバイルゲーム業界では、資本のないスタートアップが勝負するのはほぼ難しい状態です。ゲーム業界への復帰にあたって、主流となっているモバイルゲームは、開発費が1億円以上かかるのが当たり前になっていますから、外れた時のリスクを考えると、怖くてとてもできません。
他に誰もやっていない、完全に独自なポジションで、ベンチャーであるがゆえにリスクテイクできるような取り組みであれば、いまのメインストリームのゲーム会社と直接の競争を避けられるのではないかと考えていました。
これは私のゲームアプリマーケットのポジション分析でして、縦軸が開発費の大小、横軸がマネタイズモデルです。メインストリームは、フリーミアムでかつ開発規模が大きくて、イベントがあるところです。また最近ではイベントがなくても『キャンディークラッシュ』やLINEゲームのようなモデルも存在感を高めています。いずれにしても開発にはお金がかかる世界です。
我々は十分な資金がありませんので、カジュアルゲームで勝負するしかありません。しかし、この市場は消耗戦で一発勝負のようなところがあります。カジュアルゲームを提供しますが、どこにもない、独自のイベントを組み合わせることで全く新しい市場が作れるのではないかと考えました。そこで考えたのが「ワンダーリーグ」でした。
―――:かつて「モバ7」の仕組みを考えたのも北村さんとお聞きしましたが、今回も独自にお考えになったのですか?
ええ。今回のアイデアも、「プラットフォームオンプラットフォーム」という考え方です。まず、AppleやGoogleなどのOSが一番下にあって、その上にSNS、その上に「ワンダーリーグ」が展開されます。今回使うSNSはFacebookです。当社の展開するプラットフォーム上で複数のカジュアルゲームを展開します。賞金イベントプラットフォームのようなイメージとお考えください。
じつは「モバ7」も同じ考え方です。「モバ7」の時に6年前に考えたアイデアでしたが、携帯電話キャリアのうえに、SNSとしての「Mobage」があり、そのうえで「モバ7」を展開するというものです。
―――:はじめに北村さんからご連絡をいただいたとき、正直、ぴんときませんでした。
だと思います(笑)。これからゲームアプリのビジネスをやる時、どこで勝負するかを考える必要があります。主流となっているゲームアプリ領域に参入しても、ほとんど勝ち目がありません。多額のお金を集めなくてはなりません。1本2億円をかけてつくることは可能ですが、ヒットしなかったらそこで終わりです。自ずとカジュアルゲーム領域で戦うしかないわけです。非常に競争の厳しい領域ですが、そこで専門特化したプラットフォームを作ると、競争相手はぐっと減ります。
■eスポーツの主流は『Dota』や『League of Legends』、『Warcraft』
―――:最近、「eスポーツ」をやりたいというお話を聞きますが、具体的な動きは限られていますね。
eスポーツは、非常に難しい領域です。この1年、eスポーツを研究してきましたが、世界でeスポーツというと、『Dota』や『League of Legends』、『Warcraft』といったハードコアなオンラインゲームが主流です。10年以上の歴史があり、世界中に数千万人というファンがいます。大人気のゲームと熱狂的なファンが支えるコミュニティがあってはじめて成立します。
eスポーツをみたとき、学べる点がすごくありました。非常に面白いのは、ゲームパブリッシャーでもないのに、イベンターが『League of Legends』を使って有料イベントを開催し、大きな会場が埋まる様な状況があるんですね。
ゲームを作る人は、作る人で頑張っているわけですが、そのゲームを使って新しい楽しみ方を提供する人たちがいるというのはとても新鮮です。新しい文化かもしれないと感じています。
『Dota2』のイベントでは賞金総額約11億円のイベントとなっていますが仕組みが面白いんですね。これ自体は『Dota』のパブリッシャーが自社で運営したイベントですが、メーカーが初めに用意した賞金は約1.6億円でした。そして、メモリアルアイテムを売るのですが、売り上げの30%を賞金に上乗せされるんですね。その結果、11億円まで増えました。一種のクラウドファンディングです。ネクソンさんもオンラインゲームで同じような方式を採用していますね。
eスポーツは、そもそもなぜ「スポーツ」なのかという疑問があるでしょう。将棋や囲碁、チェスといったボードゲームは身体能力や年齢といったハンディキャップがある人でも楽しめる「競技=マインドスポーツ」という形で言われていて、それがエレクトロニックになったのでeスポーツと言われています。
したがって、eスポーツでは、勝敗に関連した部分にマネタイズしてはいけない、という不文律があります。でないとお金のある人が常に勝ってしまい、公平・公正なスポーツにはなりえませんから。こういったゲームではアバターなどがマネタイズポイントとなりますが、お金を使わなくても競争に参加できます。そこでスポーツという定義が守られるのです。
■「ワンダーリーグ」とは
―――:「ワンダーリーグ」のサービスを教えてください。
モバイルゲームに特化した「賞金付きゲーム競技リーグ」というコンセプトで立ち上げます。「ワンダーリーグ」では、「プライズリーグ」と「トーナメントリーグ」の2種類を行います。「プライズリーグ」は、当社が開発するカジュアルゲームで独自の大会を行います。一般の人がわかりやすく手軽に取り組める仕組みです。例えば、デイリーのイベントでタイムアタックのゲームで1位になったら5000円もらえる、という賞金イベント付きゲームアプリとなります。
また、トーナメントリーグは、まさにeスポーツのモバイルゲーム版です。対戦ゲームでトーナメントを勝ち抜いて賞金ゲットを目指す大会です。こちらは、大手のゲーム会社様とのアライアンスで提供する予定です。例えば、知名度のある対戦ゲームで賞金つきトーナメントイベントをワンダーリーグが行うという仕組みです。実は、第三者がイベント運営を行うことで景品表示法をクリアして高額な賞金を提供することが可能になるんですね。
―――:プライズゲームは例えば、スコアを競い合って1位になったら、という感じですか。毎日賞金が出るというのも面白い仕組みですね。
はい。スコアなどを競うスキルゲームがベースとなります。タイムアタックでランキングを競いトップスコアの人が賞金をもらえます。もちろん、景品表示法の範囲内でやりますので5000円という少額の賞金ですが毎日行うことで新しい感動を提供します。ゲームでお金がもらえるなんてモバイルゲームでは珍しいので、喜ばれると思います。
色々なアンケートを見ると、企業が提供する懸賞イベントを信用していない人が少なくありません。当社のサービスは、Facebookに連動しますので、嘘はつけません。1位になった人が賞金をもらえる大会を続けることで、本当に賞金がもらえた!という感動が広がっていくことを目指しています。
―――:賞金の元手は広告収益がメインになるのでしょうか?
以前より、ブースト広告などに費用を割くのは無駄だなぁ、と感じていまして、その広告費をユーザーに還元する意味で当初は弊社が広告費のかわりに賞金を出していきます。そして実際の賞金獲得した方々の口コミが広がっていくことを狙っています。これができればゲーム広告の新しいエコシステムができるのではないかと思っています。
―――:ゲームはどのくらい用意されているのですか?
リリース時点では脳トレのようなミニゲーム15個用意しており、毎日3セットのゲームにチャレンジしていただきます。今後、月に1本ずつ追加していく予定です。カジュアルゲームはライトなので多く作れますが、一度に10本出したとすると、お客様からするとアイコンが一杯になって迷惑になります。ですから、1つのゲームアプリに集約し、日時が来ると遊べるアプリを自動的に切り替わるようになります。例えば、月曜日はパズル、火曜日はランゲーム、水曜日は脳トレといった形で自動的にアップデートされます。お客様は何もしなくても自動的に切り替わったアプリを遊ぶだけです。
―――:テスト段階での反応は。
非常にいいです。「本当にもらえるの?」と喜んでもらえますね。難しい、勝てないといった声もありました。ちょっと問題なのが上手な人とそうでない人の差が開きすぎて、「勝てない」と思われてしまうことですね。難易度を低くして、例えば、0コンマ何秒の世界にひしめき合って、ちょっとしたことで順位が入れ替わる状態の方が盛り上がるかもしれませんね。
あと、テスト配信をしてみて、男性よりも女性の方が利用意向が強いことに気づきました。優勝者は女性が多いですね。懸賞アプリや懸賞サービスがありましたが、あれは女性が多いマーケットなんです。5000円をまめに稼ごうとする方が多いですね。逆に男性はすぐにあきらめちゃうみたいです。
お金がかかると緊張感がありますよね。そこを安全に合法的にやる仕組みを考えました。ゲームの技術を競って高い技術を持つ人が賞金をもらえるという仕組みは健康的ですし、誰が見ても裏がありません。ゲームの技術を競い合う「スキルゲーム」という定義も普及させていきたいですね。
■GW明けからサービス開始予定 2020年にはW杯も開催したい
―――:いつ頃からサービスを開始するんでしょうか?
ゴールデンウィーク明けからβ版を提供しようと考えています。まずはプライズリーグから取り組みを開始し、賞金付きスキルゲームを配信します。そのあとにトーナメントリーグに取り組みます。
欧米で人気のeスポーツは、前出のようなゲームだけでなく、格闘ゲームも定番です。偶然性が少なくて、結果が明確なものであれば競技になります。格闘ゲームだけでなく、FPSなども可能です。そういった有力ゲームを使わせてもらい、モバイルeスポーツを育てたいと考えています。
―――:将来的には大きな大会や海外展開も考えているのでしょうか?
2020年東京オリンピックの時にワールドカップを開催することを目標としています。日本のスマホゲームの主流は、RPGや作りこんだタイトルが中心です。日本以外ではカジュアルゲームやスキルゲームが主流なので、当社のようなサービスは海外で勝負しやすいと考えています。日本の法律は厳しいので、日本で出来れば世界中どこでもやれるでしょう。
Facebook上でサービスを展開するのも、グローバル展開を意識していることが大きな理由となります。Facebookは世界的にも利用されており、グローバル展開が容易になりますからね。また、先ほど申し上げたように、あまり国内にはこだわらないようにしています。スマホの魅力は、国境を楽に超えられる点にありますから、ぜひチャレンジしたいですね。
(編集部 木村英彦)
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