デアゴスティーニ ジャパンのD2C部 ダイレクトマーケティング/デジタルビジネス部長の森 洋平氏(左)本作の広報を担当しているD2Cのコンシューマ事業部 柳瀬史和氏(右)
デアゴスティーニ・ジャパンは、ミストウォーカーと共同し、『TERRA BATTLE』のシリアルコード付きマガジンシリーズ、「隔週刊 TERRA BATTLE」の創刊に先駆け、2015年8月25日(火)に、「隔週刊 TERRA BATTLE」創刊準備号 Vol.0(ZERO)を全国書店(一部地域を除く)および、ホームページで発売した。価格は590円(税込)。
「隔週刊TERRA BATTLE」は、『TERRA BATTLE』の中で使用できるアイテムをもらえる「シリアルコード」が付属し、その深い世界観をマガジンで楽しめるシリーズ。このゲームでおなじみの「ダウンロードスターター方式」で展開され、「創刊準備号 Vol.0(ZERO)」が55,555 部」という販売数を達成することで、隔週刊化が実現する。
本書の見どころは別稿のニュース記事(http://gamebiz.jp/?p=147317)をご参照いただきたいが、これから本作を始める人へのビギナーズガイド「HOW TO PLAY TERRA BATTLE」や、「メインクエスト・データファイル」、デザインを担当する藤坂公彦氏の初公開設定画などを含めた「藤坂公彦のキャラクター・デザインファイル」、「キャラクター・データファイル」など多岐にわたる。
そして、「エナジー×5」のプレゼントコードが付属するだけでなく、新たに導入される「おともシステム」に関連するアイテムのプレゼントコードが付属する。
今回、デアゴスティーニ ジャパンのD2C部 ダイレクトマーケティング/デジタルビジネス部長の森 洋平氏と、本作の広報を担当しているD2Cのコンシューマ事業部 柳瀬史和氏に、隔週刊『TERRA BATTLE』創刊準備号 Vol.0(ZERO)の見どころなどをお伺いした。
■マガジンとグッズを両展開
森 洋平氏(以下、森):弊社はいろんなタイプの商品をリリースさせていただいています。週刊や隔週刊で発行するマガジンを全号揃えると百科辞典になる「マガジンシリーズ」や、週刊「3Dプリンタを作る」のように、毎号付属するパーツを組み立てて模型などを完成する「組み立てシリーズ」、それからDVDやミニチュアモデルが毎号1つずつ付属し、それを集めていく「コレクションシリーズ」などがあります。
今回、「隔週刊TERRA BATTLE」に関しては、プレゼントコード付マガジンを展開しつつ、弊社で「テラバトル」のグッズも展開していこうと。ミストウォーカーさんとはマガジンシリーズ刊行とグッズ展開に関して、協力してやっていきましょうというお話になりました。
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もともと、私の所属するD2Cという部署は、デジタルとか通販…たとえば、あるマガジンシリーズの読者にさらに「こういうものがあったら便利だよ」という企画を立ててそのツールを販売したりする、という仕事をしてきたんですが、『テラバトル』に関連する仕事が決まっていく中で、マガジンを展開していきつつ、読者となるお客さんに対して、グッズ展開の希望もさせていただき、快諾していただきまして。グッズ展開は発表順とは逆だったんですが、そういった流れで決まっていきましたね。
柳瀬史和氏(以下、柳瀬):ミストウォーカーさんでは、『テラバトル』で展開している「ダウンロードスターター」をワールドワイドで展開しています。最初はダウンロードが200万を達成するかどうかがわからず、160万~190万DLの目標設定が存在していませんでした。第2弾として160万~190万DLまでの目標設定を作ることになり、コンポーザーの方々の参加以外に、190万DLで「グッズを作れないか?」という話が出てきて…。
それまでにも140万DLでフィギュア化という話が出ていましたが、なぜ第1弾でこの話をダウンロードスターターに入れたかと言いますと、もともとこの企画を坂口(博信)さんたちと作っていく中で、キックスターターで行われている企画をいろいろ見てみると、大きなものではだいたいフィギュア化の企画が入っていて…「やっぱりみなさん喜んでいただけるのではないだろうか?」というところから入れることになりました。リアルな「モノ」が入っているということは、特にスマートフォンゲームにはパッケージというものが存在しないので、なにか小さいものでもいいから、できるだけプレイヤーの皆さんの手元に何かが残るという状態を作れないかと考えていました。
ただ、実際に140万DLが達成しそうになってから、いろんな方面にグッズやフィギュアのお話をさせていただいてきたんですが、なかなか話を進めるのが難しかったんです。というのも、私自身がミストウォーカーさんのパブリッシングのお手伝いをさせていただいてきたのですが、在庫の部分や作り方の具体的な方法だとか、知らないことが多すぎて、進みが遅かったんですね。そのときに、ちょうど共通の知人の紹介で森さんと知り合うことができまして、マガジンの展開とともに、グッズに関してもデアゴスティーニさんのノウハウがあるということで、坂口さんにさっそく会っていただいて……マガジンとグッズの話がまとまってきたのが昨年末ぐらいですかね。
ダウンロードスターターの中には「アートブック」(5月22日発売)の話も進んでいましたので、発売時期はかぶらないようにですとか、デアゴスティーニさんの社内でも初めてのことがあったりだとか、いろいろできることを模索しつつ、条件が整っていって今の形が出来上がってきました。190万DLのひそ星人グッズに関しては商品の発送開始日に達成して、さらに140万DLのフィギュアに関しても話が進行中です。
▲グッズの企画も進行中
――:あらためて隔週刊「TERRA BATTLE」に関してお話いただけますか?▲グッズの企画も進行中
柳瀬氏:デアゴスティーニさんが手掛けてきたマガジンといいますか、パートワークという領域のものですが、いわゆる雑誌とは書店さんにおいても置かれる場所が違うものですよね。
――:コーナーが別にありますよね。
森氏:そうですね。
柳瀬氏:継続的に、定期的に刊行してくださることで情報を出していけるということと、まとめると1つの本として完成するということ、そして週刊「テラバトル」という言葉が、ミストウォーカーさんの中にデアゴスティーニさんのマガジンのファンがいらっしゃったこともあり、「これはやりたいね」という話が出たところから始まりました。
『テラバトル』では、DNA再構築というベースキャラクターにアイテムとモンスターを合わせてキャラクターを生まれ変わらせる仕組みがありますが、これをうまく生かして、10号分のコードを集めることで、キャラクターを生まれ変わらせることはできないかなという話になりました。
――:なるほど。デアゴスティーニさんがゲーム関連のアイテムを発刊されるというのは珍しいことだと思うのですが、どのような考えでここに至ったのかを教えていただけますか?
森氏:私の本業はパートワーク開発領域とは別で、デジタル領域がメインなのですが、去年の夏ぐらいに社長に呼ばれて「ディナーに行こう」と誘われて「これは怪しいな(笑)」と。
――:あー、だいたい怪しい話ですねそれ(笑)。
森氏:私は元々広告なども手掛けていたんですが、「オンライン広告は別の人物に担当してもらうから、森君は時間が空くでしょ? 代わりに新規事業を起こして」って言われまして。時間が空くって言ってもちょっとですよ(笑)。最初は目標とするバジェット(予算)感とか何もなくて…。「スタッフは?」と聞いたら「自分の時間を使ってよ」って…(笑)。
最初は「え?」って思ったんですが、反面、いい機会だし、会社で新規事業をやれって言われたことは「なかなか面白いな」と思い直しまして、それから「何がいいんだろう?」とか、「会社にとって新規事業って何をどう起こせばいいんだろう?」と本を読んだりしていたんですが、ちょうどそのころスマートフォンのゲームの勢いがすごくなった頃でして。私、mixiさんの株をたまたま買っていたのですが、4倍ぐらいになりまして(笑)。実感として「これはすごいな」と。そういうこともありまして、マーケットサイズを調べてみたら、倍々ぐらいに伸びていると。私どもの出版領域はかなりきつくなってきましたが、その中でも雑誌は本当に厳しい状況で。お客さんをもっていかれてるんじゃないの? というぐらい伸びていると。これはチャンスだなと思いまして、いろいろ見てみると、宝島社さんが『モンスターストライク』のムックを出していて、知り合いに聞いてみたら「スゴく売れている」ということがわかって。
ウチの強みは、本を作るという「編集力」、そしてものを作る「制作力」、そしてうちってマーケティングをしつこくやるんですね、これも強みだなと。あとは「デアゴスティーニ」というよくわからないブランド力(笑)。それに、単発ではなくて10号なら10号と続いて出版できることもたぶん強みなんだろうなと。このパートワーク×スマホゲームというのはまだどこも参入していないなと。競合さんがいっぱいいる事業領域なので、「これは早くやったほうがいいな」と。
それで知り合いづてにミストウォーカーさんを紹介していただきまして。私は当時知らなかったんですが、ちょうどリリースした直後でグーンと来ているところだったので、さっそく坂口さんにお話をつないでいただいて、打ち合わせをしたんですが、その場で「やりましょう!」と。あれは本当にうれしかったですね。
柳瀬氏:すぐに決まりましたね。
森氏:それから1年ぐらいかかってしまいましたが、何とか形にすることができました。ほかにもいろんな会社さんを回らせていただいたんですが、「やろう!」って言っていただいたのはミストウォーカーさんが最初でした。
また、お話させていただいた会社さんの中で、うちのパートワークを集めるという仕組みに合った形で、プレゼントコードを提供していただいて、1号から10号まで集めると最後にZクラスに再構築されたキャラクターになる「デアゴスティーニっぽいものをつくろう」と言っていただいて、それだけでもすごくうれしかった。これはうちも「頑張ろう」と。お互いの協力関係だと思うんですが、「これは頑張らないと」と気を引き締めました。
そこからうちのイタリアの方にも承認をとりまして。『TERRA BATTLE』の「テラ」は、イタリア語でも「地球」を意味することもあってわかりやすかったようで、イタリアの方でも喜んでくれて、話がスムーズに進んでいきました。
▲創刊0号に付属する「ホワイトバクロウ」
■「10号まで揃ってみたときに、違って見える」ものを
柳瀬氏:そのデアゴスティーニさんの本国での承認以降、隔週刊で本が刊行されるということで、それに合わせてゲームのアップデートをやっていかないとな、ということもありつつ…「55,555部」をお客さんに手に取っていただくために、開発者の深い話だとか、お客さんとコミュニケーションを取るような内容にしていこうという内容の話に進んでいきました。
デアゴスティーニさんの本は、長く手元に置いていただけるような普遍的な内容のもの、というイメージが我々にもありまして、編集の方々と一緒に、普遍性の高い内容のものをできるだけ準備したいと考えました。とはいえ、攻略本やアートブックが出た後に発売するということもありましたので…。
――:先に一般的な定番といわれる書籍が発売されていたので、「どうするのかな?」とは思っていました。
柳瀬氏:そうなんですよ。そこで「設定資料集ってデアゴスティーニっぽくない?」という話がミーティングの時に出てきて、「たしかにそうだ」と。ミストウォーカーの藤坂さんがキャラクターを作る時には、アーティスティックな面だけでなく、「こんな性格をしているからこういうものが付いているのではないか」といったようにロジカルなデザインをされる方なので、藤坂さんの中に設定がいっぱいあったんですね。それをキレイに描き起こしていただいたりして、キャラクターを深堀するような内容がいいよね、ということで「キャラクター・デザインファイル」が出来上がっていきました。
――:中綴じなので、デザイン画なども広げやすくて、見やすくできていてうれしいですね。平綴じだとノドの部分で見えにくくなってしまうので。(刷り出しを見ながら)これ、デアゴスティーニさんの他の本よりもさらに情報量が多くないですか?
森氏:そうですね…昔うちでもゲーム関連の本を企画していたことがあったんですが、結局お蔵入りになってしまったことがあって、その時に手掛けてくださっていたアンビットさんに今回もお話をもっていって一緒にやることになりました。ですので、もともとゲームの攻略本や雑誌を手掛けていらっしゃるアンビットさんの知見を使って構成させていただいていますね。
――:いわゆるゲーム雑誌として見ていても、ビジュアル、文字とデータが多いなと感じますね。初心者ガイドから始まって、相当いろいろ詰め込まれている感じはあります。これ、10号続くとなると相当なものになりそうですね…。
柳瀬氏:データ量に関しては、『TERRA BATTLE』自体のデータが多く、この段階でも掲載できていないほどのボリュームがあるんですよ。
――:さらにアップデートされていくわけですから…それが詰め込まれていくと。
柳瀬氏:とはいえwikiには勝てませんよね。ですから、藤坂さんがキャラクター設定を解説した「キャラクター・デザインファイル」や開発スタッフのみなさんに『TERRA BATTLE』の今を聞く、「TERRA BATTLEリレーインタビュー」を収録させていただけることで差別化が図れるのではないかと思いました。アップデートされる情報などももちろんきちんと収録されていくようにこちらからも情報を提供させていただきます。
――:雑誌や攻略本の需要はなかなか厳しい局面に来ているとは思いますので…。
柳瀬氏:オンラインで掲載するのが難しいコンテンツもあると思います。デザイン画やアートブックは一般のプレイヤーの方はもちろん、ゲームのデザイナーさんやイラストレーターさんも買ってくださっているというお話もよく聞いていますよ。
――:紙に印刷されたものを見ると、この「よさ」は連綿としたものがありますよね。1冊1冊の単価は攻略本より下がりますし、これはこれでアリなんじゃないかなと個人的には思っていますが。
柳瀬氏:設定画を見られるということで、参考にされる、という需要はあるのではないかと思います。それから、開発者のリレーインタビューも、『TERRA BATTLE』の開発者が次々と語っていくということになります。今、ご出演のお願いをしている方もいらっしゃいますが、いろんなところにスポットを当てていきたいなと思っています。
最終的に10号まで揃ってみたときに、揃うことでまた見える面白さがあるといいな、と考えていますね。普段はあまり注目されることが少ないところも取り上げて、読み物としても残るというところまでできたらいいなと考えています。本単体だけでも面白いと思ってもらえるような内容にしたいというのは全員が思っていますよ。
■台湾でも展開! 雑誌をパブリシティツールとして活用
森氏:それから、隔週刊「TERRA BATTLE」は台湾でも展開しようと動いています。うちの本は比較的そのまま台湾でも販売されています。さすがに翻訳はしていますが、そのほかはわりとそのままです。たとえば週刊「ロビ」などは、台湾で全雑誌の中で売り上げ1位になっているぐらい、よく売れたんですね。コンビニエンスストアでよく売れるので、コネクションもできましたし。いくつか本を出しているところなんですが、台湾では予想以上に本が売れています。
そういったこともあって、隔週刊「TERRA BATTLE」の話をしてみたら、ノッてくれて。日本の発売から少し遅れることになりますが、10月末から11月には「創刊準備号」を台湾でも発売する予定になっています。
柳瀬氏:『TERRA BATTLE』は1アプリでワールドワイド展開しているので、ピッタリなのではないかと思いました。現地の方にお伺いすると、台湾で大きなプロモーションをやろうとする場合、オンラインの広告以外にタクシーや地下鉄での屋外広告やコンビニでのプロモーションをされるようです。特にコンビニに関しては、台湾は1人あたりのコンビニの数が世界でもトップクラスになるので、コンビニで何かできないかな? と思っていました。そんな状況で、デアゴスティーニさんにコンビニの流通さんとのコネクションがおありだということで、一緒にやってみましょう、という話になっていきました。
しかも、自分たちでちゃんと監修できるという状況で、台湾で隔週刊「TERRA BATTLE」という施策を行えるというのは、デアゴスティーニさんも今後ほかのタイトルで同じような企画を立てられることがあると思うんですよね。日本でやって、台湾でやって、という流れは今回の一連の取り組みで出来上がっていくのではないかなと。これって、やはり外資系企業さんだからできる、という部分はあるのかな、と思っています。
森氏:「うちをうまく使って、台湾で展開してください」って坂口さんにも言われましたね。コンビニを抑えているというのはいいことだと思うんですよね。台湾では屋外広告も多いのですが、コンビニという大きなチャネルを使って、うちのような一般のお客さんを相手にしているような出版社がこうした雑誌を出すことは、広告の観点からもありなんじゃないかなと思います。
今回のスキームが決まれば、うちからすると他社さんと何かをやらせていただくという観点からもすごくいいことだと思いますし、「日本はもういいよ、台湾でなにかやりたい」というお話があれば、そういうやり方もできるのではないかなと。
柳瀬氏:『TERRA BATTLE』の場合は、1アプリでワールドワイドに展開しているので、こちらが監修したものが海外に出ていけるという点ではありがたいなと考えています。自分たちが作ったものを「面白いんだよ」と言っていただけるといいな、と思っています。
森氏:今まさに台湾で「プロモーションはどうする?」といった話をしていますね。
柳瀬氏:台湾では『TERRA BATTLE』を4月にリリースさせていただいて、台北ゲームショウで知り合った方々にご連絡するといったコミュニティにアプローチすると、グッとプレイヤー数が増えたりするといったことがありましたので、そういった部分でのプロモーションは行ってきています。鉄板=これをやれば人が集まるといったものよりは、小さいコミュニティを作って大きくしていくという方法でプレイヤー数を増やしていきたいと思ったときに、隔週刊「TERRA BATTLE」のような雑誌があるといいなと思っていました。
森氏:うちはどちらかというと、昭和のものが鉄板ですが、週刊「ロビ」もそうですが、新しいことを仕掛けていかないと。スマホゲームもいろいろありますから、大きいタイトルであれば、リサーチの段階をちゃんと踏めればTV広告も打つことができますし、小さいタイトルであれば、マーチャンダイジングのリソースをお持ちでないところであればうちで(代わりに)やれちゃったりもするので、そういう「使い方」というか、お互い“Win”になる部分があれば、いいんじゃないかなと思っています。
うちはこれを足掛かりに、業界の方々とお仕事をご一緒させていただければな、というのが本音です。
――:しかし、ここまで形になる、というところが素晴らしいですよね。アプリ制作側も「こういうのはやりたい!」と思うし、出版社側も「やりたい!」って話はどこでも出そうな話なんですが、こうして形にできているというのが。
森氏:そうですね。ミストウォーカーさんは、提案に対してすぐジャッジしていただけるんですね。このフットワークの軽さが良かった。組織が大きいところだとなかなか決まらないことも多いですから。そこはありがたかったですね。
これであとは実際にふたを開けるだけなので…どきどきしてますね。
――:ここまでソフト単体でできるというのはやはりオンラインゲームならではだと思いますし、アップデートに寄り添う形で情報が掲載されていくというのは、雑誌連載と単行本の違いのようで、内容も売れ行きも興味深いです。これを手にとるお客さんも、本のペースで一緒にゲームを楽しんでもらえるといいなと個人的には思います。
森氏:メーカーさんにとっても、今回10号の予定で制作していますが、10号分あれば、なにかしら言いたいことは言える、という舞台は用意できるのはいいことなのかなと思いますね。言いたいことがあれば、それは載せられますよと。そういう意味では、ゲーム会社さんにとってもアリじゃないですか? と思います。パブリシティの素材的に。
今回、書店さんをはじめ、コンビニにもかなりの部数を置いていただくんですが、その「ドーン」感は、うちの特徴かもしれません。そうしないと面(売り場)が押さえられないんで、規模のビジネスができないんですよね。うちは『TERRA BATTLE』を知ってもらうために本を刷りますし、知ってもらって買ってもらえればうれしいし。そういった規模を重視した動きができるので。逆にTVCMを打っているようなタイトルだったら、CMからすぐスマホに行かないお客さんが書店やコンビニでこの本を見かけたときに「ああ、あのゲームね」と認知してもらう、という、今までのお客さんとはまた違った層を捕まえられるのではないかな、と期待しています。
――:本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
(聞き手・編集部:佐伯憲司)
■『TERRA BATTLE(テラバトル)』
会社情報
- 会社名
- 株式会社ミストウォーカー
- 設立
- 2004年1月
- 代表者
- 坂口博信