【決算分析】Aimingの決算説明資料より…3年目の『ログレス』が減速で減収減益に 中国本土向けのCBTを開始 開発中のパイプラインは11タイトル
4月28日に発表されたAiming<3911>の2016年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高23億6900万円(前年同期比26.9%減)、営業利益3億2600万円(同74.0%減)、経常利益3億3500万円(同73.2%減)、四半期純利益2億1500円(同73.4%減)と70%を超える大幅な減益での着地となった。
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今回はAimingが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
■減収の最大の要因はサービス開始3年目を迎えた『ログレス』の減速
前年同期比で26.9%の減収となった第1四半期の売上高だが、四半期推移(QonQ)で見ても14.7%減収と大きく減少した。最も大きな要因は主力タイトルである『剣と魔法のログレス いにしえの女神』がサービス開始3年目を迎え、さすがに減速傾向にあることだ。また、2016年1月をもってすべての受託案件が終了したことや、年末のキャンペーンの反動も売り上げ減少につながっている。
費用面を見てみると、変化が大きいのは広告宣伝費だ。もともと同社は過去2年間を見ても第1四半期は広告宣伝費が減少する傾向があるが、今回は前年末にかけて実施した大型プロモーションが終了した影響も大きく表れている。
一方で気になるのは、プラットフォーム手数料の推移だろう。前年同期の9億2900万円をピークに減少傾向が続いており、単純に考えれば同社がプラットフォーム上で配信しているゲームの売り上げは4四半期連続で減少しているということになる。
■国内は対戦型コンテンツ導入などテコ入れ 中国本土向けのCBTを開始
主力タイトルである『ログレス』で進められているテコ入れ策は、他プレイヤーとリアルタイムで対戦できる対戦型コンテンツの導入だ。新たな遊び方を提供することで、より長期にゲームを楽しんでもらえるような取り組みを進めていくという。
また、プロモーション施策として、他のゲームと連動した施策や有名IPとのコラボレーション企画も展開していくとしている。
『ログレス』の海外展開については、現在展開中の繁体字版(台湾・香港・マカオ)に続き、簡体字版(中国本土)の第一回CBTを4月28日より開始した。高成長を続ける中国本土市場をターゲットに着実に準備が進められている。
■開発中のパイプラインは11タイトル うち自社開発タイトルは5タイトル
現在開発が進められているパイプラインは11タイトルとなっている。既に発表されている新作オリジナルRPG『トライリンク 光の女神と七魔獣』のほか、自社開発タイトルが5タイトル、ライセンスインが3タイトルなどとなっている。なお、先日、アクセルマーク<3624>と国内配信に関する基本合意書を締結した「NOROSHI」も含まれている。
■2Q予想は新作売り上げは織り込まず、プロモ費用のみ織り込む
第2四半期期間(4~6月)の業績予想は、売上高は前四半期比で11.9%減の21億円、営業損益1億5500万円の赤字、経常損益1億5500万円の赤字、四半期純損益9600万円の赤字と各利益は赤字計上となる見通し。ちなみにこの第2四半期の予想には、新規タイトルのリリースによる増収分は織り込んでおらず、新規タイトルのプロモーション費用は織り込まれている。
■『ログレス』頼みの成長から、いかに次の柱を創出するかがポイント
『ログレス』という大ヒットタイトルに支えられた右肩上がりの成長トレンドは、一巡したとみておくべきか。『ログレス』については、今後はいかに息の長いヒットタイトルとして継続的に収益貢献できるタイトルとしていけるかがポイントになってきそう。
同社の成長という観点でいうと、大事になってくるのは次の成長の柱となるタイトルを創出できるかということになりそうで、開発が進められている新作タイトルにリリース時期がどういったタイミングになってくるのかを引き続き注視したい。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911