【モブキャスト決算説明会②】広告宣伝費を抑え、コラボで『【18】』活性化…費用抑制で営業黒字転換 VRで水口氏のエンハンス・ゲームズに出資
モブキャスト<3664>は、5月12日、東京都内で2016年12月期第1四半期(1~3月)の決算説明会を開催した。同日発表された第1四半期決算は、売上高8億5600万円(前年同期比0.8%増)、営業利益1500万円(前年同期5000万円の赤字)、経常損益1300万円の赤字(同5600万円の赤字)、最終損益1300万円の赤字(同5500万円の赤字)と経常利益ベースでの黒字転換を達成した。
説明会では、同社の藪考樹社長が第1四半期の決算概要と第2四半期以降の取り組みを説明した。そのコメントを取り上げつつ、主に業績面の内容について確認してみたい。
■QonQでは営業黒字転換を達成
まずは第1四半期(1~3月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比9.4%減、営業利益は前四半期の5億600万円の赤字から1500万円の黒字に転換した。その最大の要因は費用の抑制で、広告宣伝費が前四半期の3億3500万円から3700万円に大きく抑えられていることが大きく影響している。また、前期末の減損により、ソフトウェア償却費が減少したことも費用の改善に貢献している。
ただし、経常利益以降については、急激な円高による為替差損2700万円を計上したこともあって、赤字計上となっている。
■2Qは『モバプロ』の大型プロモーションを予定
プラットフォーム事業では、『モバプロ』の2016年度版をリリース。パートナーゲームについては、『戦国姫神ワルキュリエ』(1月)、『閃乱カグラ NewWave Gバースト』(3月)、『クロリス・ガーデン』(3月)の3タイトルを配信開始した。
なお、第2四半期には、『モバプロ』のテレビCMを4月より地方(北海道、宮城、愛知、大阪、広島、福岡)にて開始するなど大型プロモーションを予定している。
■『【18】』はコラボによる活性化を推進 北米展開も決定!
ネイティブゲーム事業は、第1四半期期間中に『【18】』で4件のコラボを実施。『【18】』については北米での配信について、米国のオンラインゲームパブリッシャーであるGameSambaとのライセンス契約を締結した。
また、これまで『ルミネス2016(仮)』という仮タイトルになっていた有料ダウンロード版の「ルミネス」は、正式タイトルが『LUMINES パズル&ミュージック』に決定。「3Qの早い時期にリリースする予定」(藪社長)だという。
【関連記事】
【モブキャスト決算説明会①】有料版「ルミネス」の正式タイトルが『LUMINES パズル&ミュージック』に決定…藪社長「3Qの早い時期にリリース」
そのほかのトピックスとしては、VR関連で、水口哲也氏が立ち上げたenhance games, Inc.(エンハンス・ゲームズ)への出資を行った。
■大きな変化は新作相次ぐ3Q以降か
なお、同社は2016年12月期の業績見通しは非開示としている。ただし、新作のリリーススケジュールにおいて、繁体字圏版『【18】』や、同じく繁体字圏向けのプロジェクト「CM」のリリースがともに第3四半期にずれ込んだことにより、第2四半期は大きな変化はないものと思われる。有料版「ルミネス」もリリース予定の第3四半期以降に大きな動きが出てくることが予想されよう。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社モブキャストホールディングス
- 設立
- 2004年3月
- 代表者
- 代表取締役CEO 藪 考樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3664