DeNA守安社長「任天堂との協業タイトルは来年以降もリリース」 開発リソースを「最優先で割り当て」 2作目以降のビジネスモデルは未定
ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、この日(11月4日)開催の決算説明会で、同社の守安功社長(写真)は、任天堂との協業タイトル『Super Mario Run』について、国内だけでなく、海外戦略における重要な存在になるとの見方を示した。すでに事前登録者が全世界で2000万人を突破するなど世界的に期待を集めているタイトルだが、今後、任天堂との協業タイトルが海外市場における大きな収益源になりそうだ。ただし、第3四半期の業績予想には含んでいないとのこと。中長期的な取り組みであり、タイトルは明かせないとのことだが、来年度以降もリリースする予定だという。
『Super Mario Run』について、守安社長は「アクションやサウンド、質感を含めて、かつて遊んだ『スーパーマリオ』をスマホでも実現していると感じた。操作感についてはコントローラーがないので、少し勝手が違うと感じる人もいるかもしれないが、遊んでいくとすぐに違和感がなくなる。ステージも工夫が施されており、遊びやすい。かつて『スーパーマリオ』で遊んでいた方には懐かしいと思ってもらえるのではないか」とプレイした感想を述べた。
守安社長によると、任天堂との協業タイトルには開発リソースを「最優先で割り当てている」という。『Super Mario Run』や『ファイアーエムブレム』、『どうぶつの森』に携わっているDeNAの開発者は兼任も含めて100名程度だが、今後、タイトルの増加に合わせて増やす考え。『Super Mario Run』の開発における両社の役割分担について会場から改めて質問が出たが、「年内リリースに間に合わせるために両社でかなり一緒に開発に取り組んだ。(クライアント開発とサーバー開発という)役割分担は当初公開したほどはきれいには分かれていない。収益の配分については特に変わらないだろう」と回答した。
このほか、以下の事項が明らかになった。
・新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」のリリース時にDeNAがパートナーに入っていた件についてはあくまで会員制サービスなどの構築を行う。DeNAとしては「Nintendo Switch」に限らずコンソール向けのゲームソフトを出す予定はないが、VRゲームなどは試験的に出すかもしれない。
・『ファイアーエムブレム』と『どうぶつの森』を来年リリースする予定だが、ビジネスモデルなど詳細は決まっていない。「『Super Mario Run』は、売り切りに近いビジネスモデルだが、その後、リリースするタイトルは実際に『Super Mario Run』を出してから判断するのではないか」。
・また会場からは当初、『ファイアーエムブレム』と『どうぶつの森』が今年秋とされていたが、来年になった理由について聞かれると、『Super Mario Run』が年内にリリースできる見通しになったためだという。アプリリリース前のプロモーションや、他のアプリへの誘導効果などを考えると、集客の見込める『Super Mario Run』を先に出すことが望ましいと判断した。
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(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432