ドリコム<3793>の内藤裕紀社長(写真)は、この日(2月3日)、東京都内で開催した第3四半期の決算説明会で、11月にリリースした『ダービースタリオン マスターズ(以下、ダビマス)』の第3四半期の売上が7億4000万円と、まさに「垂直立ち上がり」だったことを明らかにした。さらに続く1月の月次売上速報は4億5000万円になったとのこと。「思ったよりも良い」という。
ここ最近の新作ゲームアプリは、初動でこそ順位を大きく上げるなどスタートダッシュを決めるものの、その後、本格的な運営フェーズに入った段階で順位を落とすタイトルが目立っている。さらに競馬のシーズンオフになる冬場でも好調をキープするなど季節に厳しい要因がありながらも順位をキープするなど運営力の高さが目立っている。
同社は、スマートフォンゲームの戦略について、2015年11月にオリジナルタイトルからIPタイトルにシフトしており、その第1弾となるタイトルがヒットを記録した。いわば"結果"が出たことで、戦略転換の正しさが証明されたと言えるが、それでも内藤社長は「ようやくスタートラインに立てたばかり」と気を引き締めている。
続く第4四半期(1~3月)は、売上高が前四半期比2.2%減の22億2400万円、営業利益は同3.3%増の1億5600万円と横ばいとなる見通し。競馬がオフシーズンとなるため、確実に達成できるような数字を見通しにしているとのことだが、「足元を考えると保守的すぎたのかもしれない」とコメントし、上ブレの可能性が大きいことを示唆した。売上予想のうち、『ダビマス』は7億5000万円を見込んでいるが、1月だけで四半期計画の半分以上を稼いだことになる。
なお、2018年3月期については、競馬ファンにターゲットを当てたプロモーションを展開する考え。GIシーズンにプロモーションを重点的に行い、ユーザー数を積み上げて、一段の上昇を狙う。リリース以来、『ダービースタリオン』で遊んでいたファンに訴求するプロモーションを展開し成功を収めてきた経緯があり、方針が変わることになる。
【関連記事】
・ドリコム内藤社長「いまが勝負の時」 開発ライン拡張し18年3月までに7~8本のIPタイトルをリリース、大きな残存者利益が取れるチャンス
・【フォワードワークス新作発表会②】『みんゴル』は「ひっぱりショットアクションというスマホならではの操作感を実現」(ドリコム内藤社長)
・【速報】ドリコム、3Qは売上高16%増、営業は3.1億円の赤字から5.1億円の黒字に転換 『ダビマス』が想定を上回る寄与に 通期は6.7億円の営業黒字予想(グラフ追加・追記)
・【速報2】ドリコム、2018年3月期は7~8本のIPタイトルをリリース予定 内藤社長「上期が多め」「IPタイトルの開発は相当難しい」
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793