グリー<3632>取締役で、Wright Flyer Studios社長の荒木英士氏(写真)は、この日(4月27日)開催された第3四半期の決算説明会における質疑応答で、ネイティブアプリの開発費について「下は5億円弱、上になると1ケタ億円台の後半になる」と明かした。アプリ開発費の高騰が指摘されているが、まだ上がり続けているようだ。以前から言われてきたことだが、新規参入した会社がいきなり競争力を発揮するのが難しい市場環境となっている。
また、開発費のレンジの大きさも気になるところだが、これについては「ゲームエンジンの有無」が関連しているという。横スクロールのアクションRPGの場合、ゲームエンジンの蓄積があるため、それをベースに活用することで開発費を抑えることができるという。それでも開発に5億円かかるのだが、「キャラクターや世界観を入れ替えただけの"側替え"ではない」ことや、リリースから2~3カ月後のアップデート要素を事前に用意する必要があるためだ。
他方、全く出したことのないジャンルの作品であれば、スクラッチから作る必要があるため、開発費が高くなりがちになる。新しいジャンルのタイトルを1つ開発し、それが一定の実績を上げれば、そのゲームエンジンを活用・改善して新しいゲームが作れるため、同ジャンルの2作目以降は費用が抑えられるとのこと。
ちなみに、ここでいう「ゲームエンジン」とは、自前でミドルウェアなどを作っているわけではなく、UnityやCocos、Unreal Engine上で使える各種ゲーム開発用のアセットやツールなどを指している。同社では、UnityとCocosを使ってゲーム開発を行っているそうである。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社WFS
- 設立
- 2014年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 柳原 陽太