【特集】「ゲーム会社のインターンシップって何をするの?」…"自分の責任と真剣に向き合う"グリーのインターンシップを紹介

達川能孝 gamebizプロデューサー/TeeL合同会社代表
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2019年度の新卒採用に向け、各企業がそろそろ動き出す今。5月、6月からは実際に学生が企業で働くことを体験するインターンシップの募集が始まる。現在就活中の学生の中には、エンターテイメント、スマートフォンゲーム業界を目指す人も多くおり、インターンシップの募集要項をチェックするであろう。そんな中で浮かびあがる「エンターテイメント、スマートフォンゲーム業のインターンシップは何をするのだろう?」という疑問に対して、Social Game Infoではインターンシップの特集記事を連載、主要なエンターテイメント、スマートフォンゲーム会社のインターンシップを紹介する。

第3回目となる本稿では、グリー<3632>のインターンシップをピックアップ。実際にグリーでのインターンシップを体験し、入社に至った天利 朱氏にお話を伺った。



▲天利 朱氏

--本日はよろしくお願いします。天利さんはグリーでのインターンを経て、グリーに実際に入社したとのことですが、学生時代はどのようなことをなさっていたのでしょうか?

大学ではサービスデザインを専攻していました。サービスデザインは、近年よく取り上げられている、デザイン思考を使って具体的なビジネスを考えるものです。私の研究では、定性的な観察結果から新しい顧客体験を作り出せるようなサービスを考えていました。実際に企業と一緒に、サービスを考案するプロセスを、最終的に誰もが使えるツールにするにはどうすればいいのだろうか?と考え、その手法を研究成果として発表しました

--そんな中で就職活動を始めたと思うのですが、グリーのインターンに挑戦しようと思ったきっかけ等はあったのでしょうか。

就職活動をする中で、様々なインターンを体験しました。インターンを受ける基準として、有給であるものに参加しようと考えていまして、グリーのインターンはお給料が出て、2日間ということで参加することを決めました。

グリーのインターンの募集を見つけたのが3月頃だったのですが、ちょうどその頃というのが大学のゼミの後輩が入ってくる時期なんです。自分がゼミに入ったばかりの頃どんなことを考えていたのだろう?と思い、資料を漁ってみたら「人が面白いと思うことの仕組みを勉強したい。」と一年前の自分が書いていたのです。その言葉をきっかけにゼミでの一年を振り返ってみて、「人がこんな生活をしていて、こんな価値観を持っているから、そんな人のためにこういうサービスがあるといい。」というような研究はしていたのですが、「面白い」に特化したサービスについてはゼミでは考えたことがなかったことに気付きました。グリーのインターンでは、ゲーム作りの企画職を募集していたので、「人が面白いと思うことの仕組み」について何かわかることがあるのではと考え、応募することにしました。


実は当時、ゲーム業界ではなく、いわゆるインターネット企業を中心にインターン先を探していました。私自身グリーをインターネット企業として認知していたこと、また「インターネットを通じて、世界をより良くする。」という、グリーのコーポレートメッセージは、私の希望に近く、応募の後押しになりました。

--実際にインターンではどんなことを行ったのでしょうか?

エンジニアと、デザイナー、そして企画職であるビジネス/プランナーが3人1つのチームになり、ゲームのMockを、2日間で作りました。

--インターンの期間の中で何か印象的なエピソードなどあったら教えてください。

印象に残ったのは「自分が何に対して責任を負うのか」ということに真剣に向き合ったことです。私は企画職としてチームに加わりました。エンジニアやデザイナーの方々は、実際にゲームを動かすプログラミングであったり、ゲーム内で動くイラストだったりと、成果が目に見えやすいと思いますが、企画職の成果というのは抽象的です。自分から「これをやるんだ!」という役割意識を持っていないと、チームの中でいなくてもいい存在になってしまいます。そこで私は、完成させることと、企画を伝えることの2つに対して責任を負おうと考えました。自分にはわからない技術的な部分に関しても、スケジュールを引いたり、提案を行ったり、コミュニケーションを取りながらより面白いものにしていく努力をしました。社会人にとっては当然のことですが、各職種一人ずつでそれぞれが大きな責任を負うということは、当時の私には新鮮でかつ大変なものでした。
 


--インターンを経てグリーに入社をされるわけですが、入社するに至ったきっかけはインターン期間中にありましたか?

言い過ぎに聞こえるかもしれませんが、インターンでの経験はすべてが面白かったです。その経験がきっかけとなって入社をしようと決めました。

就職活動の中で私は主にUXデザイナーや、大手メーカーの企画職を中心に受けていました。これからの社会では、一人一人の価値観に訴えかける物作りが大切であると考えています。そのためには「体験価値」を設計することが今まで以上に大切になってきます。そういった流れで様々な企業が現在UXデザイナー等を積極的に採用していると思うのですが、では、企業が体験価値を設計できるようなUXデザイナーを育てることが可能なのかというと、私には疑問が残りました。体験設計のプロフェッショナルはどこで生まれるんだろう?と考えたときに、まず「体験」について特に丁寧に考える仕事がしたいと考えました。その時、体験設計について一番教えてくれたのはグリーのインターンだったことを思い出し、ここだ!と決めました。

大学での研究の中で「人がここでテンションが上がります」と説明することがありました。しかし、なぜテンションが上がるのか?、どのような仕組みなのか?といったことが、まだ深追いできていないと感じていました。そうした中、グリーのインターンでは、ゲームがいかに体験を丁寧に設計するものなのかを知りました。インターンの二日間で、「ああ、私のやりたい体験設計というのはこういうものなのだな。」と認識することができ、またエンターテイメントに可能性を感じました。



--実際に入社し、現在はどんな業務を担当しているのでしょうか?

Sプロダクションという、『消滅都市2』等を制作・運営しているプロダクション内で、ゲームプランナーをしています。現在は『ららマジ』というタイトルで主にはイベントの作成、運用に必要な業務、最近では新機能の開発など幅広く担当しています。
 

  
アニメ制作スタジオA-1 PicturesとWright Flyer Studiosがタッグを組んだタイトル『ららマジ』
 

--インターンの頃と入社してみてから、働き方にギャップはありますか?

ギャップというのではないですが、予想よりいろいろ任されるなと感じます。若手を戦力として平等に扱ってくれるので、新人でも裁量権は比較的多いように思います。その分任せられる量も多いですが、もちろんフォローもしてくれます。自分ができる最大のところまでやってみる、そんな挑戦ができる環境はとても好ましく思っています。

たとえば、運用を担当しているゲーム内に何か問題だと思ったことがあれば、自分で他部署と連携するなどして解決まで持っていくことが求められています。問題を見つけるだけでなく、改善までもっていくことを入社してすぐの段階で求められたことには戸惑ったこともありました。正直わからないことも多いので、その時はチームメンバーにもヒアリングしたり協力してもらったりしながら進めています。定常的に行う業務と両立して、自分自身で問題解決をしていこうとする姿勢が求められているので、即戦力として扱ってもらっていることを実感します。

--最後になりますが、これからエンターテインメント、スマートフォンゲーム会社のインターンシップを体験しようとする人にメッセージをお願いします。

体験を作ることに興味がある人はもちろん、自分の中にある「何か」を仕事に活かしたいという強い想いのある人には、グリーのインターンを経験してもらいたいです。そして、その「何か」を使うとチームでどのようなものが作れるのか、挑戦してほしいです。というのも、3人1チームでゲームを作るというインターンは珍しく、特に企画職については、一つのゲームを2日間で完成させる責任を最後まで負うことを求められます。これは簡単にはできない経験だと思います。そこで見える景色から就活がより面白いものになるかなと思います。
 



 

「GREE Internship 2017」


「GREE Internship 2017」では、2019年新卒向けに、6月1日より募集を開始。

GREE Internship 2017
http://jobs.gree.net/jp/ja/internships/

「GREE Internship 2017」は、2種類に分かれている。

「GREE Camp」と呼ばれるものでは、少人数でチームを組み、革新的なインターネットサービスの企画・モックアップ開発に挑む。こちらはエンジニア、デザイナー、ビジネス/ゲームプランナーの3職種混成チームで取り組む、2日間のインターンシップとなる。優秀チームは社内イベントや勉強会などに特別に招待される。



もう一つの「GREE Jobs」では、実際の開発環境でグリーの社員や役員と席を並べて、実践に即した知識やスキルを身につけることができる。長期間、実際に現場に入って実業務を通して会社を知ってもらう為の、3週間からの長期実践型インターンシップとなる。


 
■関連サイト
 

GREE Internship 2017

グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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