ミクシィ<2121>は、8月8日、東京都内で2018年3月期第1四半期(4~6月)の決算説明会を開催した。説明会に先立って発表された第1四半期の連結決算は、売上高482億円(前四半期比24.8%減)、営業利益202億円(同37.8%減)、経常利益201億円(同37.9%減)、最終利益137億円(同34.7%減)と大幅な減収減益だった。
QonQで大幅な減収・減益になったものの、非常に良かった前四半期(1~3月)からの"反動"といった印象が強いうえ、全体としては大きなトピックスはないという印象だ。決算説明会では、足元の状況説明を行うとともに、期初に発表したエンターテインメント事業への大規模投資の進捗状況についての報告があった。
▲説明にあたった森田仁基社長。
■大幅な減収減益は「通常運用に戻ったため」
まず、前期の第4四半期(1~3月)から振り返ろう。売上高は前四半期比(QonQ)13.9%増の641億7100万円、営業利益は同46.2%増の324億9700万円となった。『モンスト』を中心とするエンターテインメント事業の売上高が四半期ベースで初めて600億円を突破。前四半期からさらに16%伸ばした。ゲームのアクティブユーザー数も過去最高を更新した。
続く第1四半期(4~6月)は、売上高が前四半期比[QonQ]で24.8%減の482億円、営業利益が同37.8%減の202億円と大幅な減収減益となった。『モンスターストライク』の落ち込みが主な原因だ。ただ、森田社長は『モンスターストライク』について、周年や年末年始イベントを経て、通常期の運用レベルに戻ったものにすぎない、との見方を示した。いわば反動だ。
■エンターテインメント事業における投資
トピックスとしては、5月の決算説明会で、エンターテインメント領域で130億円の投資を行うことを明らかにしたが、その状況についての報告が行われた。ユーザー還元に50億円、アニメ・動画コンテンツに30億円、マーチャンダイジングに20億円、新規タイトルの創出に30億円を投じるものであった。
まず、ユーザー還元施策については、「モンストミリオンくじ」と「リアル版十二支再競争」を開催したが、新規ユーザーの獲得や離脱ユーザーの復帰などの面で効果があったという。ちなみにこれを実施した経緯だが、運用期間が4年目になることもあり、テレビCMなどのプロモーション施策の効果が徐々に薄れてきたことが背景だ。
また、動画コンテンツへの投資についても好評だったという。「モンストアニメ」セカンドシーズンと、スピンオフアニメ2作品を展開した。アニメを見てキャラクターを好きになってもらい、ゲームも遊んでもらう流れを考えており、アニメをもっと面白くしてよりゲームへの誘導を図りたいとのこと。アニメで登場したキャラをガチャに実装するなどゲームとの相乗効果を意識した展開が目立った。
マーチャンダイジング展開としては、東京・渋谷にXFLAGストアをオープンした。ストアには、カフェやステージスペースもあり、イベントなどで有効活用しているという。全体としては良好な状況にあると評価しているとのこと。
新規タイトルについては『ファイトリーグ』をリリースした。「継続率やUI設計にまだまだ課題がある」(森田氏)とし、秋頃をメドに改修をかけたうえで、大型プロモ―ションを行う考えだ。
▲メディアプラットフォームは前年同期比で営業利益が大きく伸びた。チケットフリマサービス「チケットキャンプ」の成長に加え、赤字を計上していたミューズコーが連結から除外されたためだ。「チケットキャンプ」については、3月に登録会員数が 300万人を突破するなど流通総額と利用者数ともに順調に拡大。このほか、家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」や「ノハナ」「minimo」なども徐々に成果が出てきているとのこと。
【関連記事】
・【速報3】ミクシィのメディアプラットPF事業の利益が2.6倍の8億円と急成長…「チケットキャンプ」の成長とミューズコーの連結除外が主な要因
・【速報2】ミクシィ、近日再挑戦する中国版『モンスト』は日本と同じく「身近な人と遊ぶ」をコンセプトに
・【速報1】ミクシィ、『ファイトリーグ』は改修したうえで秋頃に大型プロモ―ション…森田社長「継続率やUI設計にまだまだ課題」
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121