【DeNA決算説明会】2Qの「ゲーム事業はほぼ横ばい」(守安社長) ベイスターズが過去最高の観客動員ペース メディア事業は医療系の「WELQ」は対象外に


ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、8月9日、2018年3月期の第1四半期(4~6月)の決算発表を行うとともに、東京都内で決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された2018年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算(IFRS)は、売上収益364億円(前年同期比4.8%減)、営業利益63億円(同13.0%減)、最終利益53億円(同3.0%減)となった。

説明会では、同社の守安功社長兼CEO(写真)が説明を行い、その後質疑応答が行われた。今回はその質疑応答の内容なども踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。


■ゲーム事業は前期4Q好調の反動減も期初の想定通り


まずは業績を四半期推移で見てみると、売上収益は前四半期比4%増、営業利益は同42%増、最終利益は同2.8倍となった。ただし、これはスポーツ事業がプロ野球のシーズンインとともに伸びた影響が大きく、スポーツ事業を除くと、売上収益は前四半期比11%減となっている。

主力のゲーム事業については、売上収益は前四半期比11%減の243億円、セグメント利益は同22%減の73億円で着地した。前年度の第4四半期が2月に配信開始した『ファイアーエムブレムヒーローズ』の寄与などで好調だった反動などが出た格好だが、「期初の見通しに沿った水準になった」(守安社長)とのこと。
 

続いて費用面を見てみると、この四半期は売上原価のその他の項目がやや膨らんでいる。これは子会社DeNAトラベルにおいて、2017年3月期以前の一部取引に係る原価計上漏れなどの修正を行い、追加計上すべき売上原価8億7200万円を計上したためだという。基本的には一過性の要因によるものと言えるだろう。
 
 

■2Qのゲーム事業はほぼ横ばいの見通し


続いてセグメントごとの状況に目を移すと、ゲーム事業は好調だった前四半期比では減収減益となったが、アプリゲームについてはそれ以前と比べるとユーザー消費額も高水準を維持している。一方、国内ブラウザゲームについては漸減傾向が続く形となっている。ちなみに第2四半期の見通しについては、「ゲーム事業はほぼ横ばい」(同)を見込んでいるという。

なお、任天堂との協業については、従来発表していた内容から変化はなく、「『どうぶつの森』は基本的に今期配信予定。それ以外のタイトルも仕込みは行っているが、どのタイミングか公表するのは難しい」(同)としていた。
 


スポーツ事業は、着々と地域に根差した形で成長を続けている。横浜DeNAベイスターズの平均観客動員数は、ここまで前半戦38試合終了時点で過去最高を更新している。さらに横浜スタジアムの増築・改修計画も今年11月の着工に向けて準備が進められている。
 
 

■メディア事業は小学館と共同出資会社MERYを設立


旧キュレ―ション事業となるメディア事業は、小学館と共同出資会社MERYを8月8日に設立し、従来の「MERY」における運営体制を抜本的に刷新のうえ、全ての記事を新たなプロセスに則り作成する方針を打ち出した。編集方針などまだ詳細は煮詰まっていないもようだが、「従来のMERYの世界観は踏襲したい」(同)としていた。

まずは「MERY」が順調にいけばほかのメディアも考えていくとしていたが、医療系サイトの「WELQ(ウェルク)」は対象外にするとのことだ。
 

新規事業でそのほか動きがあったのは、オートモーティブ事業だ。横浜市と神奈川県タクシー協会の協力の下、AIを活用したタクシー配車アプリの実証実験を今年9月より実施する予定となっている。
 
 

■2Qは売上高4%減、営業益6%減と減収減益見込む


なお、同社は2018年3月期通期の業績予想は開示しておらず、第2四半期(4~9月)の業績予想のみを開示している。第2四半期の連結業績予想は、売上収益728億円(前年同期比4.9%減)、営業利益142億円(同6.7%減)、最終利益106億円(同5.6%減)の見込み。また、QonQでは売上収益は前四半期比0.5%減、営業利益は同1.9%増とほぼ横ばいの推移となる見通し。
 

(編集部:柴田正之)

 
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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