セガサミーHD、18年3月期は営業益40%減と大幅減益に 規制による遊技機事業の販売見直しが響く デジタルゲームは新作投入が想定を下回る

セガサミーホールディングス<6460>は、5月11日、2018年3月期の連結決算を発表、売上高3236億円(前々期比11.8%減)、営業利益177億円(同40.0%減)、経常利益145億円(同48.9%減)、最終利益89億円(同67.7%減)となった。
 

前年同期比で減収減益の着地となったものの、業績予想との対比では、売上高は予想比1.9%の未達ながら、各利益項目は営業利益が36.3%超過、経常利益は45.8%超過、最終利益は78.6%超過といずれも予想上回って着地した。これは遊技機事業の第4四半期販売タイトルにおいて、リユース部材の投入が想定以上に進んだほか、広告宣伝費などの営業費用の抑制に取り組んだことが要因となっている。

セグメント別の状況は以下のとおり。

①遊技機事業…売上高1056億円(前々期比28.7%減)、営業利益119億円(同54.7%減)
規則改正を受け下期の販売スケジュールの大幅な見直しを行ったことから、パチスロ遊技機においては8万5000台の販売(前期は21万5000台の販売)、パチンコ遊技機には14万台の販売となった(前期は13万8000台の販売)となった。

②エンタテインメントコンテンツ事業…売上高2,080億円(同1.2%増)、営業利益148億円(同32.8%増)
・デジタルゲーム分野
既存タイトルに加え、連結子会社f4samuraiが開発、運営している『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』や、パッケージゲーム『真・女神転生』シリーズ初のスマートフォン向けタイトル『D×2 真・女神転生 リベレーション』の配信を開始したものの、新作タイトルの投入数が当初の想定より下回った。

・パッケージゲーム分野
ソニックシリーズの新作『ソニックマニア』『ソニックフォース』などを発売したほか、海外展開を開始した『ペルソナ5』の累計販売本数が全世界で200万本を突破した。また、過去に発売したタイトルのリピート販売を行ったことから、販売本数は1,733万本(前期は1,028万本の販売)となった。

・アミューズメント機器分野
『UFO CATCHER』シリーズなどのプライズ機の販売のほか、CVTキットなどの販売を行い堅調に推移した。

・アミューズメント施設分野
既存のゲームセンター業態において、プライズを中心に施設オペレーションの強化に取り組んだ結果、国内既存店舗の売上高は前期比で101.9%となった。

・映像・玩具分野
2017年の邦画興行収入ランキングで1位を獲得した劇場版「名探偵コナンから紅の恋歌(ラブレター)」の配給収入やアニメのネット配信に伴う収入を計上したほか、玩具において「ディズニー&ディズニー/ピクサーキャラクターズ ドリームスイッチ」などの新製品や、「アンパンマン」シリーズなどの主力製品を中心に展開した。

③リゾート事業…売上高99億円(同23.7%減)、営業損益25億円の赤字(前期は22億円の赤字)
国内有数のリゾート「フェニックス・シーガイア・リゾート」において、「THE LIVING GARDEN」のオープンや、シーガイアプレミアムメンバーズクラブ会員の増加等により、利用者数は前々期比8%増となった。一方で、前期において屋内型テーマパーク事業の開発・運営会社株式の一部売却などを実施したことから、減収となった。また、IR(統合型リゾート)事業の本格化に向けた先行費用の発生などにより、前期比で損失幅が拡大した。

なお、2019年3月期通期の連結業績予想は、売上高3900億円(前期比20.5%減)、営業利益210億円(同18.5%増)、経常利益160億円(同9.7%増)、最終利益120億円(同34.4%増)の見込み。
 
セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
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