エディア<3935>は、7月18日、東京都内で2019年2月期の第1四半期(3~5月)の決算説明会を開催した。説明会に先立ち、7月13日に発表した第1四半期の連結決算は、売上高3億3600万円、営業損益1億600万円の赤字、経常損益1億2500万円の赤字、最終損益1億2600万円の赤字となった。
説明会では、同社の原尾正紀社長CEOが決算の概要や今後の成長戦略についての説明を行った。今回はその会見の様子をまとめてみた。
■売上高はQonQで60%増に ティームエンタテインメント子会社化が寄与
まずは、業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、2018年2月にティームエンタテインメントを子会社化して連結決算に移行したため、前四半期の単独決算との比較になるが、売上高は前四半期比60.8%増となり、各利益項目も赤字幅が縮小した。
なお、ティームエンタテインメントの寄与分を除く既存事業の売上高は2億2100円で、これも前四半期比で5.7%の増収となっている。原尾社長は「前期の3Qを底に売上高は増収トレンドに転じてきた」とし、今期の回復シナリオにあらためて意欲を見せていた。
期中のサービスの状況を見ると、2018年1月にギークスから運営権を取得したスマートフォンゲーム『SHOW BY ROCK!!』がこの四半期はフル寄与したことに加え、『MAPLUS+ 声優ナビ』で提供した「けものフレンズ」のキャラチェンジセットが好評だったとのこと。
また、子会社ティームエンタテインメントは、コラボカフェ事業で3月より2店舗目となる新店舗「mixx garden(ミックスガーデン)」を池袋にオープンした。
■新作4タイトルの事前登録を実施中 いずれも2018年内のリリース予定
続いて新作タイトルの状況に目を移したい。第1四半期期間中は新たなタイトルのリリースはなかったが、4月より本格3DサイバーパンクRPG『BALDR ACE』、5月より日本語版香港のGameoneが開発した美少女×ロボットシミュレーションRPG『魔法軍團 WarLocksZ』の日本語版の事前登録を開始した。
さらに講談社との共同プロジェクトとなる新作位置情報ゲーム『マップラス+カノジョ』と新作位置情報ゲーム『温泉むすめ ゆのはなこれくしょん』の事前登録も6月よりスタートしており、同社本体で4タイトルの事前登録が足元は行われていることになる。
これらのタイトルは、いずれも2018年内のリリース予定で、早いものは足元の第2四半期中のリリースとなる予定であり、下期以降の業績への寄与が期待される。
また、子会社ティームエンタテインメントとアイディアファクトリーが共同で発足させた女性向けレーベル「オトメイトレコード」から発売されたキャラクターCDシリーズ『和奇伝愛』のスマホゲームアプリ化も進められている。
女性向けゲーム市場への取り組みは、同社が重点施策にも掲げているものだが、原尾社長は女性向けゲーム市場について、「まったく未開拓の領域ではないが、一般の市場と比べるとまだ大きくはなっていない。スピードを考えてM&Aも行いながら展開していく」としていた。
■一二三書房の子会社化で事業領域が拡大 事業シナジー発揮への取り組みが課題に
直近のトピックスは、先日発表された一二三書房の子会社化だ。この子会社化により、「出版事業」「書籍事業」「グッズ企画販売事業」などに事業領域が拡大することになるが、同社が目指すクロスメディア展開へ事業シナジーを今後どう発揮していくのかが今後の成長に向けた1つのポイントになってきそうだ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社エディア
- 設立
- 1999年4月
- 代表者
- 代表取締役社長 賀島 義成
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 売上高32億7700万円、営業利益1億6100万円、経常利益1億5800万円、最終利益1億5000万円(2024年2月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3935