韓国のゲーム開発・運営会社であるNGELGAMES(以下、エンジェルゲームス)と、ケイブ<3760>は、モバイル向けの新作ゲーム『デビルブック』の日本国内における独占配信契約を締結した。これに際し、エンジェルゲームスのパク・ジフン代表と、ケイブの高野健一社長による調印式がケイブ本社で行われた。
『デビルブック』は、エンジェルゲームスと韓国のゲーム開発会社STARTER(以下、スターター)と共同開発したタイトルで、スマートフォン向けの2DアクションMMORPGになる。ケイブでは、2019年春に日本国内でサービスを開始していく考え。
▲ケイブの高野健一社長(左)とエンジェルゲームスのパク・ジフン代表(右)
今回、『デビルブック』の企画・開発に携わったエンジェルゲームスのパク・ジフン代表と、スターターのクォン・サング代表にインタビューを行い、ゲーム概要や特徴、魅力などを紹介してもらうとともに、韓国ではなく日本から先行してサービスを開始する理由について話を聞いた。
<以下、インタビュー>
エンジェルゲームス 代表
パク・ジフン氏
スターター 代表
クォン・サング氏
――:まず、会社のご紹介をお願いできますか。日本ではまだご存知のない方も多いと思いますので。
パク氏:エンジェルゲームスは、2013年に設立されたゲーム開発・パブリッシング会社で、約50名の開発スタッフが在籍しています。2016年に『ロードオブダイス』というタイトルをリリースしました。日本でもサービス提供されているタイトルですので、当社のことはご存じなくても、タイトルを聞いたことのある方はいらっしゃるのかもしれません。
当社のモットーは、「世の中にない新しいゲームを作ろう」ということです。『ロードオブダイス』のリリース後の2016年、世の中にない、新しい楽しさを提供できるゲームはないかと探しているとき、スターター社のクォン社長とお会いし、『デビルブック』の企画を紹介していただきました。両社が一緒になれば、より新しいゲームを作れると意気投合して取り組むことになりました。
クォン氏:スターターは、2016年4月に設立されたゲーム開発会社で、今回の『デビルブック』がデビュー作となります。日本では知られていない会社ですが、これをきっかけに知られる会社になる、という気持ちで開発しました。今回、ケイブさんと一緒にサービス展開することが決定して非常に嬉しいです。
――:どういったゲームになるのでしょうか。
パク氏:『デビルブック』は、もともとファンタジー系の2DアクションRPGとして開発していましたが、現在ではアクションMMORPGとなっています。一般的なMMORPGはゲーム開始時に剣士や魔法使いなどジョブを選ぶことが多く、そのキャラを育てていくことになります。『デビルブック』は、さらに収集型RPGの要素が楽しめます。集めた3体のキャラクターでデッキを組んで属性と組み合わせを考慮しながら戦略的な戦闘を楽しめるのがポイントになります。
クォン氏:ゲーム内に盛り込みたいと考えていた主要システムはほぼ整っている状態で、現在は、ユーザーが楽しめるコンテンツを追加しています。そのうえで日本サービスに向けたローカライズ、カルチャライズを行っていく予定です。
――:もともとアクションRPGだったとのことですが、どのようなきっかけでMMORPGになったのでしょうか。
パク氏:2016年にスターターのクォン社長と出会った時、MMORPGとして開発すると、ゲームの持っている魅力や楽しさをより多くのユーザーが互いに交し合えるのではないか、と提案したことがきっかけです。世界観も独特で、童話のような、鉛筆で描いたような感性を持つテイストが魅力だと感じました。現在の市場にはないものだと思います。
クォン氏:アクションRPGとして開発していた時、ノートに鉛筆でプロトタイプのキャラを描いていたのですが、偶然、鉛筆で書いたようなキャラが魅力になるのではないかと感じ、ゲームに入れてみようと考えました。MMORPGに変更しましたが、キャラクターの収集とカスタマイズもできますので、多くのユーザーが互いに感性を交わし合うようなゲームにしていきたいと思っています。
パク氏:スターターに出会う前、この切迫した世の中で、勇者たち(プレイヤー)の心を癒すゲームを作りたいと思っていました。『デビルブック』に出会った時、童話のような世界観が人の心を暖かくしてくれる作品だと思いました。
――:そもそもの疑問なのですが、なぜ韓国からではなく、日本からリリースしようとお考えになったのでしょうか。
パク氏:日本は、新しいゲームを受け入れてくれる国、新しいゲームの好きな国だと思っています。私は「世の中にないゲームを作る」がモットーとお話しましたが、日本は、それにぴったりの国です。弊社が開発した『ロードオブダイス』についても韓国より日本で先行リリースしました。現在、韓国や中国はもちろん、日本でも色々なジャンルのゲームがすでに出ていて、レッドオーシャンといえる状態です。そういう市場に出すことで、多くのユーザーの感性に響くのではないかと思いました。
クォン氏:より大事な要素としては、ゲームがいくら良くても、日本のユーザーたちの感性に合わせて「ローカライズ・カルチャライズ」する意思のあるパートナーがいないといけません。そういうパートナーを探していたところ、『デビルブック』のゲームとしての面白さや魅力、ポテンシャルを情熱的に分析してくれたケイブさんと出会うことができました。ケイブさんと組むことができるからこそ、こうやって日本展開することができると思っています。
――:最後に日本のユーザーにメッセージをお願いいたします。
パク氏:私たちは韓国人ですが、日本の若者の置かれている状況と共通する点が多いと思っています。若者たちは辛くて寂しくて疲れています。就職してお金を稼がないといけない、結婚して家庭を築かないといけない…など様々なプレッシャーがかけられます。こうした世の中で、SNSなどでコミュニケーションを取っていますが、『デビルブック』で遊ぶことで疲れた気持ちが癒やされながら楽しめる――そんなゲームとして届けたいと思っています。
クォン氏:私も10年近くゲーム開発をしていますが、気持ち的にも疲れている中で今回のゲームを開発しました。自分たちもこのゲームを作りながら、このゲームから癒やされ、そして力をもらった部分も大きかったと思っています。日本の皆さんにもそういったゲームとして届けられたらと考えています。
――:ありがとうございました。
© 2018 CAVE Interactive CO.,LTD.
NGELGAMES CO.,LTD.
STARTER.LLC
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ケイブ
- 設立
- 1994年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高122億7400万円、営業利益18億7000万円、経常利益19億4300万円、最終利益14億4100万円(2024年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3760