【モバイルファクトリー決算説明会】QonQで減収減益も「四半期推移は想定通り」(深井取締役) DApps開発キットβ版を「4Qにリリース予定」(宮嶌CEO)
モバイルファクトリー<3912>は、10月19日、東京都内で第3四半期の決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された2018年12月期の第3四半期累計(1~9月)の連結決算は、売上高21億3500万円(前年同期比22.2%増)、営業利益5億8400万円(同7.1%増)、経常利益5億8300万円(同9.6%増)、最終利益4億200万円(同9.6%増)となった。
説明会では、同社の宮嶌CEO(写真)がブロックチェーン関連の取り組みの進捗状況を説明し、深井取締役が今回発表された2018年12月期の第3四半期決算の説明した後、質疑応答が行われた。その内容なども踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
■『駅メモ!』の6月の周年イベントの反動で位置ゲームが減収に
まずは第3四半期期間(7~9月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比3.4%減の7億6600万円、営業利益は同10.5%減の2億1100万円、経常利益は同10.3%減の2億1100万円、最終利益は同10.5%減の1億4600万円と減収減益となった。主力タイトルの『ステーションメモリーズ!』(以下『駅メモ!』)が6月に4周年キャンペーンを実施し、好調だった反動が出た格好だが、「四半期推移は想定通り」(深井取締役)とするなど、おおむね会社側計画通りの推移となったようだ。
その『駅メモ!』に代表される位置ゲームの第3四半期期間の数字を見ると、売上高は前四半期比2.7%減の5億8900万円となった。『駅メモ!』のDAU(日次アクティブユーザー数)は過去最高を更新したものの、前四半期に前述の通り周年キャンペーンを実施した反動が出た格好だ。
続いて、売上原価と販管費の推移を見ると、どちらも前四半期比横ばいの推移となっている。売上原価が前四半期から高止まりしているように見えるのは、『駅メモ!』のパブリッシャーがフジゲームスからモバイルファクトリーの子会社ジーワンダッシュに変更となり、売り上げがネットからグロスに変更になったため。
一方、販管費については、広告宣伝費がROAS(広告の費用対効果)管理による抑制の成功で「効率が良くなったため」(同)に前年同期と比較すると大きく減少する形になっている。
■9月終了の『レキシトコネクト』のキャラデータを手元に残せるDAppsをリリース
続いてサービスの状況を見てみたい。まずは同社が注力分野として取り組むブロックチェーン関連は、プロジェクトの第一弾となる分散型アプリケーション(DApps)ブラウザ「Quragé」(クラゲ)のiOS版をリリースした。また、9月にサービスを終了した位置ゲーム『レキシトコネクト』のキャラデータを手元に残せるDAppsである「HL-Report」をリリースした。さらに足元は、開発者向けDApps開発キット「Uniqys Kit」のβ版を鋭意開発中で、「第4四半期にリリースする予定」(宮嶌CEO)としていた。
位置ゲームについては、アクティブ率向上施策としてIPコラボに引き続き取り組んでいるほか、地方創生に向けたO2Oの取り組みも継続して進めている。なお、ゲームに関しては新作タイトルの開発を現在は行っておらず、第4四半期も既存タイトルを伸ばすことに注力していくとのこと。
2018年12月期の連結業績予想については、スマートフォンアプリ市場の事業変化が激しく、ブロックチェーンを活用した新規サービスの状況についても不確実性が高いことから適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、引き続き非開示としている。ちなみに第4四半期期間は、主力タイトルの『駅メモ!』が11月にアプリ版の周年イベント(6月はコロプラ版の周年イベント)を実施する予定で、例年は前四半期比で売り上げを伸ばす傾向となっている。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社モバイルファクトリー
- 設立
- 2001年10月
- 代表者
- 代表取締役 宮嶌 裕二
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3912