KADOKAWA、第1四半期の営業益は8.7倍 出版とゲーム・映像好調、「ニコニコ」などWeb黒字転換 「SEKIRO」は海外収益が想定を上回り大きく貢献

KADOKAWA<9468>は、本日(8月8日)、第1四半期(4-6月)の連結決算を発表し、売上高497億4500万円(前年同期比0.2%増)、営業利益34億7100万円(同769.0%増)、経常利益36億4300万円(同227.7%増)、最終利益26億0300万円(同606.5%増)だった。

大幅な増益となったが、出版と映像・ゲームが好調に推移したことに加えて、Webサービスもコスト削減効果で黒字転換したことが主な要因だ。

 


セグメント別の状況は以下のとおり。


[出版事業]
売上高は275億8200万円(同3.8%増)、セグメント利益(営業利益)は19億1000万円(同84.2%増)だった。

電子書籍・電子雑誌は、市場動向を徹底注視した施策が奏功し好調に推移した。書籍は、「ダンジョン飯(7)」(コミックス)、「魔法科高校の劣等生(28)」(ライトノベル)、「三鬼三島屋変調00物語四之続」(一般文庫)、「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」(一般書)等が好調に推移した。また「Fate」、「文豪ストレイドッグス」、「賢者の孫」等のシリーズ作品が好調に推移した。

なお、2020年度からフル稼働を予定している最新鋭の製造・物流拠点においては、工場建設やシステム整備等がスケジュール通り順調に進捗した。


[映像・ゲーム事業]
売上高は121億4700万円(同8.9%増)、セグメント利益(営業利益)は22億8200万円(同160.1%増)だった。

北米、中国を中心としてアニメ「オーバーロード3」、「盾の勇者の成り上がり」等の海外ロイヤリティ収入が引き続き好調に推移した。また、IPを活用し、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾が収益貢献した。加えて、ゲーム「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」の海外ロイヤリティが想定を上回り収益に大きく貢献した。


[Webサービス]
売上高は65億3800万円(同3.5%減)、セグメント利益(営業利益)は5億3400万円(前年同期は4億1100万円の赤字)となった。

「ニコニコプレミアム会員」は、6月末には175万人(3月末は180万人)となったが、減少傾向はやや緩やかとなった。他方、「ニコニコチャンネル」の有料会員数は101万人(3月末は95万人)まで増加した。4月開催の「ニコニコ超会議2019」では、会場来場者数16万8248人と過去最高の会場来場者数を記録するとともに、コストコントロールにより赤字幅は縮小した。前期よりドワンゴで事業構造改革を推進しており、コスト削減効果等の成果が着々と表れてきているという。

なお、六本木の「nicofarre(ニコファーレ)」および池袋の「ニコニコ本社」は7月末に営業終了した。これら施設のコンセプトは、11月に池袋にオープンする「ハレスタ」へ継承し、ネットとリアル、そしてバーチャルの融合を実現するコンテンツ発信拠点として、様々な文化を世界へ発信していく。


 
■2020年3月通期の見通し

続く2020年3月通期は、売上高2170億円(前期比4.0%増)、営業利益54億円(同99.4%増)、経常利益62億円(同47.4%増)、最終利益38億円(前期は40億8500万円の赤字)を見込む。

 
株式会社KADOKAWA
http://www.kadokawa.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社KADOKAWA
設立
1954年4月
代表者
代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
決算期
3月
直近業績
売上高2581億900万円、営業利益184億5400万円、経常利益202億3600万円、最終利益113億8400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9468
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