エイチームのゲーム事業、スマホ専業から方針転換 IP×マルチデバイス展開でグローバル市場を狙う 背景に市場成長鈍化の一方、開発費10倍と収益性低下
エイチーム<3662>は、9月13日、2019年7月期の決算説明資料で、ゲームを中心としたエンターテインメント事業の方針転換を行うことを明らかにした。IPタイトルとグローバル展開を軸にしつつ、スマホゲーム専業から家庭用ゲームやPCゲームも含むマルチデバイス展開を行う。
開発パイプラインは、2020年7月期にリリース予定のスマートフォンのカジュアルゲームが1タイトル、そして、マルチデバイス対応で、2021年7月期以降のリリース予定タイトルが2本となっている。いずれもIPを活用し、グローバル多言語展開を行う。
2019年7月期のエンターテインメント事業は、既存のゲームアプリが減衰する一方、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト –Re LIVE-』など新作で補うことができず、売上高125億7700万円(前の期比22.2%減)、セグメント利益15億3200万円(同57.3%減)と減収減益だった。
この背景には、国内スマホゲーム市場の成長が鈍化する一方で、開発コストが大きく伸びており、利益水準が低下していることがある。同社によると、2018年のリリースタイトルの開発費は、2012年リリースタイトルに比べて10倍に膨らんだとのことだった。
それに対し、今後のターゲットとなるグローバルゲーム市場は拡大が見込まれている。スマートデバイスはもちろん、コンソールゲーム、PCのダウンロード型のゲームの合算の市場規模は、2022年には1960億ドルと2018年比で41.3%増になるとの予測があるという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662