マーベラス、20年3月期通期予想を下方修正…営業益は38億円→23億円に オンライン事業の新作が想定に届かず 資産計上していた開発費も評価減

マーベラス<7844>は、1月31日、2020年3月期通期の連結業績予想の修正を発表、売上高は従来予想260億円から240億円(増減率7.7%減)、営業利益は同38億円から23億円(同39.5%減)、経常利益は同38億円から23億円(同39.5%減)、最終利益は同26億円から15億円(同42.3%減)といずれも下方修正された。
 

修正の理由は、オンライン事業において、今期リリースした新作タイトルが当初想定していた収益を十分に上げることができていない状況にあるため。また、今期中にあと2つの新作をリリース予定であるが、リリース時期の見直しやクオリティ向上のための開発延長で来期以降にリリースを延期した。

さらに、成績不振の一部タイトルについては、将来の収益性をかんがみ、資産計上していた開発費を評価減し、原価計上した。これらの要因により、売上・利益ともに期初に発表した通期連結業績予想数値を下回る見込みとなっている。

なお、配当予想については、当初予想の期末配当金33円を維持している。

また、同時発表した第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高185億4600万円(前年同期比8.2%減)、営業利益21億1100万円(同49.9%減)、経常利益21億3500万円(同50.2%減)、最終利益13億3600万円(同53.0%減)となった。
 

各セグメント別の状況は以下の通り。

①オンライン事業…売上高59億7500万円(前年同期比13.5%減)、セグメント利益1億2000万円(同86.3%減)
リリースから3年目に入った『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』が堅調な推移となったが、12月で6周年を迎えた『剣と魔法のログレス いにしえの女神』をはじめとする長期運営タイトルの売上が減少した。

また、スマートフォン向けの新作タイトルとして、ログレスシリーズの最新作『ログレス物語(ストーリーズ)』を9月18日に、中国発の弾幕シューティングRPG『ガール・カフェ・ガン』を9月20日に配信開始したが、期待通りの収益を上げることができなかった。さらに、一部タイトルについては、将来の収益見込みを見直し、資産計上していた開発費を評価減した。

②コンシューマ事業…売上高87億1400万円(同10.1%増)、セグメント利益19億3600万円(同27.0%減)
ゲームソフト販売部門は、シリーズ初のNintendo Switch向けタイトル『牧場物語 再会のミネラルタウン』を10月17日に発売し、好調なセールスを記録した。また、「ノーモア★ヒーローズ」シリーズ最新作『Travis Strikes Again: No More Heroes Complete Edition』のPS4版を同じく10月17日に発売し、Windows PC版を10月18日より配信開始した。さらに、海外アクイジションタイトル「CONTROL(コントロール)」をPS4向けに12月12日に発売した。

アミューズメント部門は、キッズアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」が、引き続き好調に推移した。しかし、前期の第2四半期に実施したソフトウェア資産などの売却による一時収入からの反動減が前年同期比において大きく影響した。

③音楽映像事業…売上高38億7400万円(同28.1%減)、セグメント利益11億2700万円(同32.8%減)
音楽映像制作部門は、劇場版プリキュアの最新作「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」が10月に公開となった。ステージ制作部門は、「ミュージカル『テニスの王子様』秋の大運動会2019」を10月に、「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』コンサート Rails Live 2019」を10月と11月に開催した。

また、今期の完全新作として、テレビアニメ化もされた人気漫画「血界戦線」を舞台化した「舞台『血界戦線』」を11月に、人気ゲーム「ペルソナ5」を舞台化した「PERSONA5 the Stage」を12月に公演した。しかし、前期と比べてステージ公演のパッケージや関連商品の販売が減少した。

 
株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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