コロプラ<3668>は、2月5日、2020年9月期の第1四半期(10~12月)の連結決算を発表した。今回はその決算内容を同日に実施されたテレフォンカンファレンス(電話会議)による説明会の内容も踏まえながらまとめてみた。
■『ドラクエウォーク』のフル寄与で既存タイトルの落ち込みをカバー
まず初めに業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比1.3%減の111億9400万円とほぼ横ばいでの着地となり、営業利益は同57.1%増の38億6200万円、経常利益は同127.6%増の38億400万円、最終利益は同121.3%増の26億9900万円と大幅な増益を達成した。
売上高は、前四半期に同社の主力タイトルである『白猫プロジェクト』(以下『白猫PJ』)が周年イベントを開催していた反動もあり、例年通り既存タイトルの売上が減少した。その一方でスクウェア・エニックスとの共同タイトル『ドラゴンクエストウォーク』(以下『ドラクエウォーク』)が四半期にわたってフル寄与したことで、その減少分をカバーした。なお、既存タイトルは、『白猫PJ』が周年に加え、前四半期に「ソードアート・オンライン」コラボを開催して好評を博していた反動もあって、「落ち込みが想定以上だった」(馬場社長)とのこと。
一方、各利益項目が大幅増益となったのは、『ドラクエウォーク』の収益計上が、相対的に利益率が高くなるネット計上であることに加え、広告宣伝費や外注費などのコストコントロールが奏功した結果となっている。ちなみに各利益項目とも2019年9月期の通期実績(営業利益29億5200万円、経常利益16億5500万円、最終利益10億7000万円)を大きく上回る数値となっている。
従業員数は、前四半期比で24人減の1350名となった。なお、4月にはグループ全体で58名の新入社員が入社する予定としている。
■FY19ものの売上が全体の半分を占める52億円に
リリース時期別売上推移を見ると、前四半期と売上全体の規模感は変わらないものの、その中身が大きく変わっていることが見て取れる。『ドラクエウォーク』を含むFY19ものが全体の半分を占める52億7200万円となった一方、『白猫PJ』を含むFY14ものは17億7700万円と前四半期比で半減以下の売上になっている。また、『アリス・ギア・アイギス』を含むFY18ものも堅調な推移となった。FY18ものは、その『アリス・ギア・アイギス』が1月に周年イベントを実施していることから次の第2四半期も順調な推移が期待されるところだ。
自社IPの展開については、『白猫PJ』のTVアニメ「白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE」のプレス向け発表会・試写会を実施した。また、女性向けゲーム『DREAM!ing(ドリーミング!)』の舞台化が決定した。舞台は2020年12月に上演される予定となっている(関連記事)。
■新作パイプラインは11本 「自社IP派生」タイトルも開発中
スマートフォンゲームの新作パイプラインは、前四半期比で1本増加の11本となった。他社IPタイトルの4本に変更はなく、自社IPタイトルが6本から7本に増加している。また、文言として「自社IP派生」という表現が登場しており、同社がこれまで育ててきた自社IPを活用したタイトルの開発も進められているもようだ。
新作については、年間3~4本程度のリリースを行うことを基本方針としており、「20年9月期も3~4本を予定」(同)しているとのこと。
なお、2020年9月期通期の予想は非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、グループの業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難としている。
『ドラクエウォーク』は1月に上級職を開放しており、今後も継続的にユーザの声に応えることでより長く遊んでもらえる運営を行っていくとしている。ちなみに『ドラクエウォーク』については、「ドラクエ」というIPの特性上「非常にやりこむユーザーが多い」(同)とのことで、「コンテンツをどれだけ用意できるか」(同)が重要なポイントとなっているという。
また、費用については、広告宣伝費は約9億円の予定だが、新作次第で変動する可能性があるとしている。また、この四半期は抑えられていた外注費も新作のリリースが近づくにつれ、増加する見込みとのこと。
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668