【決算まとめ①】ゲーム関連企業32社の10-12月…DeNAの大幅赤字がサプライズに 『DQウォーク』など大手ゲームとスマホ専業の共同タイトルが躍進

2020年も3月に入ったが、主要モバイルゲーム企業の2019年10~12月期の決算を振り返ってみたい。今回の決算期よりテーマごとに少し切り分けた形で取り上げたいと思うが、今回は10~12月期の決算シーズンの主要モバイルゲーム企業の決算の概略をまとめてみた。

なお、これまでの記事と同様に決算期の都合で、gumi<3903>とエイチーム<3662>の数字が2ヶ月前の数字となっているほか、ネクソン<3659>のモバイル事業の売上高も掲載している。また、サイバーエージェント<4751>(表中はCA)は、ゲーム事業の数字のみを取り上げている。

さらに今回より、ギークス<7060>とイマジニア<4644>を集計データに加え、ゲーム事業からの撤退、縮小の動きとなっているイグニス<3689>とエディア<3935>は除外している。
 

■DeNAの大幅な赤字計上がネガティブサプライズに 


19年10~12月期は、全体的な印象として、利益率が大きく低下した。売上は前四半期、前年同期をともに上回る水準となったものの、それに利益が伴っていない状況だ。そうした印象に大きく影響を与えているのは、やはりDeNA<2432>、ミクシィ<2121>の2社が赤字に転落したことだろう。特にDeNAの大幅な赤字は大きなサプライズとなった。

一方、9月12日にリリースされたスクウェア・エニックスの新作『ドラゴンクエストウォーク』のヒットで、コロプラ<3668>の収益が大きく改善しているように市場の流れに変化の波も広がってきている。先日2月28日にgumi<3903>が、『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争(FFBE幻影戦争)』の寄与で業績予想の修正を発表したこともそうした流れの1つだろう。

企業間の合従連衡が成果として実ってきているとも言え、先日新たに発表されたスクウェア・エニックスとAiming<3911>の共同開発タイトル『ドラゴンクエストタクト』もこれに続くことになるのか注目されるところ。
 

この四半期決算では、32社中の17社が増収、15社減収とやや増収の企業が多かった。ただし、いわゆるクリスマス・年末商戦期となるが、バンダイナムコHD<7832>が減収となるなど玩具業界にはやや寒い商戦期となったようだ

なお、32社を売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる(並びはコード順)。

増収増益…、コーエーテクモHD<3635>、モブキャストHD<3664>、オルトプラス<3672>、ケイブ<3760>、カヤック<3904>、Aiming<3911>、モバイルファクトリー<3912>、イマジニア<4644>、セガサミーHD<6460>、マーベラス<7844>、スクエニHD<9684>
増収減益…アクセルマーク<3624>、グリー<3632>、KLab<3656>、ドリコム<3793>、LINE<3938>、コナミHD<9766>
減収増益…ボルテージ<3639>、コロプラ<3668>、gumi<3903>、バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>
減収減益…ミクシィ<2121>、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、エイチーム<3662>、enish<3667>、アエリア<3758>、ガンホー<3765>、アカツキ<3932>、サイバーエージェント<4751>、ギークス<7060>、バンダイナムコHD<7832>、カプコン<9697>