角川グループホールディングス<9477>が1月28日に発表した第3四半期(4-12月期)累計の連結業績は、売上高1044億0100万円(前年同期比5.4%増)、経常利益59億8700万円(同91.8%増)、四半期純利益1200万円(同77.8%減)だった。
主力の出版事業が業績拡大のけん引役となり、同セグメントは売上高731億0300万円、営業利益67億3900万円となった。
ライトノベルやコミックがメディアミックス効果を生かして好調を維持したほか、実用書や新書、児童書など新たな領域からヒット作が出た、としている。とりわけ、中経出版「『らき☆すた』と学ぶ化学[理論編]が面白いほどわかる本」は予想を上回る売れ行きになったという。
映像事業では、「涼宮ハルヒの憂鬱 Blu-rayBOX」、「涼宮ハルヒの消失」が大きく売り上げに貢献したが、邦画配給作品の興収目標未達や11月以降の劇場動員減が業績に影響し、売上高249億8100万円、営業損失5億3000万円。
クロスメディア事業では、広告事業が雑誌・ネットとも苦戦が続いていることや、新規事業として角川グループ独自のプラットフォーム「BOOK☆WALKER」iPad/iPhone版に係る先行費用が発生していることもあり、売上高208億3500万円、営業損失1億2800万円だった。
なお、純利益の大幅な減少については、投資有価証券評価損23億2500万円を計上したため。
■3月通期予想を上方修正
同時に、3月通期の業績予想を上方修正し、売上高1360億円(前回予想と変らず、前期比0.1%増)、経常利益70億円(同60億円、同30.2%増)、当期純利益23億円(同20億円、同60.9%増)とした。
同社では、ライトノベルやコミックのメディアミックス作品、ビジネス書、新書などの重版出荷が好調であり、またDVD/BDではアニメ作品の販売が増加しているため、としている。