DeNA、20年3月期は456億円の営業赤字 ngmocoののれんなど511億円を減損処理

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、本日5月14日、2020年3月通期の連結決算(IFRS)を発表し、売上収益1213億円(前の期比2.2%減)、営業損益456億円の赤字(前の期は135億円の黒字)、税引前損益402億円の赤字(同180億円の黒字)、最終損益491億円の赤字(同127億円の黒字)と減収・赤字転落となった。

大幅な赤字となったが、ngmocoののれんやソフトウェアをはじめ減損損失を計511億6500万円を計上したことが主な要因だ(関連記事)。あわせて、繰延税金資産の回収可能性についても慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額76億円を法人所得税費用に計上したとのことだ。

 


売上収益は、前の期比でゲーム事業やスポーツ事業等が増収となったものの、前連結会計年度中に譲渡を行ったペイジェントやDeNAトラベルが連結の範囲外になったことなどから、前の期比で減収となった。

売上原価と販売費及び一般管理費は、前の期比でそれぞれ増加した。新たな柱の構築を目指した成長投資に関する費用や、ゲーム事業における成長に向けたマーケティング費用、スポーツ事業での費用等が増加した。


①ゲーム事業
ゲーム事業の売上収益は838億円(前の期比0.3%増)、セグメント利益は142億円(同22.2%減)となった。2020年3月期は、ユーザ消費額は前の期比で増加したものの、限界利益率の高い年数を経たタイトルが減少傾向にあることや、新規タイトルの立ち上げに関する費用の増加等により、前の期比で増収減益となった。


②スポーツ事業
スポーツ事業の売上収益は201億円(前の期比11.5%増)、セグメント利益は12億円(同17.2%減)となった。横浜スタジアムでは、増築・改修が進捗し、2019年シーズンよりその一部の稼働を開始し、横浜DeNAベイスターズは、主催試合の入場者数増加や、クライマックスシリーズへの進出により好調に推移した。

しかし、第4四半期連結会計期間においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、例年3月下旬より開幕となる野球の公式戦が開始に至らず、また、バスケットボールについても、2020年3月27日に、B.LEAGUEにおいて、2019-20シーズンの残り試合の中止が決定された。


③オートモーティブ事業
オートモーティブ事業の売上収益は15億円(前の期比666.9%増)、セグメント損益は78億円の赤字(前の期は36億円の赤字)となった。2020年3月期は、次世代タクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の提供地域や利用の拡大に向けた取り組みを中心に積極的に投資を行した。

2020年2月4日には、同社及びJapanTaxi(注1)のタクシー配車アプリ等に関する事業の統合を2020年4月1日に行うことを公表した。当該開示に記載のとおり、同社は、2021年3月期より持分法適用会社となり、同社が運営してきたタクシー配車アプリ等に関する事業も含め推進している。


④ヘルスケア事業
ヘルスケア事業の売上収益は17億円(前の期比20.0%減)、セグメント損益は15億円の赤字(前の期は12億円の赤字)となった。「MYCODE(マイコード)」「kencom(ケンコム)」「歩いておトク」をはじめ、ヘルスケアサービスの分野における既存の提供サービスの利用は堅調に推移した一方で、ヘルスケア型保険やR&D分野等を中心に、将来に向けた先行投資を行った。


⑤新規事業・その他
新規事業・その他の売上収益は143億円(前の期比31.2%減)、セグメント損益は23億円の赤字(前の期は11億円の赤字)となった。当区分には、ソーシャルLIVEサービスをはじめ、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組みを含んでいる。
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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