スクウェア・エニックスは7月16日、スマートフォン向けアプリ『ドラゴンクエストタクト』(以下、DQタクト)をリリースした。
本作は、言わずと知れた大人気タイトル『ドラゴンクエスト』シリーズの最新作で、歴代シリーズに登場したモンスターたちを指揮して戦うタクティカルRPG。配信されるや否や、初日にダウンロード数100万件を突破。App Store無料ランキングで1位、App Storeセールスランキングで5位にランクインするなど、非常に好調な滑り出しを見せている。
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また、タイトルのみならず「キラーマシン」「にじくじゃく」などモンスターの名前がTwitterのトレンド入りするなど、とても大きな盛り上がりを見せている。なぜここまでユーザーの心を引き付けたのか、本作のストーリーや解説、魅力を交えながらプレイレビューをお届けする。
■伝説のタクトをもつニンゲンとモンスターたちが、まだ見ぬ世界を大冒険!
本作のストーリーの舞台となるのは、かつて邪悪な魔王が破滅へと導こうとした世界「オラクステラ」。伝説のタクトを持ったひとりの人間と、その仲間(モンスター)たちがお互いを信頼し合い、魔王を封印した。世界は平和になったが、この者たちの物語はなぜか語り継がれることはなかった。
時が経ち、ふたたびオラクステラに魔の手が迫ろうとしたとき、主人公の前に伝説のタクトが現れる……。
▲ゲーム開始直後、主人公は謎の人物より伝説のタクトを託される。タクトには、モンスターたちに指示を出すことでチカラを与える効果があるようだ。あとちょっとした照明になる。
『DQタクト』のストーリーは、ほかの『ドラゴンクエスト』シリーズとは異なる完全オリジナルとなっている。特に、モンスターたちのほとんどがニンゲンを見たことがないという世界観がユニークだ。バトルに勝ち進んでいくと王様に謁見できるトーナメント「マスターリーグ」など、先の展開が待ち遠しくなるストーリーが主人公を待っている。
トーナメント編が始まるのは名作のお約束なので、今後の展開も楽しみだ。伝説のタクトを主人公に託したのは誰なのか、この世界観にもしほかのニンゲンが登場したら……考察が捗る。
▲ストーリーにメインで出てくるのは、おしゃべりで超破天荒、つねに主人公たちを引っ張っていく「モナン」と、モンスターの情報が浮かび上がる不思議な巻物をもつ物知りスライム「スラクト」だ。
▲序盤をプレイした限りでは、ストーリーにシリアス展開はなく、どこかほのぼのとしていて微笑みながら気楽に進められる。文章が簡潔にまとまっているおかげで、非常に読みやすい印象だ。
■『ドラクエ』らしいコマンドバトルに、新たな戦略性を加える「マス目いどう」
ここからは、本作のバトルシステムについて解説していこう。バトルは、種類によってステータスや属性が異なるモンスターたちを集め、最大5体のパーティを編成してスタート。モンスターたちを指揮して敵陣営を攻撃し、目標を達成したらクリアとなる。
▲3Dでバリバリ動くモンスターのビジュアルは、非常にクオリティの高いものに仕上がっている。特にストーリーで流れる、ベビーパンサーやカンダタの見ごたえある登場ムービーは必見。
バトルシステムは、「すばやさ」の値が高いモンスターから順にターンが回ってきて、そのつどコマンドを選択して戦う、歴代『ドラゴンクエスト』シリーズと同じターン制だ。ただし本作には、マス目状のフィールドの上を移動させる、いわゆる「いどう」パートが存在するのが大きな特徴。移動できる距離はモンスターごとの「いどう力」によって異なり、これを踏まえてモンスターをどう動かすのかが、バトルのポイントになる。
▲移動に関しては『ファイアーエムブレム』や『スーパーロボット大戦』シリーズのシステムが近いかもしれない。ちなみに、コマンドを決定するまでは何回でもやりなおせるので、適当に移動させながら次の戦略を考えてもOK。
ターンが回ってきたら、モンスターを移動させてからコマンドを選択、という順序で指示していく。コマンドの種類は、通常攻撃の「たたかう」、MPを消費して強力な技を繰り出す「とくぎ」、指示した場所でとどまらせる「たいき」の3つだ。とくぎには特殊な効果や属性、攻撃範囲が設定されていて、遠距離から攻撃できる呪文や、複数の敵を同時に攻撃できるものも存在する。
モンスターを駒のように動かしていく様子は、かつてニンテンドーDSiウェアで配信された『ドラゴンクエスト ウォーズ』を思い出す人もいるのではないだろうか。
▲フィールド上には、障害物や宝箱が落ちていることも。どう障害物を利用したらバトルに勝利できるか、どう行動させたら宝箱にたどり着くかなど、戦略を立てる楽しさがある。
モンスターのいどう力や、使用するとくぎなどを考慮して指揮するのが、非常に面白い。いどう力が高いモンスターに特攻させて後ろから援護するか、障害物の裏に隠れつつ遠距離に届く呪文で一方的に攻撃するか……と戦略を考えている時は、さながら優秀な軍師になった気分に浸れる。特に、同じくらいの戦力の敵とバトルするときのほうが、筆者的にはモエる。
また、バトルの速度を倍速にしたり、自動でモンスターたちに戦ってもらうオート機能もあるので、いわゆる周回プレイがやりやすいのも良いポイントのひとつ。ちなみに、バトルそのものをスキップして報酬をゲットできるチケットも存在する。ステージごとに設定されたミッションをすべて達成していないと利用できないが、周回時間の短縮には非常に重宝する。
▲オート機能では「ガンガンいこうぜ」などの、『ドラゴンクエスト』シリーズおなじみの「さくせん」を設定可能だ。モンスターごとに設定できるので、うまく活用すればオートでの周回を安定させられる。
■RPGの醍醐味! モンスターを仲間にして育てていこう
モンスターを仲間にする条件は大きく分けてふたつ。スカウト(ガチャ)で引くか、バトル終了後にモンスターが「おきあがって」仲間になる(ドロップ)だ。こちらに拒否権はないので、仲間にしなかったモンスターが「さびしそうに さっていった」なんてことは起きない。また後述するストーリーモードでは、ミッション報酬としてゲットできる場合もある。
モンスターは強さによって上からS~Fのランクに分けられているが、ランクSのモンスターでなくても、使い方を工夫すればバトルで活躍できる。なので、スカウトの利用を縛ってプレイしている、なんて人もしばしば見かける。モンスターにニックネームを付けられるという素晴らしい機能もあるので、性能にこだわりが無ければ、自身の好きなモンスターを使ってプレイしても楽しい。
▲スカウトでは複数の演出があり、スラクトが出現するとランクSの排出が確定する。レアモンスターを狙ってスカウトをするときは、スラクト様を崇め奉ろう。
ちなみに『DQタクト』公式Twitterにて、最速リセマラの方法がアップされている。最初から強力なモンスターを揃えて始めたい場合は、こちらを参考にしよう。
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モンスターを入手したら、育ててバトルに使用できるところまで強化しよう。強化にはさまざまな方法があるが、まずは経験値をためてレベルアップさせるのが大事。どんなゲームでも鉄則のことがらだが、レベルが上がると新たなとくぎを覚えるので、本作においてもレベル上げは重要事項だ。また、特殊なアイテムを使ってレベル上限を引き上げることもできる。
▲経験値はバトルに勝利すると得られるほか、「経験値の古文書」を使用しても取得可能。ステージによっては、倒すと経験値を多くもらえる「メタルスライム」も登場する。
レベルアップ以外にも「とくぎの秘伝書」を使用して、通常では覚えないとくぎを覚えさせたり「そうび」を持たせてステータスを底上げ可能だ。このように、モンスターを自分の運用方法に応じてカスタマイズできる要素が充実している。モンスターへの愛着が日に日に増す一方だ。
▲そうびには「そうび錬金」という、素材を使ってそうびの特殊効果を付けなおす『マインクラフト』のエンチャントのようなやりこみ要素も存在する。
■毎日遊ぶに事欠かない、充実したモード
これまでシステムやモンスターを解説してきたが、結局そのモンスターたちはどんな状況で指揮して遊べるのか。ここでは、そんなプレイできるモードについて説明していこう。
モードは主に、物語を読みながら進行する「ストーリー」や「イベント」「育成クエスト」などが用意されている。なかでも「育成クエスト」では、前述したレベル上限を解放するためのアイテムやそうびが手に入るので、長く続けるユーザーはここを周回することになる。なお、本作はいわゆる「スタミナ制」を導入しており、ステージ挑戦毎に、規定のスタミナを消費。時間経過で回復する。
▲デイリークエストに挑戦できるのは一日一回だけだが「ぼうけん手帳」という課金アイテム(1ヶ月¥480)を購入すると回数が一回増える。バトルのスピード設定の「超はやい」も使用可能になるので、長く遊ぶとなるとオトクだ。
ほかにも「バトルロード」という、バトルに参加できるモンスターを制限される特殊なモードもある。条件によっては、低ランクモンスターのみで挑むステージもあるので、難易度は高め。スタミナ消費はなく、クリアしたときの報酬は非常に豪華なので、参加できるモンスターのレベルが上がってきたら、チャレンジしてみるといい。ちなみに、モンスターたちのここでしか見られないストーリーも読める。
▲バトルロードに参加できるモンスターは、ステージによって主に「スライム系」や「ドラゴン系」などの系統で分けられている。ひとつの系統を集めてパーティにしていると、特定のステージで猛威を振るうだろう。ちなみに、筆者のお気に入りは「アームライオン」なので、魔獣系ばっかり使っている。
長らく紹介してきたが、本作の魅力が少しでも伝わったのなら筆者はうれしい。今年の秋には『ドラゴンクエスト -ダイの大冒険-』の新作アニメも予定されているので、『ドラゴンクエスト』シリーズのタイトルとコラボ、なんて日も遠くないのかも……。リリースされて間もないタイトルなため、始めるなら今がチャンスだ!
(文 ライター:寺村一也)
■『ドラゴンクエストタクト』
© 2020 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
© SUGIYAMA KOBO
Developed by Aiming Inc.
※画面および映像はすべて開発中のものです。
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911