バンナムHD、21年3月期の営業利益を500億円から720億円に大幅上方修正 第3四半期は玩具とゲームの好調を受けて1.1%増の729億円

バンダイナムコホールディングス<7832>は、この日(2月8日)、2021年3月期通期の連結業績予想を上方修正し、営業利益は前回予想の500億円を220億円上回る720億円となる見通しと発表した。売上高も同様に6500億円を700億円上回る7200億円になる見通しとした。最終利益は330億円から360億円への修正にとどまるが、これはリアルエンターテインメント事業の事業構造改革に伴う費用を第4四半期において特別損失として約130億円を計上するため。

修正予想は以下のとおり。


【予想数字】
・売上高:7200億円(前回予想6500億円)
・営業利益:720億円(前回予想500億円)
・経常利益:740億円(前回予想505億円)
・最終利益:360億円(前回予想330億円)


【修正率】
・売上高:10.8%増
・営業利益:44.0%増
・経常利益:46.5%増
・最終利益:9.1%増
 


 
■第3四半期決算

同時に発表した第3四半期決算は、売上高5434億5600万円(前年同期比2.0%増)、営業利益729億2200万円(同1.1%増)、経常利益751億4400万円(同2.3%増)、四半期純利益506億3400万円(同4.3%減)となった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたが、国内外のトイホビー事業においてハイターゲット層(大人層)に向けた商品や新規IPを活用した商品等が人気となったほか、ネットワークエンターテインメント事業において、ネットワークコンテンツの主力タイトルや家庭用ゲームのリピート販売が好調に推移した。


・売上高:5434億5600万円(同2.0%増)
・営業利益:729億2200万円(同1.1%増)
・税引前利益:751億4400万円(同0.4%減)
・最終利益:506億3400万円(同4.3%減)
 


通期の修正予想に対する進ちょく率は以下のとおり。利益は100%を超えている。

【進捗率】
・売上高:75.5%
・営業利益:101.3%
・経常利益:101.5%
・最終利益:140.7%


セグメントごとの経営成績は以下のとおり。アミューズメント施設やライブイベントを行う事業は苦戦を余儀なくされたものの、主力の玩具やゲーム事業が好調だった。


[トイホビー事業]
売上高は2209億5600万円(同9.9%増)、セグメント利益は355億5000万円(同23.9%増)となった。

トイホビー事業については、国内において「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティング等が効果を発揮し好調に推移した。また、「仮面ライダー」シリーズ等の定番IP商品や新規IPを活用した玩具、菓子等の玩具周辺商材が人気となった。海外においては、小売店の休業による影響等を受けたが、アジア地域を中心にハイターゲット層に向けた商品等が安定的に推移した。


[ネットワークエンターテインメント事業]
売上高は2584億2700万円(同11.4%増)、セグメント利益は477億4600万円(同30.9%増)となった。

ネットワークエンターテインメント事業については、ネットワークコンテンツにおいて、ワールドワイド展開している「DRAGON BALL」シリーズや「ワンピース」、国内の「アイドルマスター」シリーズ等の主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。家庭用ゲームにおいては、新作タイトルに加え、「DRAGON BALL」タイトル、「TEKKEN(鉄拳)7」、「DARK SOULS(ダークソウル)」シリーズ等の既存タイトルのリピート販売が、ユーザーに向けた継続的な施策や、デジタル販売需要の高まりから、海外を中心に人気となった。


[リアルエンターテインメント事業]
売上高は425億1200万円(同38.4%減)、セグメント損失は97億4300万円(前年同期は11億5400万円のセグメント利益)となった。

リアルエンターテインメント事業については、新型コロナウイルス感染拡大を受け、国内外のアミューズメント施設等を休業したことにより、施設運営、業務用ゲーム機販売とも大きな影響を受けた。また、このような環境変化を受け、オンラインを活用したクレーンゲームの対応や、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進した。なお、国や地方自治体からの要請を受けて臨時休業した施設等の休業期間中の固定費を「新型コロナウイルス感染症に伴う店舗臨時休業等による損失」として特別損失に計上した。


[映像音楽プロデュース事業]
売上高は168億1500万円(同46.8%減)、セグメント利益は2億4500万円(同95.6%減)となった。

映像音楽プロデュース事業については、「ラブライブ!」シリーズや「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売等を行ったが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、ライブイベントの開催が中止となったことに加え、映像・音楽作品の制作スケジュールの遅れ等により、作品の公開やパッケージソフトの発売が延期となったことが業績に影響を与えた。また、このような環境変化を受け、無観客ライブイベントの配信等の環境変化に対応した新たなライブイベントへの取組みを行った。


[IPクリエイション事業]
売上高は162億9800万円(同39.1%増)、セグメント利益は26億6000万円(同24.3%減)となった。

IPクリエイション事業については、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の映像作品の制作や、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」によるIPの情報発信等により話題喚起をはかり人気となった。また、前の期に連結子会社となった創通が第1四半期より本ユニットに所属したことにより、同社の収益を計上する一方でのれんの償却が発生している。


[その他]
売上高は252億4400万円(同7.2%増)、セグメント利益は15億円(同9.8%増)となった。

その他事業については、グループ各社へ向けた物流事業、印刷事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。
株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
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