ガンホー、『ニンジャラ2』『ラグナロク:アドベンチャーズ』『ブレフロオリジン』などグローバル配信を前提とした新作9本を開発中 グループ連携も強化

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、2026年12月期第2四半期の決算説明会で、新作パイプラインの開発状況を明らかにした。現在、グローバル配信を前提とした新作タイトル9本を開発中で、PlayStation、Steam(PC)、Nintendo Switchなど家庭用ゲーム機・PC向けタイトルの開発比率が上昇している。
同社は近年、開発体制を拡充してパイプラインを増やしており、現時点では人件費や業務委託費など、新作タイトルに関する費用が先行しているという。今後は、このパイプラインから次のヒット作を生み出し、グローバル市場へ送り出すことを目指している。

■スマホ中心からグローバル市場へ 海外売上比率は約69%に
ガンホーはかつて国内スマートフォン向けゲームを中心としていたが、2016年頃からグローバル市場を見据えたゲーム開発へと方針を転換。現在はコンソール・PC向けタイトルを開発の中心に据え、特に自社の競争力を発揮できる分野としてアクションゲームに注力している。
また、オリジナルIPの新規タイトルをグローバルでヒットさせることを目標としており、そのためにスタジオの設立や子会社化を進め、必要な人員・技術力の確保にも取り組んできた。
こうしたグローバル化は売上構成にも表れている。海外売上比率は2016年の約11%から2025年度には約66%まで上昇し、2026年第2四半期には約68.6%となった。地域別ではアジアが56%と最大だが、北米8%、中南米2%となっており、今後の新作タイトルでは特に北米・欧州での売上強化を図る方針だ。
そのグローバル展開を支える存在となっているのが、韓国の子会社Gravityだ。
『Ragnarok』シリーズを中心に展開するGravityは、2017年頃からモバイル版『Ragnarok』のグローバル展開を本格化させ、業績を大きく伸ばしてきた。現在も複数の『Ragnarok』関連タイトルを異なる地域・タイミングで展開しており、特に東南アジアで高い人気を持つ。
■『ニンジャラ2 未知なる惑星』はSwitch 2専用で2027年春

今回、パイプラインの具体例として紹介されたのが、『ニンジャラ2 未知なる惑星』だ。
2020年にサービスを開始し、世界累計1200万ダウンロードを突破した『ニンジャラ』の次世代新作で、高速・爽快なガムアクションを引き継ぎながら、広大なフィールドを舞台とするオープンワールドタイトルへと進化する。
ソロプレイに加えて最大4人での協力プレイにも対応。Nintendo Switch 2専用タイトルとして2027年春にグローバル発売を予定している。
7月に米ロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2026」にもアメリカ子会社を通じて出展。グローバル発売に先駆けて試遊体験を提供し、多くの来場者から好評を得たという。
既存IPの続編でありながら、従来のゲーム性をそのまま拡張するのではなく、オープンワールド化によってゲーム体験そのものを広げている点も特徴となる。Switch 2という新たなプラットフォームの市場拡大余地も、新作パイプラインを支える要素として挙げられている。

■Gravityとの協業を強化 『ラグナロク:アドベンチャーズ』を国内配信へ

一方、モバイル向けではGravityとの協業を強化する。『ラグナロク:アドベンチャーズ』は、2025年に韓国や東南アジアでサービスを開始し、韓国のApple App Storeで人気ゲーム3位、シンガポール、フィリピン、タイ、マレーシアなどでもランキング上位を記録したタイトル。
縦画面、オートバトル、自由度の高いキャラクター育成を特徴とする「かんたんオートバトルRPG」で、ガンホーが国内で運営を担当する。2026年内の日本国内サービス開始を予定している。
さらに、今回の説明会では、このほかにもGravityの『ラグナロク』関連タイトルについて国内配信に向けた調整を進めていることを明らかにした。こちらについては準備が整い次第、情報を解禁するとしている。
■Gravityでは『Ragnarok』新作が相次いで登場

Gravity自身も複数の新作を抱えている。第2四半期には『Ragnarok Origin Classic』が韓国、台湾・香港・マカオ、東南アジアで好調に推移し、連結業績に大きく貢献したほか、『Ragnarok: The New World』も第1四半期に台湾・香港・マカオでランキング上位を獲得し、上半期の業績に貢献した。
今後も『Ragnarok M: Classic』、『Ragnarok Zero: Global』、『Ragnarok Origin Classic』の北米・中南米展開などが予定されている。さらに注目作『Ragnarok Online 3』についてもベータテストを実施するなど、リリースに向けた準備を進めている。
つまり、ガンホー本体の9本のパイプラインとは別に、Gravityでも『Ragnarok』IPを活用したグローバル展開が継続的に進められている格好だ。
■エイリムの『ブレイブフロンティア オリジン』も2027年に世界配信

もう一つ注目されるのが、2024年12月に子会社化したエイリムの新作だ。同社の看板IPである『ブレイブフロンティア』シリーズの最新作として、『ブレイブフロンティア オリジン』を2027年に全世界で配信する。
シリーズ累計3800万ダウンロードを突破したIPをベースに、「原点回帰」をテーマとしたスマートフォン向けドットRPGとして開発。iOS/Android向けに、日本語・英語など複数言語での展開を予定している。
『ニンジャラ2』がコンソール・PC市場を狙う一方、『ブレイブフロンティア オリジン』はスマートフォン市場、Gravityは『Ragnarok』IPによるグローバル展開と、それぞれ異なる強みを生かしたパイプラインになっている。
■先行投資フェーズから次の成長へ
今回の新作パイプラインで重要なのは、タイトルそのものだけではない。
ガンホーはコンソール・PC向け開発の比率を高める中で、一つのタイトルに必要な工数・人員が増加していることを説明している。そのため、スタジオ設立や子会社化によって開発体制を拡充してきた結果、現在は新作タイトルの開発費用が先行している状況にある。
実際、2026年第2四半期の決算説明でも、パイプライン増加に伴って業務委託費など新作タイトルの開発費用が先行していると説明。既存タイトルは概ね想定通りに推移する一方、新作への投資によって開発コストのベースラインが上昇しているとしている。
一方で、ガンホーの海外売上比率はすでに約69%に達している。かつての「国内スマホゲーム企業」から、Gravityなどの海外子会社を含めてグローバルにタイトルを開発・配信する企業へと事業構造そのものが変化している。
『ニンジャラ2 未知なる惑星』、『ラグナロク:アドベンチャーズ』、『ブレイブフロンティア オリジン』に加え、まだ詳細が明らかになっていないタイトルを含めて9本のパイプラインを抱えるガンホー。「次なるヒット作をグローバル市場へ送り出す」という現在の投資が、どのタイトルから成果につながるのかが、今後の業績を見るうえで重要なポイントになりそうだ。
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会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 坂井 一也
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高932億4200万円、営業利益50億5600万円、経常利益67億8000万円、最終利益14億700万円(2025年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイリム
- 設立
- 2013年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 髙橋 英士
- 決算期
- 4月





