GENDA、北米事業が7月に単月黒字化と着実な改善示す 巡回回数は1万6300回、システム統合トラブル後で最多に

木村英彦 取締役 編集長
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GENDA<9166>は、本日8月17日、投資家から寄せられた質問に回答する「よくある質問と回答(2026年8月)」を公開した。今回取り上げられたのは「北米の改善状況」と「事業の集中と選択に関する考え方」の2点だ。このうち北米事業については、7月度に単月黒字化を実現したことを明らかにした。2025年11月のシステム統合に伴うトラブル発生以降、北米事業が単月黒字となるのは今回が初めてという。

 

■北米事業、7月に単月黒字化

北米事業の改善については、6月の決算説明会でも多くの時間が割かれた。同社は第1四半期に北米事業が計画未達となったことを受け、通期の利益見通しを修正。一方、国内事業の上振れによって連結ベースの通期計画は変更しないとしていた。

当時の説明では、未達の主因として、北米5社の統合に伴うシステム統合の影響を挙げていた。統合後に現金回収業務の負担が増えたことで、拠点を巡回して集金や景品補充などを行うラウンダーの巡回回数が統合前と比べて約40%減少。特に2月の落ち込みが大きかったという。

これに対し片岡尚社長は、「何か新しい問題が発生したわけではない」と説明。当初想定していた課題への対応に時間を要しているものの、回復基調にあるとの認識を示していた。

今回のQ&Aでは、その後の改善状況について、より具体的な数字を示した。同社によると、ラウンダーの巡回回数は改善傾向にあり、7月度は1万6300回を記録。2025年11月のシステム統合に伴うトラブル発生以降で最多となった。

さらに、これに伴って業績も改善し、7月度には北米事業で初めて単月黒字化を実現したという。なお、この数字は速報ベースで、連結修正前の単純合算によるものとしている。

 

■改善策が実際のオペレーションに表れる

今回の回答では、北米事業の改善につながった具体的な施策についても触れている。一つは、北米本社による綿密なマネジメント。もう一つが、ラウンダーの稼働に対するインセンティブ制度の導入だ。さらに、システムについても新システムへの完全移行を実現。こうした取り組みを通じて、巡回回数を引き上げたとしている。

6月時点では「回復基調にある」という説明にとどまっていたものが、今回の開示では「巡回回数1万6300回」「統合後最多」「7月単月黒字化」という具体的な成果として確認できる形になった。特に、北米事業の収益改善を考えるうえでは、ラウンダーの巡回回数は重要な指標になりそうだ。

GENDAのアミューズメント施設事業では、店舗などに設置したゲーム機を巡回して集金や景品補充などを行うオペレーションが必要になる。システム統合によってこの現場業務が滞ったことが収益悪化につながっていたため、巡回回数が過去最高水準まで回復したことは、単なる一時的な数字以上の意味を持つ。

 

■第3四半期以降は統合シナジーも発現へ

GENDAは今回、第3四半期以降には統合に伴うコストシナジーも発現していくと改めて説明している。今後は改善したオペレーションを定着させるとともに、顧客が楽しめる売り場作りにも注力し、北米事業のさらなる拡大を目指す。

6月の決算説明会では、北米事業について「中期計画がややアグレッシブだった」との認識も示していた。

今回の「7月単月黒字化」という結果を見る限り、少なくともシステム統合によって一時的に悪化したオペレーションを正常化するというフェーズは、着実に前進していると見ることができそうだ。もちろん、単月黒字化はあくまで速報値かつ連結修正前の単純合算であり、これだけで北米事業の問題が完全に解消したと判断するのは早い。

今後は、巡回回数の改善が一時的なものに終わらず定着するのか、そして第3四半期以降に見込む統合シナジーが利益にどの程度反映されるのかがポイントになりそうだ。

 

■M&Aで拡大する一方、ノンコア事業は売却

今回の「よくある質問」では、もう一つ「事業の集中と選択に関する考え方」についても回答している。GENDAは2018年の創業以来、60件以上のM&A案件を手掛けてきた。その中心は、主力であるアミューズメント施設事業やカラオケ事業などの中核領域だという。

一方で、会社単位で株式を取得するM&Aでは、中核領域とは直接関係しない事業を一緒に引き継ぐケースもある。

こうした事業については、これまでも売却を進めてきたという。直近では、カラオケ機器ディーラーが本業だった旧・音通(現・ENNE)が、GENDAグループ入りする以前から手掛けていた駐車場事業の売却を決定。一部についてはすでに売却を完了している。

同社はこれらを、事業ポートフォリオを常に見直した結果としての「戦略的な判断」と説明している。今後もM&Aによる事業取得と事業売却を一体のものとして捉え、資金と人員を中核領域に振り向けることで、資本効率と経営効率をさらに高めていく方針だ。

 

■「買うだけ」ではなく、売ることでM&Aの効率を高める

GENDAのM&Aというと、これまで積極的な買収によって事業規模を拡大してきた点が注目されやすかった。今回の回答からは、M&Aによって会社を取得した後に、その中に含まれる事業を改めて見極め、必要であれば売却して事業ポートフォリオを組み替えるという考え方も明確になっている。

「M&Aで規模を拡大する」ことと「事業を集中させる」ことは一見すると逆方向にも見えるが、GENDAにとってはむしろセットになっている。中核領域を買収によって拡大し、そこに経営資源を集中。一方で、買収時に付随してきたノンコア事業などは売却する。

今回のFAQは、北米事業については「統合後のトラブルからの回復が数字として確認できる段階に入った」ことを示す一方、M&A戦略については「買収による拡大だけでなく、売却によるポートフォリオ最適化も進める」というGENDAの現在の経営姿勢を改めて示したものと言えそうだ。

 

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株式会社GENDA
https://genda.jp/

会社情報

会社名
株式会社GENDA
設立
2018年5月
代表者
代表取締役会長 片岡 尚/代表取締役社長 申 真衣
決算期
1月
直近業績
売上高1707億8700万円、営業利益74億2500万円、経常利益59億7900万円、最終利益36億5500万円(2026年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
9166
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