バンナムHD、21年3月期は営業益7.5%増の846億円 大人層向け玩具やゲーム事業けん引 映像プロデュースやアミューズメント苦戦

バンダイナムコホールディングス<7832>は、5月11日、2021年3月通期の連結決算を発表し、売上高7409億0300万円(前の期比2.3%増)、営業利益846億5400万円(同7.5%増)、経常利益876億1200万円(同9.8%増)、最終利益488億9400万円(同15.2%減)と増収・営業増益を達成した。

なお、最終利益がマイナスだが、新型コロナウイルス感染症に伴う店舗臨時休業等による損失30億5900万円や減損損失112億8400万円などを特別損失として計上したため。


・売上高:7409億0300万円(前の期比2.3%増)
・営業利益:846億5400万円(同7.5%増)
・経常利益:876億1200万円(同9.8%増)
・最終利益:488億9400万円(同15.2%減)


各事業において新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたが、国内外のトイホビー事業においてハイターゲット層(大人層)に向けた商品や新規IPを活用した商品等が人気となったほか、ネットワークエンターテインメント事業において、ネットワークコンテンツの主力タイトルや家庭用ゲームのリピート販売が好調に推移した。グループ全体では、幅広い事業のポートフォリオが効果を発揮する結果となった。

セグメントごとの経営成績は、次のとおり。


[トイホビー事業]
売上高は2960億1600万円(前期比16.7%増)、セグメント利益は382億2000万円(前期比43.0%増)となった。

国内において「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティング等が効果を発揮したことで好調に推移した。また、「仮面ライダー」シリーズ等の定番IP商品や新規IPを活用した玩具、菓子等の玩具周辺商材が人気となった。

海外においては、小売店の休業による影響等を受けたが、アジア地域を中心にハイターゲット層に向けた商品等が安定的に推移した。


[ネットワークエンターテインメント事業]
売上高は3441億5000万円(前期比4.9%増)、セグメント利益は573億5600万円(前期比30.7%増)となった。

ネットワークコンテンツにおいて、ワールドワイド展開している「DRAGON BALL」シリーズや「ワンピース」、国内の「アイドルマスター」シリーズ等の主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。

家庭用ゲームにおいては、「リトルナイトメア2」等の新作タイトルに加え、「DRAGON BALL」シリーズ、「TEKKEN(鉄拳)7」、「DARK SOULS(ダークソウル)」シリーズ等の既存タイトルのリピート販売がユーザーに向けた継続的な施策やデジタル販売需要の高まりから、海外を中心に人気となった。


[リアルエンターテインメント事業]
売上高は639億2300万円(前期比30.3%減)、セグメント損失は83億7900万円(前期は15億0200万円のセグメント損失)となった。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、国内外のアミューズメント施設等を休業したことにより、施設運営、業務用ゲーム機販売とも大きな影響を受けた。一方で、このような環境変化を受け、オンラインを活用したクレーンゲームの対応や、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進した。

なお、国や地方自治体からの要請を受けて臨時休業した施設等の休業期間中の固定費を「新型コロナウイルス感染症に伴う店舗臨時休業等による損失」として計上したことに加え、事業の構造改革に伴う費用として117億円を減損損失等で特別損失に計上した。


[映像音楽プロデュース事業]
売上高は280億8900万円(前期比40.2%減)、セグメント利益は9億6900万円(前期比87.9%減)となった。

「ラブライブ!」シリーズや「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売等を行ったが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、ライブイベントの開催が中止となったことに加え、映像・音楽作品の制作スケジュールの遅れ等により、作品の公開やパッケージソフトの発売が延期となったことが業績に影響を与えた。一方で、このような環境変化を受け、無観客ライブイベントの配信等の環境変化に対応した新たなライブイベントへの取組みを行った。


[IPクリエイション事業]
売上高は282億1300万円(前期比20.1%増)、セグメント利益は27億4000万円(前期比56.3%減)となった。

「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の映像作品の制作や、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」によるIPの情報発信等により話題喚起をはかり人気となった。また、前の期に連結子会社となった創通が第1四半期より本ユニットに所属したことにより、同社の収益を計上する一方でのれんの償却が発生している。


[その他事業]
売上高は340億8800万円(前期比9.8%増)、セグメント利益は14億4500万円(前期比7.4%増)となった。グループ各社へ向けた物流事業、印刷事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。


 
■2022年3月通期の見通し

続く2022年3月期は、売上高7500億円(前期比1.2%増)、営業利益750億円(同11.4%減)、経常利益760億円(同13.3%減)、最終利益520億円(同6.4%増)を見込む。


・売上高:7500億円(前期比1.2%増)
・営業利益:750億円(同11.4%減)
・経常利益:760億円(同13.3%減)
・最終利益:520億円(同6.4%増)
株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
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