トーセ、第3四半期(9~5月)決算は家庭用ゲームの大型案件完了で売上高37%増 スマホゲーム案件の大幅改修負担や新型コロナ対策の費用増で減益に

トーセ<4728>は、7月8日、2021年8月期の第3四半期累計(9~5月)の連結決算を発表、家庭用ゲームソフトの大型案件の開発が完了したことで大幅な増収となった。一方、スマートフォン向けゲームの開発案件で開発終盤以降に大幅な改修を必要とするものが生じたことや、新型コロナウイルス感染拡大防止のために出勤者への特別手当や在宅勤務手当などの費用が想定以上にかかったことで、各利益項目ともに減益となっている。

売上高41億9900万円(前年同期比37.4%増)
営業利益1億800万円(同11.1%減)
経常利益1億1700万円(同18.5%減)
最終利益2600万円(同61.2%減)
 

セグメントごとの状況は以下のとおり。

①デジタルエンタテインメント事業…売上高38億1900万円(前年同期比51.4%増)、営業利益6900万円(同2.4%減)
新型コロナウイルス感染拡大防止に取り組む中、新型ゲーム機である「プレイステーション5」や「Xbox Series X/S」向けゲームソフトの開発業務を遂行した。ゲームソフト関連の売上は、家庭用ゲームソフトの大型案件の開発が完了した結果、20億8500万円(前年同期比311.3%増)となった。

モバイルコンテンツ関連の売上は、大型のスマートフォン向けゲームの運営業務が安定的に継続していることから、運営売上が好調に推移した一方で、顧客からの開発業務の相談・引き合いについてはゲームソフト関連が増加する中、モバイルコンテンツ関連においては減少し、前年同期と比べて開発案件の完了も少なかったことなどにより、16億2700万円(同12.4%減)となった。

パチンコ・パチスロ関連の売上は、以前から需要の高いゲームソフト関連やモバイルコンテンツ、アミューズメントゲーム機関連に開発人員をシフトしていることから、1億600万円(同32.8%減)となった。

②その他事業…売上高3億7900万円(同28.7%減)、営業利益3900万円(同23.2%減)
コロナ禍による巣ごもり消費の拡大に伴い、引き続き家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上が伸長した。一方で、SI事業は、既存案件の追加開発を受注するだけでなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する期待感・必要性の高まりやコロナ禍における消費行動の変化を背景に、インターネットによる商品販売やプロモーションを望む企業との取引が開始したものの、前年同期に大型案件の開発完了があったことの反動減が生じた。

■通期予想の修正を発表
なお、2021年8月期通期の連結業績予想については、同時に業績予想の修正を発表(https://gamebiz.jp/?p=300116)しており、以下のとおり。

売上高61億3300万円(前期比8.8%増)
営業利益2億3500万円(同35.6%減)
経常利益2億4800万円(同35.8%減)
最終利益9700万円(同57.2%減)




 
株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高56億6200万円、営業利益4億6900万円、経常利益5億500万円、最終利益3億1000万円(2022年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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