東映、第1四半期の決算は営業利益48.4%増の37億円 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」引き続き大ヒット、アニメ関連のゲーム化権や商品化権も好調

東映<9605>は、この日(8月12日)、第1四半期(21年4~6月)の連結決算を発表し、売上高258億0500万円(前年同期比22.8%増)、営業利益37億3500万円(同48.4%増)、経常利益50億4000万円(同52.2%増)、最終利益18億5000万円(同207.3%増)と大幅な増益となった。主力の映像関連事業で「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が引き続き大ヒットしたほか、アニメ関連のゲーム化権や消費化権販売が好調に推移した、としている。

 

・売上高:258億0500万円(同22.8%増)
・営業利益:37億3500万円(同48.4%増)
・経常利益:50億4000万円(同52.2%増)
・最終利益:18億5000万円(同207.3%増)

 

  

セグメント別の状況は以下のとおり。

① 映像関連事業

映画事業では、提携製作作品等9本を配給し、このうち「いのちの停車場」がヒットし、「胸が鳴るのは君のせい」が堅調に稼働した。前の期に公開した作品では、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が大ヒットした。

テレビ事業では、「特捜9」「警視庁・捜査一課長」「機界戦隊ゼンカイジャー」等を制作して作品内容の充実と受注本数の確保に努め、キャラクターの商品化権営業は玩具の小売販売が厳しい状況に置かれるなか、堅調に推移した。

コンテンツ事業では、劇場用映画等の地上波・BS・CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、VOD事業者向けのコンテンツ販売等を行うとともに、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品やテレビ映画のDVD・ブルーレイディスク作品を販売した。

アニメ関連では、海外で「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売や「スラムダンク」のアプリゲームに加え、「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」、「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権販売が好調に稼働した。

以上により、当セグメントの売上高は203億2200万円(前年同期比10.6%増)、営業利益は46億2600万円(前年同期比8.7%増)となった。

 

② 興行関連事業

映画興行業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で興行収入は低調に推移し、第1四半期末現在において、214スクリーン体制(東映直営館4スクリーン含む)で展開している。以上により、当セグメントの売上高は25億8800万円(前年同期比682.9%増)、営業損失は2億7000万円(前年同期は営業損失10億3300万円)となった。

 

③ 催事関連事業

催事事業では、感染拡大防止策を徹底した上で「魔進戦隊キラメイジャー ファイナルライブツアー2021」「ムーミンコミックス展」などの各種イベントを開催したほか、映画関連商品の販売を行った。東映太秦映画村は、営業時間の短縮を行う等、営業活動が制限した影響で厳しい状況が続いた。以上により、当セグメントの売上高は7億8400万円(前年同期比229.8%増)、営業損失は2億5500万円(同営業損失3億7600万円)となった。

 

④ 観光不動産事業
不動産賃貸業では、「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」等の賃貸施設が稼働した。ホテル業においては、前の期より引き続き、新型コロナウイルス感染症の大流行や緊急事態宣言下の移動自粛要請等により宿泊・飲食需要が低迷し、非常に厳しい経営環境にある。国内外において感染収束の見通しが立たないなか、当事業は今後も一定期間にわたり影響を受けることが想定される。以上により、当セグメントの売上高は11億9500万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は3億4200万円(前年同期比7.9%減)となった。

 

⑤ 建築内装事業
建築内装事業では、景気見通しが不透明ななか、従来の顧客の確保及び受注拡大を目指して積極的な営業活動を行い、シネコン関係の工事を手掛けた。以上により、当セグメントの売上高は9億1400万円(前年同期比2.4%増)、営業損失は3900万円(同営業損失000万円)となった。

 

■2022年3月通期の見通し

2022年3月通期は、売上高1070億円(前期比0.6%減)、営業利益122億円(同6.1%減)、経常利益156億円(同16.6%減)、最終利益62億円(同14.9%減)を見込む。

・売上高:1070億円(同0.6%減)
・営業利益:122億円(同6.1%減)
・経常利益:156億円(同16.6%減)
・最終利益:62億円(同14.9%減)

 

 

通期計画に対する進捗率は売上高24.1%、営業利益30.6%、経常利益32.3%、最終利益29.8%となっている。

・売上高:24.1%
・営業利益:30.6%
・経常利益:32.3%
・最終利益:29.8%

東映株式会社
https://www.toei.co.jp/

会社情報

会社名
東映株式会社
設立
1949年10月
代表者
代表取締役会長 多田 憲之/代表取締役社長 吉村 文雄
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
9605
企業データを見る