【ハイカジ道】「Supersession ハイパーカジュアルゲームに関するインサイト」レポート…第三弾は「グローバルゲーム市場の動向とハイパーカジュアルにおける計測の重要性」

スマートフォン端末の機能を活かした直感的な操作方法、説明を必要としない明快さ、老若男女だれもが楽しめる万国共通のルールなど、ゲームの間口を広げるジャンルとして、スマートフォンアプリ市場において注目されているハイパーカジュアルゲーム。

gamebizでは、各社のハイパーカジュアルゲームにスポットを当てたレビューやインタビューを掲載するコーナー「ハイパーカジュアルゲーム道(ハイカジ道)」を展開している。


今回は、9月28日に開催された、モバイルアプリのビジネス・ソリューションをグローバルで展開するironSourceと、そのパブリッシングを担うソリューションであるSupersonic、そしてモバイル広告効果測定ソリューションを提供するAppsFlyerによる共同ウェビナー「Supersession ハイパーカジュアルゲームに関するインサイト」のレポート記事を、全3回に分けてお届けする。

ハイパーカジュアルゲームにおけるヒット作の作り方や、1つのコンセプトをビジネスへと成長させる方法など、日本のゲーム企業がグローバルでも活躍できるような知見を深めるための本ウェビナー。

3回目は、AppsFlyer Japan Industry lead, Gaming and Financeの大谷龍弘氏によるセッション「グローバルゲーム市場の動向とハイパーカジュアルにおける計測の重要性」。

▼第一弾「ハイパーカジュアルゲームで成功するための道のり」の記事はこちら
https://gamebiz.jp/news/334137

▼第二弾「ハイパーカジュアルゲームトレンド」の記事はこちら
https://gamebiz.jp/news/334314

「グローバルゲーム市場の動向とハイパーカジュアルにおける計測の重要性」

ハイパーカジュアル市場の動向と計測、そしてSupersonicとのケーススタディについて話を進めた大谷氏。

市場の動向について、大谷氏は「AppsFlyerは計測データを使って、皆様に市場のデータを伝えています」と、下のスライドを紹介した。

出展データは2020年のAppsFlyerのゲーミングマーケットのデータとなる。「成長し続けるモバイルゲーム市場である」ことを前提に、「2019年は84.7ビリオン(約9兆円)でしたが、2024年にはおよそ15兆円の市場に伸びる」と大谷氏は予測し、「まだまだ右肩上がりと言える」とした。

また、9兆円の中でアプリ内広告収益の割合は全体の約16%を占めているとし、「調査会社もコメントを出している通り、ハイパーカジュアルゲームアプリの成長が市場を牽引していると思う」(大谷)と話した。

実際、インストールベースでも、「各ゲームのバーティカルの中でさらに細かくハイパーカジュアルを見たとき、特に非オーガニックのインストールが前年に比べて250%増加している」と大谷氏。

冒頭説明された通りゲーム市場は伸びており、大谷氏は「ハイパーカジュアルが牽引しているのは間違いない」とし、「まさに広告クリエイティブをいかに工夫して世界展開できるかが、このバーティカルのカギになっている」と続けた。

では、どの国が成長を牽引しているのか? 下のマップを見るとトップ市場という所で、すでにモバイル人口が多い欧米を中心に、一部アジアが前年比の成長率が倍以上となっている。

グラフの通り、イギリス、フランス、アメリカと続いており、このカテゴリでは欧米中心に成長しているようだ。また、中国も2倍以上の成長を見せている。

さらに、「成長市場の前年比成長率は、まだまだインストールの絶対数は伸びていないが、一部日本の事業者でも中東、南米でヒットするタイトルが出てきている」と大谷氏。これらの国が2020年は前年比に対して非常に伸びており、イランは5倍も伸びているという。

大谷氏は「このようなデータはどんどん変わるが、AppsFlyerでは皆様に提供していきたい」と語った。

■Supersonic×AppsFlyer活用事例

次に大谷氏は、AppsFlyerのハイパーカジュアル活用事例を紹介。

Supersonicの課題に関しては、UAを拡大していく中でリスクを分散し、色々な広告媒体にテストしていくという話があったそうだ。

そこで成長率が高い新規のチャネルを開拓するため、AppsFlyerを活用しているという。大谷氏いわく「そこで細かい粒度、クリエイティブレベルで各KPIをしっかり分析し、そのプロセスを構築している」そうだ。

ソリューションについては、AppsFlyerの管理画面でリアルタイムROASや、クリエイティブごとのLTV、CPI、ARPUなどを分析できる基盤を、AppsFlyerのAPIのデータ連携システムなどを使って、SupersonicのBIシステムとのデータ構築をしているという。

また、Xpendによるコスト連携については、「AppsFlyerはマーケットシェアとしての強みがあり、各媒体とのデータ連携についてもパートナー数が多いので、そういったデータを活かし、Supersonicは媒体ごとのリルタイムROASの分析などのデータを常に見ていただいている」と大谷氏。新規の獲得媒体の案件では、複数のクリエイティブを常に異なる媒体にあげて、AppsFlyer上でリアルタイムにROASを分析しているとした。

その効果として、大谷氏は「CPIが1/2まで削減することができた」という。

「やはりデータをしっかりとって分析していただく。そこに貢献するのがAppsFlyerの強みです。実際にデータの構築基盤を作ってもらい、CPIがこれだけ削減できたことは非常にうれしく思います」とコメントした。

■ハイパーカジュアルのさらなるビジネスサポートのために様々な機能を構築

最後のパートでは、AppsFlyerがハイパーカジュアルのさらなるビジネスサポートに構築している様々な機能を大谷氏が紹介した。

「マーケットシェアは65%くらいで、19のグローバル拠点から世界展開をしている」と、まずAppsFlyerのマーケットシェアについて触れた大谷氏。「100%の独立性、公平性という所を、アトリュビューションの会社として重要視している」と語った。

また大谷氏は、「コスト連携できる数、広告収益のデータ連携などでしっかりデータ連携できることや、しっかり媒体別、アドネットワーク別にROASやCPIを追えるようになっている点、そしてパートナー数」も、AppsFlyerの強みの1つであるとした。


▲クリエイティブレベルのROASやLTVがどのように見えるのか、管理画面から抜き取った資料。「ハイパーカジュアルはKPIをシビアに見るため、これは有効活用できると思っている」(大谷)。

「昨今、アプリ業界のトピックスとなっているのが、ios14.5のアップデート」と切り出した大谷氏。SKアドネットワークという所にデータのマーケティングの主軸が一部移管されているが、「この影響でハイパーカジュアル業界自体もテストマーケがAndroidになるなどの変化が起きていると思うが、SKアドネットワークでもしっかりFacebook等API媒体でもデータが取れるようになっている」と、AppsFlyerの優位性を示した。


▲深い粒度でCPI等を計測可能。単純に媒体レベルだけでなく、「その後のキャンペーンレベルの所にブレイクダウンして、KPIをしっかり分析できる機能を提供する」(大谷)

そして、「よりハイパーカジュアルにおいて皆様のビジネスをサポートするために、一部機能の開発し、使い勝手が良くなっている」と、AppsFlyerの魅力を語った大谷氏。


▲API連携により、オンボーディングがスムーズになるなど、サポート機能も開発しているとのこと。

また、ハイパーカジュアルの事業者のために、「例えばクリエイティブレベルを異なる媒体でリアトリビューション分析する機能はないと思いますが、そういったものの機能開発も検討していきたい」(大谷)と、今後の展望も述べた。


▲クロスプロモーションの意義、ユーザーレベルのLTVに関する開発もできるように検討しているとのこと。

最後に大谷氏は、「特に日頃から皆様とお話をする中で、ios14.5になってからうまくiOSのデータが取得できず、Androidでテストマーケしている等の意見を聞きます。しかし弊社は、アップデートによる制限はあるが、それでも色々なデータが取れる機能を提供していきます」とコメントした。

~「ハイカジ道」の過去記事はこちら~
https://gamebiz.jp/news/tag/17082