【決算レポート】ケイブ、第1四半期は売上3億円割れ 株式報酬費用で営業赤字は直近最大 『東方Project』やテレ朝・でらゲーとの新作など仕込みの時期

ケイブ<3760>の第1四半期(2021年6~8月)の決算は、売上高2億8000万円(前四半期比16.1%減)、営業損失5億2200万円(前四半期は1億6500万円)、経常損失5億2100万円(同1億7700万円)、最終損失5億1900万円(同1億7700万円)と減収・赤字幅拡大となった。損失が大きく拡大したが、株式報酬費用3億4700万円が計上されたことによる。

・売上高:2億8000万円(同16.1%減)
・営業損失:5億2200万円(同1億6500万円)
・経常損失:5億2100万円(同1億7700万円)
・最終損失:5億1900万円(同1億7700万円)

 

株式報酬費用は、第27回新株予約権について、8月3日の普通株式終値が行使価額の70%を下回ったことにより、強制行使条件に抵触したことに関連する。キャッシュアウトを伴わない費用で、将来権利が行使された際には、現預金と資本金が増額となる。

 

このため、株式報酬費用を除いた損益状況は、売上高2億8000万円(同16.1%減)、営業損失1億7400万円(同1億6500万円)、経常損失1億7300万円(同1億7700万円)、最終損失1億7100万円(同1億7700万円)となり、赤字幅は前四半期比でほぼ横ばいとなる。

・売上高:2億8000万円(同16.1%減)
・営業損失:1億7400万円(同1億6500万円)
・経常損失:1億7300万円(同1億7700万円)
・最終損失:1億7100万円(同1億7700万円)

 

気がかりなのは売上の低下だ。四半期売上高は減少傾向にあったが、ついに3億円を割り込んでしまった。当サイトが集計している2010年3~5月以降で最も低い水準となった。運営受託とcapableの売上が低下した一方、『ゴシックは魔法乙女』が前四半期比ではプラスとなるなど復調したという。ただ、スマホゲームの売上は前年同期の3億円超から4割以上低下した。

なお、同社が開発・運営を受託をしていた『ワールドウィッチーズ』については、運営元がフォワードワークスからフレンズライトに6月28日をもって運営移管されたことに伴い、運営受託についても終了したとのこと。サービス開始当初はセールスランキングで上位に入るなど好調だったのだが、その調子を維持することはできなかった。

 

今後の鍵は、売上の回復次第となりそうだが、全体的にはまだ仕込みを行っている時期という印象で、本格的な回復にはもう少し我慢の時期が続くかもしれない。

取組での注目は、2022年にリリース予定の「東方Project」の許諾を受けて開発している新作タイトルだ。『怒首領蜂』シリーズや『ゴシックは魔法乙女』などシューティングゲーム開発実績のある同社がその極意をすべて注ぎ込むとのこと。順調に開発は進んでいるという。

 

ゲームについては、テレビ朝日とでらゲーと組んでいる新作スマートフォンゲームの状況も注目だ。同社は、製作委員会の主幹事として、ゲームの配信を担う。開発は、外部の会社に委託するようだ。ゲームタイトルやリリース時期については拡大次第発表する、としている。

 

また、capableについては、Youtubeなどの動画編集や番組制作の受託を行ったことに加え、登録配信者によるライブ配信、自社EC事業などを行い、第2四半期以降にスケール化を行っていくとのこと。このほか、人材派遣、職業紹介事業を行う子会社FIVESTAR BANKや、ライブ配信を行う子会社の設立なども行った。

 

株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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