サンリオ、9月中間決算は営業益2億円と前年同期26億円の赤字から急回復 日本とアジア中心に収益改善 固定資産売却で最終利益19億円に

サンリオ<8136>は、11月2日、2022年3月期の9月中間期の連結決算を発表し、売上高237億9300万円(前年同期比39.3%増)、営業利益2億8800万円(前年同期は26億4500万円の損失)、経常利益6億3600万円(同19億3800万円の損失)、最終利益19億4900万円(同28億4700万円の損失)と大幅増収・黒字転換となった。営業利益と経常利益については、それぞれ11億円の営業赤字、10億円の経常赤字を見込んでいたが、大きく上回る着地となった。

・売上高:237億9300万円(同39.3%増)
・営業利益:2億8800万円(同26億4500万円の損失)
・経常利益:6億3600万円(同19億3800万円の損失)
・最終利益:19億4900万円(同28億4700万円の損失)

地域セグメント別に見ると、日本国内のセグメント赤字が20億円から7000万円に減ったほか、アジアのセグメント利益が49%伸びて14億円となった。欧州や北米も赤字を減らした。

国内では全国に緊急事態宣言地域や、まん延防止等重点措置地域が拡大し、同社直営店においては影響を受けている店舗も多く厳しい状況が続いた。そのような状況下、卸売りやEC事業においては売上を伸ばすことができ、事業を下支えした。コロナ禍の影響から、衛生関連商品や巣ごもり(おうち需要)関連商品が好動向を示し、またイベント性のある当りくじは消費者の支持を集め、販売構成比を伸ばすことができた。昨年7月から開始したサンリオファン会員向けアプリ「Sanrio+」の会員数も10月には100万人を突破した。

テーマパーク事業は、コロナ禍の影響による入園者数減により、厳しい状況が続いているが、引き続き昨年より立ち上げた館内有料施策やデジタル配信、EC事業の拡大に注力していく。

海外では、新型コロナウイルス感染症拡大の抑え込みは地域により差はあるが、欧州ではアパレルライセンシーの伸長や大手玩具ライセンシーの再開、北米では玩具メーカーとの取り組みが堅調に推移した。中国では大型スポーツ用品メーカーとのコラボレーションが貢献し、アジア全体ではマスク等衛生関連商品の需要が伸長した。

なお、特別利益として固定資産売却益38億円、特別損失に中国事業の再編に伴う事業構造改善費用として非連結子会社であるSanrio Brand Development Shanghaに係る費用10億円を計上し、法人税等11億円を計上した結果、最終利益は19億円(同28億円の損失)となった。

各セグメントの詳細は以下の通り。

①日本:売上高177億円(前年同期比36.4%増)、営業損失7000万円(同20億円損失減)
・物販事業は、全国に広がる緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置により、消費者の来店機会や購入動機が失われたため、リテール事業を中心に苦戦した。一方でEC事業は前年同期比122.1%を示し、会員数も前年同期比147.7%と伸長した。また、販売面を拡大する卸売部門は引き続き好調で、物販事業の業績を下支えした。

商品動向としては、推し活を応援するエンジョイアイドルシリーズが、ライブ公演が徐々に再開したこともあり、堅調だった。引き続きマスク等の衛生商品、前髪クリップに代表するヘアアクセサリーのカテゴリーは人気を博している。同社オリジナルの当りくじは、毎回キャラクターや景品に趣向を凝らし、消費者の支持を集め、販売シェアを大きく伸ばしている。

また、10月8日には、新ショップ構想の『意外性や驚きといった面から脱サンリオを目指す「Am@zing(アメイジング)プロジェクト」』第1弾として、「Hello Kitty Japan ダイバーシティ東京プラザ店」がリニューアルオープンした。

・ライセンス事業の商品化権ライセンスでは、グローバルコスメブランドの「シュウ ウエムラ」「SABON」「資生堂」などの大型案件が全体を押し上げた。同時に「しまむら」「ドン・キホーテ」などの大型チェーン店向けの寝具・クッションなどのホームインテリア関連、ルームウエア・パジャマなどの部屋着関連などが、いわゆる「おうち需要」で堅調だった。この需要は近場のコンビニエンスストアにも波及し「当りくじ」の販売高が大きく伸長した。

・対企業企画ではハウスメイトパートナーズやジャパンホームズなどの不動産関連、「オリジン弁当」のオリジン東秀やシルバーライフなどのお弁当・配食事業、さらにはデロイトトーマツコンサルティングやシマダアセットパートナーズなど、従来にはなかった新機軸の企業群との新規契約が進み、大きく貢献をした。

エンターテイメント事業本部の第2四半期は、アニメやトイ・ホビーの事業が大きく伸長した。アニメ関連では、「ゆるキャン△」「進撃の巨人」を始めとした人気アニメとサンリオキャラクターズとのコラボレーション商品が好評だった。アニメやゲームコンテンツとのコラボレーションによる商品化ロイヤリティは好調で、収益の柱になりつつある。

トイ・ホビーについては、フリューやセガへのライセンス供与によるクレーンゲーム用ぬいぐるみや雑貨関連商品が、引き続き好調だった。

バンダイとのカプセルトイ、タカラトミーのシンカリオンなど、定番トイ・ホビーアイテムへのキャラクター供与が、コロナ禍においても底堅く推移し収益につながっている。デジタルビジネスについては、LINE、ココネ、NetEase Gamesなどのグローバル企業からのロイヤリティ収入が順調だったことに加え、ディー・エヌ・エーやNTTドコモなどとの新規案件が売上に寄与した。引き続き、話題性のあるデジタルサービスへのキャラクター供与をさらに加速させていく。

・テーマパーク事業では、東京都多摩市のサンリオピューロランドは、第2四半期を通して発令した緊急事態宣言とまん延防止等重点措置により、定員制限50%のもと、入園者数を伸ばす施策を打つことができず、第2四半期の入園者数は22万7000人(前年同期は、10万2000人※7月13日より営業再開で事前予約抽選制)だった。入園者数制限により館内売上が伸び悩む中、施設外でのサンリオ60周年企画「Sanrio Kawaii ミュージカル『From Hello Kitty』」が売上に寄与したが、販売費及び一般管理費が前年同期比120.8%となり、その結果大幅な営業損失となった。

大分県のハーモニーランドは、7月には入園者数は回復基調となったが、8月前半からは九州地方でも緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が発令したことにより、近隣県からの入園者数が伸び悩―4―み、第2四半期の入園者数は7万3000人(同4万7000人)となった。引き続き、今期立ち上げた、有料のキャラクターグリーティングやECでのオリジナル商品の販売を推進していく。

② 欧州:売上高7億円(前年同期比42.9%増)、営業損失1億円(同2億円損失減)
サンリオキャラクターに関しては、大手アパレルライセンシーが伸長した他、大手玩具ライセンシーとの取り組みも開始し、前年同期の売上を上回った。『ミスターメン リトルミス』に関しては、主要カテゴリーである出版ライセンスが堅調に推移している。フランスの大手出版社は販売先である大手量販店でプロモーションを実施したこともあり、前年同期の売上を大きく上回った。

③ 北米:売上高13億円(前年同期比102.0%増)、営業損失3億円(同3億円損失減)
ライセンス事業では、ぬいぐるみをメインで扱う玩具メーカーとの取り組みが好調で、多くの小売店で販売を開始している。また、大手玩具ライセンシーとの取り組みで販売しているぬいぐるみも取扱店舗を拡大している。

物販事業では、ECの売上が前年同期と比べて非常に好調に推移している。小売店舗に関しても、春休みと規制解除が重なったことで、売上が大きく伸長した。

④ 南米:売上高1億円(前年同期比13.7%増)、営業利益1900万円(同営業損失600万円)
ブラジルでは、新規取り組みであるオンラインゲームとのコラボレーションが牽引し、売上が大きく増加した。また、既存のサンダルメーカーとの取り組みも好調に推移している。一方、メキシコでは、主要取引先の生理用品を扱うメーカーの新商品発売が遅れたこともあり、前年同期に対して売上が減少した。

⑤ アジア:売上高38億円(前年同期比39.5%増)、営業利益14億円(同49.4%増)
香港・マカオでは、コンビニチェーンでのキャンペーン、及び不織布マスクなどの衛生用品を扱うメーカーとの取り組みが好調に推移している。

台湾では、新型コロナウイルス感染症拡大により、コンビニエンスストア等の流通・小売及び外食業界でのキャンペーンが伸び悩んでいる。一方、ヘルス&ビューティカテゴリーでは、マスクを中心に扱うメーカーとの新規契約が増加している。

韓国では、デジタルカテゴリーが引き続き好調に推移している。また、靴カテゴリーでは、既存取引先が大手ECでの販売を開始した影響で大きく売上を伸ばしている。一方、衛生用品を中心に扱っていたメーカーが、中国での原材料高騰の影響を受け、出荷量を減らしており、その影響で売上が伸び悩んでいる。

中国では、大手スポーツ用品メーカーとの大型コラボレーションや、ヘルス&ビューティカテゴリーの伸長など、ほぼ全てのカテゴリーにおいて売上が好調だった。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、支払いが遅れていたMG(最低補償金)の入金もあり、前年同期の売上を大きく上回った。また、『ミスターメン リトルミス』に関しては、50周年を記念してライブコマースを行うなど、認知拡大施策を実施した。

 

■2022年3月通期の見通し

続く2022年3月期は、売上高493億円(前期比20.0%増)、営業利益100万円未満(前期は32億8000万円の利益)、経常利益5億円(同17億3100万円の損失)、最終利益15億円(同39億6000万円の損失)を見込む。

・売上高:493億円(同20.0%増)
・営業利益:100万円未満(同32億8000万円の利益)
・経常利益:5億円(同17億3100万円の損失)
・最終利益:15億円(同39億6000万円の損失)

株式会社サンリオ
https://www.sanrio.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サンリオ
設立
1960年8月
代表者
代表取締役会長 辻 信太郎/代表取締役社長 辻 朋邦
決算期
3月
直近業績
売上高410億5300万円、営業損益32億8000万円の赤字、経常損益17億3100万円の赤字、最終損益39億6000万円の赤字(2021年3月期)
上場区分
東証一部
証券コード
8136
企業データを見る