【決算レポート】セガサミー、9月中間期は経常益147億円と黒字転換　損失計上のAM施設が連結離脱、AM機器や遊技機収益改善　ゲームはプロダクトミックスの変化で減益に

セガサミーホールディングス<6460>の9月中間期の連結決算は、売上高1348億9300万円(前年同期比22.3%増)、営業利益146億7800万円(前年同期は30億7600万円の損失)、経常利益147億5200万円(同35億8300万円の損失)、最終利益120億1200万円(同217億1600万円の損失)と増収・黒字転換を達成した。エンタテインメントコンテンツ事業が想定を上回って好調に推移したほか、前年同期に新型コロナの影響を受けた遊技機事業とリゾート事業も赤字幅を縮小するなど改善したことが主な要因だ。

・売上高:1348億9300万円(同22.3%増)
・営業利益:146億7800万円(同30億7600万円の損失)
・経常利益:147億5200万円(同35億8300万円の損失)
・最終利益:120億1200万円(同217億1600万円の損失)

■エンタテインメントコンテンツ事業
・売上高:1078億7400万円(同11.2%増)
・経常利益:227億0900万円(同34.7%増)

 前年同期に27億円の損失計上していたアミューズメント施設がグループから離脱したことに加えて、UFOキャッチャーやプライズ販売が好調だったアミューズメント機器、劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の配分収入を計上した映像・玩具が増益要因となった。

ゲームは増収・営業減益だった。家庭用ゲームは、新作ゲームを中心に売上を伸ばした。前年同期に好調だったリピート販売は26.1％減った。新作は、単価が高いが、開発費や広告宣伝費も増えるため、リピート販売に比べて採算性が低い。

新規IP『HUMANKIND 』をPC、Xbox Game PassやStadiaなど、幅広いプラットフォームに提供したことをはじめ、過去作のリマスター版『ソニックカラーズアルティメット』や、シリーズ最新作の『LOST JUDGMENT : 裁かれざる記憶』を世界同時発売した。

また、PCオンラインゲームやスマホゲームなどF2Pゲームは2.3％増の261億円だった。『プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク』のほか、『PSO2 ニュージェネシス』、『北斗の拳 LEGENDS ReVIVE』が貢献した。

■遊技機事業
・売上高:233億3500万円(同116.9%増)
・経常損失:13億2400万円(前期は124億2500万円の損失)

大幅増収・赤字幅が大きく減り、収益性が改善した。パチスロ遊技機では3万1000台の販売（前年同期4000台）、パチンコ遊技機では2万3000台の販売（前年同期1万1000台）と伸びた。前期実施の構造改革効果等により、固定費は引き続き低水準で推移した。

主な発売機種は以下のとおり。

【パチスロ遊技機】
・パチスロコードギアス 反逆のルルーシュ3
・パチスロ楽園追放

【パチンコ遊技機】
・P蒼天の拳 天刻
・P火曜サスペンス劇場 最後の推理
・デジハネPA真・北斗無双 第2章 連撃Edition

■リゾート事業
・売上高:38億3200万円(同70.7%増)
・経常損失:39億5500万円(同46億6200万円の損失)

「フェニックス・シーガイア・リゾート」は、施設利用者数は前年同期比で155.0％と回復したものの、新型コロナ以前である2019年4月～9月の6ヵ月との比較で72.0％となった。

海外は、PARADISE SEGASAMMYが運営する「パラダイスシティ」において、新型コロナ感染拡大に伴う各国の渡航制限の影響等により、1月～6月のドロップ額（テーブルにおけるチップ購入額）が59.7％減、カジノ来場者数が41.6％減と大幅に落ち込んだ。
※PARADISE SEGASAMMYは12月決算のため3ヵ月遅れで計上

なお、同社はコンソーシアムを組成し、2021年6月に横浜市の実施する「特定複合観光施設設置運営予定者」の公募に応募していたが、2021年9月に横浜市が公募の中止を決定したことに伴い、横浜市におけるIR事業への参画については中止となった。

■2022年3月通期の見通し
2022年3月通期は、、売上高3050億円(前期比9.8%増)、営業利益230億円(同250.9%増)、経常利益215億円(同1153.6%増)、最終利益150億円(同1077.3%増)を見込む。従来予想から利益予想を引き上げた。

・売上高:3050億円(同9.8%増)
・営業利益:230億円(同250.9%増)
・経常利益:215億円(同1153.6%増)
・最終利益:150億円(同1077.3%増)